考察覗き魔

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ダークソウルシリーズに関する考察

【ダークソウル】邪教・アルトリウス大剣特攻についての調査

久々に書けそうだったので書きました。

今回は無印ダークソウルにおける"邪教武器"と"アルトリウスの大剣"によるボーナスダメージ(以下邪教特攻、深淵特攻と呼びます)について調べました。

 

1.前提

まず、邪教特攻と深淵特攻について、テキストで確認します。

暗い種火

武器を進化させるために必要な種火
暗い種火は永く教会に秘匿される禁忌であり
それを知る鍛冶は誰も生きてはいない

+5の神聖の武器を、邪教の武器に進化させる
(邪教の武器は+5まで強化できる)

邪教の武器は神狩りの武器であり
神の一族やその信徒たちに有効となる

 武器に邪教属性を付与できる暗い種火のテキストによれば、邪教は神やその信徒に有効だそうです。具体的には以下が対象になっています。

・グウィン

・グウィンドリン

・オーンスタイン

・銀騎士

・黒騎士

・巨人衛兵

・etc...

 つまりは、神といってもニトやイザリスの関係者は含まず、グウィンの血縁やその騎士たちに限定されるようです。ちなみにグウィンの四騎士である王の刃キアランには邪教属性が有効ではありませんでした。

ちなみに、邪教派生をせずとも、武器に邪教属性が付与されているものもあります。

・ダークハンド

プリシラの短剣

・ベルカの刺剣 

 以上の武器には邪教属性が付いています。

 

続いて、アルトリウス大剣についてですが、これについては以前の記事で詳しく書いたので割愛します。

engankyo.hatenablog.com

 

 2.準備

さて、タイトルには"調査"とありますが、何を調べたいのかといいますと、無印ダークソウル攻略本のこの記述

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と、無印seesaa wikiこのページの記述

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これの邪教やアルトリウスの大剣についての記述が正しいのか疑問だったので、いざ自分の目で確かめようと思った次第です。

今回調べるために、まず深淵特攻については、
アルトリウス大剣と同程度の物理攻撃力にしたクレイモアと、同程度の魔法攻撃力にした月光の大剣を用意しました(上で引用した記事の時に作成したもの)、

邪教特攻については、魔法属性が入っていると大変なので、
プリシラの短剣と、それと同程度の物理攻撃力にした暗銀の残滅を用意しました。

注意するべきことは、武器の補正を考慮して、装備時の表示攻撃力を見ることと、"標準","斬撃","打撃"などの攻撃属性を揃えることです。

 

 3.測定

用意した武器で、ダークレイスや黒騎士に対して有意にダメージが増加することを確認した後、以下を対象にダメージ測定を行いました。

・闇霊 トゲの騎士カーク @最下層

・闇霊 トゲの騎士カーク @デーモン遺跡

・闇霊 聖騎士リロイ @巨人墓場

・白霊 聖騎士リロイ @地下墓地

・闇霊 侵入プレイヤー (誓約:ダークレイス+1)

・復讐霊 侵入プレイヤー (誓約:暗月の剣+1)

 友人に協力してもらい、プレイヤーの侵入霊に対しても測定を行いました。
白霊のリロイについては、私が闇霊として召喚してもらうことで測定をしています。

 

4.結果

結果として、トゲの騎士カークは、最下層,デーモン遺跡のどちらでも深淵特攻が有効であることが確認できました。加えて、聖騎士リロイは闇霊,白霊のどちらでも邪教特攻が有効であることが確認できました。

結果を以下の表にまとめました。

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以上より、「カークはアルトリウス大剣が有効である」「リロイには邪教属性が有効である」という攻略本の記述は正しいことが分かり、「復讐霊には邪教属性が有効かもしれない」というwikiの記述は誤りであったことが分かりました。

5.考察

結果を踏まえて、データの考察を行いたいと思います。
つまり、何故カークにはアルトリウス大剣が有効で、リロイには邪教属性が有効なのかを自分なりに考えてみます。

まず聖騎士リロイについて。彼は闇霊,白霊問わず邪教属性が有効でした。
邪教の武器は「神の一族やその信徒たちに有効である」との記述から、このリロイは「神の信徒」であるが故に邪教属性が有効となったと考えるのが自然です。
しかし他の「神の信徒」と呼ばれる人たちはどうでしょうか?
白教の信徒であるレアやニコ、ヴィンスには邪教属性が有効ではありませんでした(当然ペトルスも!)。直接神に見え、誓約を結んでいるはずの暗月の女騎士であっても、邪教属性は有効ではありませんでした。

聖騎士の兜

地下墓地の聖騎士、リロイの兜

はるか昔、白教に最初に生まれた不死
黄金の鎧に身を包む聖騎士だったという

聖騎士は二つの宝具、グラントとサンクトゥスを携え
神々の地ロードランの探索に旅立った
白教の不死の使命のはじまりである

 聖騎士リロイが神の一族ならば話は別ですが、「不死」とテキストに記述されていることから、彼は人間だろうと考えられます。しかし”はるか昔”の人物ということですから、神の力の影響も濃く信仰によって神に近い力を得たのかもしれません。

次に、トゲの騎士カークについてです。上で引用した記事にあるように、アルトリウスの大剣は闇の眷属、特に世界蛇に関係する存在に対して有効でした。

トゲの兜

悪名高いダークレイス「トゲの騎士」カークの兜
表面にびっしりと鋭いトゲが生えている

この禍々しい兜を装備してローリングすれば
そのまま攻撃となり、敵にダメージを与える
まさに、皆殺しのカークに相応しいものだ

 

装備のテキストによると、カークはダークレイスだそうです。 ただの闇霊をダークレイスと称している可能性は高いですが、世界蛇の力を受けた狭い意味でのダークレイスであるならば、アルトリウスの大剣が有効であることが説明できます。

しかし、ダークレイス誓約をしているプレイヤー闇霊に深淵特攻が有効でないことや、「カースは混沌の娘と誓約を結んでいたのでは」といった考え方もあるため、ダークレイスであるから深淵であると決めつけることは難しいです。

興味深いことに、ダークソウル3ではトゲの騎士カークと全く同じ装備をした「中指のカーク」が闇霊として登場しますが、深淵の存在に有効な狼騎士の大剣を彼に振っても、特攻ダメージはありません。
深淵の存在でなくなったのは、誓約対象をロザリアに変えた影響なのか、そもそも同一人物なのかもわかりませんが一考の余地のある面白い点だと思っています。

 

おわりに

 「ほんまにそれ正しいんかワレェ」の精神でいろいろ調べましたが、統一的に「○○だから深淵!」「××だから邪教が有効!」と結論付けることが難しい結果になりました。

邪教や深淵に関する理解を深めることは多くの考察に影響すると思うので、掘り下げていくと面白いかもしれません。

【ダークソウル】黒教会を探したい!

今回は黒教会についての記事を書こうと思います。

・黒教会とは

黒教会とは、老人と亡者の国と呼ばれるロンドールの建物および集団の名称です。
黒教会の創始者にはエルフリーデ、ユリア、リリアーネの三人がおり、彼女らは世界蛇の娘と呼ばれています。
ロンドールと黒教会はダークソウル3にエンディングの一つにも深く関わる重要な存在ですが ーアイテムが多いにも関わらず!ー 謎が多い集団です。
細かい話は置いておき、とにかく黒教会を見つけたい!

モーリオンブレード

黒教会の尖塔を模した異形の剣
八つの枝刃と無数のトゲを持ち、出血を強いる

また黒教会の祝福は使用者の危機を喜ぶといい
HPが大きく減ると、攻撃力を一時的に高める
異形の姿に相応しい、呪われた剣であろう

モーリオンブレードのテキスト曰く、黒教会は八つの枝を持ったような尖塔を備えているようです。
このほぼ唯一といえる外見的特徴を頼りに、ロードランからロスリック、はたまたボーレタリアからヤーナムの果てまで黒教会を探した人は少なくないのではないでしょうか。攻略、対人、黒教会探しと、ダークソウルのメジャーな遊び三本の指に入りますね。
私も一般ダークソウルプレイヤーなので、よく黒教会を探しにいきますが、ダークソウル3が発売されて何年経ったでしょうか、世界中のプレイヤーが探しても「これぞ黒教会!」というものは見つかっていません。(見つかっていないと思います)
私は、黒教会の尖塔をむやみやたらに探すのではなく、ロンドールの情報から絞っていく作戦を決行しました。

・ロンドールとカリム

まずは2つのテキストを見ていただきましょう。

解呪石(dark souls3)

小さな頭骨が溶け込んだ灰色の石

呪いの蓄積を減らし、亡者状態を解除する。

亡者の国ロンドールの秘宝であり
彼らが自らを偽るときに使用する

ときには、その偽りを自分と信じ
亡者を捨てる裏切り者もいるという

解呪石(dark souls)

半ば頭骨が溶け込んだ灰色の石
カリム伯アルスターの秘宝の1つ
呪いの蓄積を減らし、呪死状態を解除する

人は呪いに対し無力であり
それを逸らすことしかできない

解呪石もまた、呪いを逸らす先でしかなく
それは人、ないし人だった何かなのだろう

ダークソウル3では、解呪石はロンドールの秘宝とされていますが、ダークソウルでのテキストにはカリム伯アルスターの秘宝とされています。
ロンドールとカリムには繋がりがあるのでしょうか。
カリムといえば、ダークソウルで登場する"カリムのオズワルド"もカリムの人物です。オズワルドは罪の女神ベルカ教戒師です。
偶然か意図してなのか、このオズワルドの装備は黒シリーズ(黒の聖職衣、黒のマンシェット、黒のタイツ)であり、ロンドールのユリアの黒シリーズ(黒のドレス、黒の手甲、黒の足甲)と重なるものが在ります。
この教戒師とロンドールのユリア、どちらも卓越した剣士という共通点があります。

ベルカの刺剣

罪の女神ベルカの教戒師が身に帯びる
象徴的な意味合いの強い刺剣

だが、それは単なる象徴に留まらず
魔力を帯びた刀身と、独特の剣技により
教戒師はまた卓越した剣士でもある

闇朧(dark souls3)

ロンドールのユリアの得物
見えぬ刀身を持つ魔剣

黒教会の指導者の一人であるユリアは
卓越した剣士であり
この一振りで百の騎士を葬ったという

・ロンドールとベルカ

カリムの教戒師から派生して、ロンドールとベルカの関わりについて整理します。
ロンドールとベルカの繋がりを匂わせるテキストといえばまず、沈黙の禁則でしょう。

沈黙の禁則(dark souls)

黒髪の魔女ベルカが伝える秘儀
効果範囲内ですべての魔法が使えなくなる

罪の女神は異端であるが
古今あらゆる秘儀に通じており
神々の中でも強い影響力を持つと言われる

沈黙の禁則(dark souls3)

ロンドール黒教会の奇跡

自分も含め、周囲にいる者の魔法を封じる

黒教会の者たちは、皆卓越した剣士であり
ロンドールの沈黙はいつも彼らと共にある
そして剣だけは、決して裏切らない

無印ダークソウルではベルカの秘儀として伝えられていた沈黙の禁則ですが、ダークソウル3ではロンドールの奇跡として伝わっています。
また、エレーミアス絵画世界にベルカの鴉人と呼ばれるエネミーがおり、ベルカはカラスと関連付けられることもあります。ユリアの頭装備は嘴の仮面であり、この嘴がカラスのものを指しているかは分かりませんが、黒装束のクチバシという点がカラスを想起させます。

嘴の仮面

ロンドールの黒教会、三人の指導者たちの装束
嘴の仮面は次女ユリアのもの

彼女たちは世界蛇の娘であり
黒教会の創始者としても知られている
すなわち亡者の救い手として

さて、先ほどテキストを示したベルカの刺剣ですが、この武器は神族に対して特攻を持つ邪教属性を持っています。
この邪教属性は、無印ダークソウルでしか登場しない属性ですが、ベルカの刺剣の他にダークハンドもこの属性を持っています。

・ロンドールと世界蛇

ダークハンド(dark souls)

カアスに唆された、ダークレイスたちの業
闇のソウルにより人間性を奪う吸精の業をなし
また特殊な盾ともなる

偉大なる古の者ともなれば、人間性溢れる聖人とて
一度にすべてを奪い取ることができるだろう

ダークハンドはカアスたち世界蛇の業であり、ロンドールもまた、この業を扱います。嘴の仮面のテキストにあるように、ユリアを含む黒教会の創始者たちは世界蛇の娘と呼ばれています。

カアス、貴方の遺志を・・・
(ロンドールのユリア)

ユリア殺害時のセリフから、黒教会の創始に関わってた世界蛇はカアスであることが分かります。
黒教会はカアスとも深く関わっており、これもロンドール捜索の手がかりとなります。
ここで、カアスと関わりがあったであろう、とある国について考えます。

貴公も、おそらく目にはしているだろうが
友アルトリウスを蝕んだ深淵の闇は
いまやこの国、ウーラシールを飲み込もうとしている


・・・おそらく、滅びは避けられまい
だが、たとえ、闇の蛇に唆されたとて
彼らは自ら望み、あれを起こし、狂わせたのだ


・・・滅びは自業というものだよ...
(鷹の目ゴー)

・ロンドールとウーラシール

深淵に堕ちた国ウーラシールは、闇の蛇に唆されたことがキッカケで古い闇を呼び起こしてしまったのだと、鷹の目ゴーは伝えてくれます。
闇の蛇がカアスであるとは明言されていませんが、もう一つの深淵に堕ちた国「小ロンド」の深淵の原因がカアスであることから、ウーラシールの原因もカアスであると推測されます。
さて、ウーラシールとロンドールの関わりですが、ロンドールの関連人物であるロンドールの老婆というNPCがウーラシールの魔術を使用します。

擬態(dark souls3)

古い黄金の魔術の国
ウーラシールの失われた魔術
場所にふさわしい何かに変身する

それはかの国の正式な魔術ではなく
ある少女が悪戯に生み出したものだという
宵闇の森で、ただ孤独を癒すために

擬態という一つの魔術の細い繋がりに過ぎませんが、確かにロンドールとウーラシールには接点があると言えます。
ところで、ウーラシールは無印ダークソウルで登場する国ですが、ダークソウル3で登場する輪の都とウーラシールには繋がりがあったようです。

古めかしい平服

古い魔術の国の平服
黄金の飾りは僅かな魔術を帯びているが
本来、戦いのための装束ではない

遥か昔、ある使節団が輪の都を訪ねたとき
唯一残った若者が
記録上最後の、教会の槍になったという

輪の都には、ウーラシールらしき足跡が多数存在し、かつてウーラシールの使節団が訪れたことが想像されます。

・ロンドールと輪の都

ウーラシールと繋がりのあった輪の都ですが、この輪の都ともロンドールは接点があります。

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図 モーリオンブレードと契りの剣

契りの剣

ロンドールの儀式剣
武器としては装備できない

契りの儀式により
真の亡者の王が生まれるという

伴侶の名はアンリ
霊廟の最奥で、王を待っている

この契りの剣は、火の簒奪者エンドで必須となるアンリとの結婚に必要なアイテムです。契りの剣と輪の都にどのような繋がりがあるのでしょうか。

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図 フィリアノール教会とその尖塔


図に示した輪の都のフィリアノール教会を見てみると、尖塔に特徴的な形をしたモノがあります。
なんと、契りの剣と同じ形をしています。
言い換えれば、契りの剣は輪の都の建物の尖塔を模しているということも出来ます。

黒教会特定のほぼ唯一の手がかりであったモーリオンブレードですが、これは黒教会の尖塔を模したとされる剣です。
モーリオンブレードも契りの剣も、教会の尖塔を模した剣だとすれば、これ以上ない共通点と言えるでしょう。
    

・まとめと妄想

以上では、テキストを中心に黒教会に関連する事実を整理しました。「結局、黒教会ってなんなんだい!」という話になるので、自分なりの妄想を記しておきます。

・ロンドールはカリム ?

上で示したように、カリムとロンドールには接点がいくつも見つかりました。そのため、ロンドール建国はカリムの陣営が関わっていたのではないか、という妄想です。
ユリアの得物である闇朧のテキストを確認すると、”この一振りで百の騎士を葬ったという”といった記述があります。ロンドールは亡者の王を求め、不死人たちの国を求めています。ユリアは不死人を良しとしない騎士たちと争っていたのではないかと推測できます。

不死狩りの護符

不死人狩りの道具
一定時間、効果範囲内のエストによる回復を禁じる

かつて不死人狩りを率いたロイド騎士の遺産
白教の主神ロイドの信仰は廃れて久しく
その狩りの業だけが受け継がれている
不死の回復だけを封じ、正々堂々と戦うのだ

白教のロイド騎士たちはかつて不死人を行っていたことが分かります。無印ダークソウルでは王の刃キアランも護符を使用するので、おそらく当時は正当な行為だったのだと思います。
しかし白教のロイド信仰は廃れていったようです。

ロイドの剣の指輪

白教に仕える騎士たちに与えられる指輪
主神ロイドの法の剣を象っている

HPが最大のとき、攻撃力を一時的に高める

だが白教のロイド信仰は、今や廃れて久しい
カリムの司祭たちは声高に主張する
ロイドは傍系にすぎず、主神を僭称したのだと

「ロイドはダメだぞ!」と主張した集団こそがカリムでした。
イリーナやイーゴンを見る限り、白教信仰自体は失われていませんが、"不死人を狩るロイド騎士に対する反抗勢力がカリムから生まれ、黒教会の源流となった"、そんな風に考えても面白いかもしれません。それこそカリムの異端のベルカ信仰が黒教会を生み出したのかもしれません。

モーンの兜

カリムの騎士に与えられる異形の兜

大司教使徒モーンを象ったものであり
特に兜は、司教座に並ぶ石像の頭部そのものである

カリムの騎士は、生涯一人の聖女に仕えるという
かつてモーンが、ある女神に仕えたように

モーン装備には、

「カリムの騎士は、生涯一人の聖女に仕える」

といったテキストもありますが、エルフリーデの騎士ヴィルヘルムもカリム騎士だったなら、フリーデに最後まで仕えようとしていたことも納得できます。
しかし、契りの剣と輪の都に関して、この仮説では説明できないので不十分であると思っています。

・ロンドールは輪の都 ?

輪の都=ロンドールと書いてしまっていますが、違うと思います。
正確に言えば、輪の都の崩壊のさらに未来に、ロンドールが生まれているのではないだろうか、という仮説です。
ロンドールが輪の都と密接であれば、契りの剣や魔術"擬態"の説明が簡単にできます。

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 図 輪の都の崩壊 

フィリアノールの目覚めの後、輪の都は崩壊します。崩壊した世界に、しかし、ロスリックとアノール・ロンドらしき影を遠くに確認することができます。
当然、輪の都は吹き溜まりから移動する場所であるため、ロスリックは崩壊しているはずです。
時系列を考えると、果てしなく複雑になってしまうため、輪の都が崩壊しているとき、ロスリックは残っている!という事実だけを確認してください。

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図 ダークソウル3オープニング一部抜粋


ダークソウル3のオープニングを確認すると、崩壊したアノール・ロンド、イルシール荒れた砂地を歩く巡礼者たちその頭上にはロスリック城
崩壊して世界が砂に飲まれた状況であってもロスリックは存在している。これはフィリアノール目覚め後の状況と一致します。
巡礼者の存在は、謎が多く、適当なことは言えませんが、ロンドールの手先としてロンドールのヨエルロンドールの老婆が巡礼者の姿で登場します。崩壊した世界の生き残りが、巡礼者としてロスリックに向かっていたのかもしれません。
(何が過去で、何が未来か、そもそもループしているのではないか? 時間の常識を一度捨ててしまえば、こういった妄想もありかもしれませんね。でも百も騎士がいなさそうだなあ。)

おわりに

今回は黒教会についての情報整理を目的に書き始めました。初めは”小ロンド遺跡の建物の尖塔”や”不死教会の尖塔”、”エレオノーラって建物の尖塔みたい!”みたいな話もしようと考えていたのですが、自分の中でまとまりがついてしまったので、ここでおしまいにしようと思います。
黒教会は、
・テキストが多い
・これだ!というものが無い
というワクワク考察コンテンツなので、様々な仮説が立てられて面白いと思います。

 

ありがとうございました。

【ダークソウル】繋げていこうダークソウル事件歴【考察】

※7/28追記あり

 

今回の記事は、ダークソウルの世界の事件や建物の成り立ちからダークソウルの時系列を紐解いていこう。という目的です。

ロードランでは時間が淀み歪んでしまっているため、過去から未来の一本の時間軸に乗った世界とは言えませんが、ある程度因果関係は成り立っているはずなので、時系列を考えてみればきっと楽しい。そう考えます。

まずは、時系列を考える上で押さえておきたい要素について雑にまとめておきます。

・火の時代の興り

岩と大樹と古竜のみがあった世界に生まれた「はじまりの火」。

この火の闇から生まれた神々と人々は古竜に打ち勝ち、火の時代を手に入れました。
ちなみに・・・火の時代は「はじまりの火」が生まれてからの時代を指すのではなく、グウィン達が古竜に勝利してからの時代を指します。

神々の要請に応じ、竜狩りに列した古い人たちは大王グウィンに輪の都を与えられました。 

輪の都は『ダークソウル3』では荒廃しきった都ですが、かつてはある使節団が来ていたようです。

【古めかしい平服】

古い魔術の国の平服
黄金の飾りは僅かな魔術を帯びているが
本来、戦いのための装束ではない

遥か昔、ある使節が輪の都を訪ねたとき
唯一残った若者が
記録上最後の、教会の槍になったという

「古い魔術の国」や「黄金の飾り」から、この使節団はウーラシールからの物であると想像できます。

 

・ウーラシールについて考えよう

光を操る魔術の国でしたが、闇の蛇に唆され古い人の墓を暴き、街や住人は深淵に落ちてしまいました。深淵を止めるため「深淵歩き」のアルトリウスがウーラシールへ向かいましたが、闇のない彼は深淵に飲まれてしまいました。深淵の主であるマヌスは、先の時代から現れた名もなき英雄に倒され深淵の拡大は抑えられました。

小ロンドの王に仕えた騎士「ダークレイス」、その『ダークレイスの狩人』として知られているのが「深淵歩き」のアルトリウスです。

 

・小ロンドについて考えよう

上でも書いたように、ダークレイスとは小ロンドの王に仕える騎士です。
小ロンドの王が闇唆しカアスによって深淵に落ち、その騎士も生命喰いの力を手にしました。

小ロンドは街ごと水の下に沈められ、ダークレイスたちは封印されました。

さて、この封印された小ロンドの王「四人の公王」はかつてグウィン王に見え彼のソウルを分け与えられています。公王たちはグウィンの居城であるアノール・ロンドへ赴いたのでしょう。

 

・アノール・ロンドについて考えよう

アノール・ロンドは火の時代を興した大王グウィンを中心として作られた都です。

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かつては栄華を極めた都だったのでしょうが、火が陰った『ダークソウル』の時代ではほとんどの神々はこの地を去り、残ったのは偽りの王女と暗月の神、狂気に飲まれた白竜くらいです。

『ダークソウル』において、我々選ばれし不死はアノール・ロンドへ至り、王女からグウィンの後継たる証「王の器」を授かり火継ぎを進めることとなります。

ここで、アノール・ロンドへ至るためには過酷な試練を乗り越える必要がありました。

 

・神に出会いたいアナタ必見 神への道のススメ

火継ぎのための王の器を得るために、選ばれし不死はアノール・ロンドへ向かう必要があります。

それに加え、小ロンドの王たちもアノール・ロンドのグウィン王に直接出会い王のソウルを分け与えられていました。
「アノール・ロンドへの道」とされる方法が2つあります。

1つ目は「センの古城の試練」。これは初代の『ダークソウル』において、プレイヤーがアノール・ロンドへ行く手段であり、馴染みのあるものです。

そしてもう1つが、「ウーラシールの試練」です。

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     試練の戦い

【臆病者の紫水晶

オンラインプレイ専用アイテム
「試練の戦い」から離脱する
(ホストが離脱するとセッションは解散する)

その戦いは古来アノール・ロンドへの道であり
既に管理者なく、その本分が失われた今でも
離脱するものは臆病者の誹りを免れない

故に、この紫水晶は軽々に使用すべきではない
仮りそめでも、戦いに意味を求めるならば

ウーラシールで行われる「試練の戦い」(2の「死合」や3の「不死の闘技」のようなもの)から離脱するためのアイテムが「臆病者の紫水晶」です。

テキストにあるように、かつて「試練の戦い」はアノール・ロンドへ至るための手段であったそうです。

以上より、アノール・ロンドへ行く手段としてセンの古城の試練試練の戦いの2つがあることがわかります。

さて、センの古城には守護者としてアイアンゴーレムがボスとして存在していますが、このゴーレムは神々によって作られていることがテキストからわかります。

 

【竜骨の拳】

センの古城の守護者として
アノール・ロンドを目指す英雄たちを屠ってきた
アイアンゴーレムのソウルから生まれた武器

神々は、古竜の大骨にソウルの魔力を融合し
もって強大なゴーレムの核としていたのだろう

 

多くの神々が去り、大王グウィンも居なくなってしまったアノール・ロンドですが、火継ぎの使命は引き継がなくてはいけません。

管理者が必要なウーラシールの試練に対して、管理が必要ないシステムとして作られたのがセンの古城の試練なのかもしれません。

 

ここまでは準備段階で、ここから今回書きたかったテーマです。

 

・混沌と、センの古城と、二つの鐘

『ダークソウル』でお馴染みのセンの古城によるアノール・ロンドへの道について考えてみましょう。

我々不死がアノール・ロンドへ向かう道筋は大体以下の通りです。

①上下にある二つの鐘を鳴らしてセンの古城への道を開く

②センの古城の試練を越える

③ゴーレムを討ち、蝙蝠羽のデーモンによってアノールロンドへ運ばれる。

 ここで「二つの鐘」について思い出してみます。

まず「上の鐘」は城下不死教区にある教会にあります。
この教会の鐘は「鐘のガーゴイル」によって守られています。

ガーゴイルの兜】

不死教会の鐘楼で目覚ましの鐘を守っていた
魔法生物ガーゴイルの兜

ガーゴイルの皮膚は元より硬く
この青銅の兜は装飾でしかなかった
高い防御力は期待できないだろう

 ガーゴイルはアノール・ロンドでも登場します。また、不死教会にあるエレベーターを見てみると、アノール・ロンドにもある紋章を見つけることができます。

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     不死教会のエレベーター

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     アノールロンドにある紋章

このことからわかるように、不死教会の設立にはアノール・ロンドが関わっていると推測されます。

センの古城にアノール・ロンドの神々が関わっていることから、不死教会にも神々が関わっていることは当然のように思えますが、ここでアンドレイの興味深いセリフを紹介します。

ここは古い教会だ

あんたの通ってきた不死教会は、ここを棄てて建てられたんだ

だから、ってわけでもないが、ここは2つの古い禁域につながってるセンの古城と、黒い森の庭だ

どっちも、まともな奴が訪れる場所じゃあない 

(アストラの鍛冶屋アンドレイ)

 アンドレイの居る場所は不死教会よりも古い教会で、それ故に古い禁域に繋がっているそうです。セリフの解釈にも依りますが、
「センの古城は不死教会よりも古い建物である」
と捉えることができます。

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     センの古城に繋がる廃教会

鐘がセンの古城より後に設置された物ならば、門を開いて古城に入るシステムは後付けで作られたものだと考えることができます。

では誰がこの後付けされたセンの古城システムに関わっているのでしょうか。
まず少なくとも、グウィンドリンと世界蛇フラムトが関わっていることは確かでしょう。

お願いです

大王グウィンの後継として、世界の火を継いでください

そうすれば、人の世の夜も終わり
不死の現れもなくなるでしょう

世界の蛇、王の探索者フラムトが、貴方を導いてくれるはずです

(太陽の王女グウィネヴィア)

 グウィンドリンの作り出した幻影であるグウィネヴィアがフラムトの名を挙げ、不死の使命を伝えています。グウィンドリンは大王グウィンの遺志を継ぐため純粋にこのシステムを利用しているのでしょうが、このシステムを有効に活用しているアノール・ロンドに残るもう一柱の神が居ます。グウィンの盟友にして、書庫を与えられ狂気に落ちた白竜シースです。

センの古城にはシースの生み出した蛇人がうごめき、管理をしています。

【籠牢の鍵】

センの古城に吊るされた籠牢の鍵

古城を守る蛇人たちは、無謀にも試練に挑み
力尽きた者たちをすぐには殺さない
彼らは籠牢に囚われ、蛇人たちが忘れなければ
やがてどこかに連れて行かれるのだ

 また、鐘のある不死教会にもシースの手が伸びています。

【伝道者の聖衣】

白竜シースに仕える魔術師たち、伝道者の篭手
彼らは狂気の後もシースの元にあり続け
ときに各地に赴き、動けぬシースの手足となった
故に伝道者は「人さらい」とも呼ばれる

魔術師の防具としては最も重く
また魔法の力を秘めている 

 不死教会には六目の伝道者が登場します。

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     不死教会の人さらい視点

さらに、巨人墓地で救出し不死教会に移動したソルロンドの聖女レアは、条件を満たすとシースの拠点である公爵の書庫の牢屋に移動し亡者化しています。

シースが聖女を閉じ込め、実験を行っていたことは書庫塔大牢屋の鍵のテキストからわかります。

【書庫塔大牢屋の鍵】

公爵の書庫塔の底にある大牢屋の鍵

かつて多くの聖女を閉じ込めた大牢屋は
今はガランとし、重要な囚人だけが閉じ込められる
鼻先に大量の落とし子が蠢くその場所では
常人が長く正気を保つのは難しいだろう

 シースの手足であり、「人さらい」とも呼ばれる伝道者が聖女をさらっていたと考えられます。

さらに付け加えるならば、鐘を守る「鐘のガーゴイル」は魔法生物と明言されており、シースの被造物であると言うこともできるかもしれません。(魔法生物をすべてシースの被造物と決めつけられる根拠はないので、ここはみなさんの解釈にお任せします。)

不死教会がセンの古城よりも後に作られたこと、不死教会ではシースの手下や被造物が残っていることをまとめると、鐘を鳴らすシステムの設計にはシースが深く関わっていると考えることができます。

 

次に、「下の鐘」について考えます。

「下の鐘」のある遺跡はクラーグの住処に飲み込まれ、廃墟と化しています。
「上の鐘」から不死教会とセンの古城の設立の時系列を考えましたが、今度は「下の鐘」から混沌と下の鐘の遺跡の時間関係を整理したいと思います。

まず決定的となる情報が建物の繋がりです。

①下の鐘のある建築物はデーモン遺跡とエレベーターで繋がっている。

②この建築物は蜘蛛の巣に覆われ廃墟となっている。

まず①について、デーモンの炎司祭を撃破した後、遺跡の先のエレベーターに乗ると、そこは病み村の鐘のある遺跡に繋がります。

さらに②について、たまご背負いエンジーのセリフや遺跡の状況を考えると、混沌に飲まれ下半身がデーモンと化したこの遺跡に逃げ込んだことがわかります。

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     蜘蛛の巣に呑まれた下の鐘の遺跡

これらのことから、下の鐘が作られた時期はイザリスが崩壊する前、つまり混沌に飲まれる前だと考えられます。

 「上の鐘」と「下の鐘」が同時期に作られたと仮定すると、センの古城を使ったシースの計画は、混沌の発生より前に始まっていたと考えられます。

さて混沌の発生、つまりデーモンの発生がセンの古城のシステムより後だとすると、一つ矛盾が生じます。

まとめると、

A:二つの鐘は混沌以前に作られた。

B:センの古城からアノールロンドへ不死を運ぶのは蝙蝠羽のデーモン。

 この2つが同時に満たされることが無いことは明らかです。つまり、

Aからは「センの古城システムは混沌以前」だと言え、

Bからは「センの古城システムは混沌以後」と言えます。

この矛盾点の解決案として、自分は以下のように考えました。

「センの古城システムの当初の運び手はデーモンではなかった」

もし、元々は蝙蝠羽のデーモンではなく別の「何者か」が運び手を担っていたならば矛盾点を解決できます。ロードランからアノール・ロンドへ運ぶことは六目の伝道者も行っているはずなので、そこまで困難ではないのかもしれません。

ガーゴイルから運ばれる場所には、黄色く光った「光の輪」が発生します。
この「光の輪」は、オンラインプレイで他者が奇跡を使った場所に現れる白い輪イカリングの色違いです。これは本当に妄想の域を出ませんが、『ダークソウル3』のエンマのように、他者を直接アノール・ロンドへ召喚する奇跡のようなものがあり、この「光の輪」はそういった奇跡の名残なのかもしれません。

ちなみに、『ダークソウル3』のアイテム"勅使の小環旗"より、デーモンが生まれる遥か昔に作られたであろう輪の都にも「運び手」がいるはずなので、デーモンでない神の使いの「運び手」が居たと考えるのは自然です。

【勅使の小環旗】

古く大王グウィンの勅使が用いた小環旗

輪の岩壁を臨み掲げれば、運び手がやってくる

大王は、闇の魂を得た小人に
最果てに閉ざされた輪の都と
愛しい末娘を贈ったという

いつか迎えをよこすと約して

(追記) Twitterのリプライで教えていただいたこと。

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センの古城のアイアンゴーレムと戦闘する場所では、アノールロンドに繋がっていたであろう門が塞がれています。

かつてアイアンゴーレムに勝利したものは、直接アノールロンドへ渡ることができていたのかもしれません。

 

以上のことをまとめると、

ウーラシールの試練⇒センの古城の試練⇒2つの鐘制作(シースが関わる?)⇒混沌、デーモンの発生

という時系列になると考えられます。

・アルトリウスについて考えよう

次は、アルトリウスを通しての時系列です。

【アルトリウスの大剣】

「深淵歩き」の騎士アルトリウスの墓守
灰色の大狼シフのソウルから生まれた大剣

アルトリウスはダークレイスの狩人であり
その剣もまた闇の眷属に大きな威力を発揮する

 アルトリウスの伝説には不正確なものが多いですが、「アルトリウスはダークレイスの狩人」という文言を信じて以下は突き進んでいきます。

【赤い瞳のオーブ】

オンラインプレイ専用アイテム
他の世界に侵入する
(誓約者のみが使用でき、亡者では使用できない)

侵入先の世界で、世界の主を倒せば
人間性を得ることができる

カアスに唆された、ダークレイスたちの業
彼らは人間性を求め、さらなる闇に堕ちていく
あるいは、それこそが本来の人であろうか

 ダークレイスは世界蛇カアスによって力を与えられた四人の公王に仕える騎士たちのことです。アルトリウスがダークレイスの狩人であったならば、彼は小ロンドが闇に堕ちた時点ではまだ活動していたと言えます。

小ロンドの封印者イングウァードのセリフを確認します。

わしも、多くを知っているわけではないのだが・・・

ただ、かつて騎士アルトリウスは
深淵を歩き、ダークレイスを狩ったという

(癒し手イングウァード)

 封印者のイングウァードが知らないのであれば、アルトリウスは直接封印には立ち会ってはいなかったのでしょう。

ダークレイスは、人と、ソウルで生きる全ての敵じゃ

もう二度と、この世に放ってはならんのじゃと・・・

(癒し手イングウァード)

 かつてダークレイスが世を脅かした際に狩人として活躍したのがアルトリウスだったのかもしれません。

最終的にアルトリウスはウーラシールで倒れるため、小ロンドの崩壊はウーラシールの崩壊よりも前のこととなります。

つまり、四人の公王がグウィンに出会い王のソウルに出会ったのはウーラシールがまだ平和だった時代であると分かります。

上で述べたセンの古城とウーラシールの試練の時系列を考えると、四人の公王はウーラシールの試練を越えて神への謁見を許された人なのかもしれません。(4対1はズルだろ)

以上から、小ロンドの崩壊はウーラシールの崩壊よりも古い出来事であったという解釈できます。
「アルトリウスの伝説は全てウソ!」とみなすことも出来ますが、今まで自分は思考停止で「ウーラシール⇒小ロンド」という時系列で考えていたので、テキストを見直すことで異なった解釈をできたのは面白かったです。

「解呪」という神の業や、大量の水による封印、雷を放つ赤子や青い炎など、小ロンドには掘り下げるべきテーマがまだまだ眠っているので、今後も調べてみたいと思います。

 

・輪の都とウーラシールについて考えよう

輪の都にはある国からの使節団が来ていました。

【古めかしい平服】

古い魔術の国の平服
黄金の飾りは僅かな魔力を帯びているが
本来、戦いのための装束ではない

遥か昔、ある使節団が輪の都を訪ねたとき
唯一残った若者が
記録上最後の、教会の槍になったという

「古い魔術の国」「黄金の飾り」から推測されるように、この使節団はウーラシールであると予測されます。この使節団の一人、ハーフライトが記録上最後の教会の槍となりました。

ウーラシールの事実を知っている我々からすると、「記録上最後」という文言も、この使節団以降にウーラシールの崩壊が起き、輪の都との交流が絶たれてしまったのではないかと考えることができます。

さて、輪の都にあるウーラシールの足跡のなかで、興味深いものがあります。

この白い木です。

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この白い木はロスリック各地に存在し、木の付近では「幼い白枝」を拾うことができます。

【幼い白枝】

まだ幼い白皮の木の枝

場所にふさわしい何かに変身する

宵闇の少女がはじめて手にした魔術の杖は
やがて苗木となり、三本の白い木になった
今もその幼い枝には、彼女の悪戯が宿るという

白い木は宵闇の少女が残した枝が成長したものだそうです。
では輪の都の木も、もとは宵闇の枝だったのでしょうか。

私の故郷、ウーラシールは、私の時代でも、既に亡んでいました

だから、やっぱり私は一人で・・・

(ウーラシールの宵闇)

宵闇は「もう既に亡んでいた」と言っているので、輪の都への使節団に宵闇が居たと考えるのは不自然です。

白枝はやがて3本の木となったと書かれていますが、ロスリックでは「不死街」「深みの聖堂」「ファランの城塞」の本編エリアで既に3本が確認されています。

宵闇が使節団にいたとは考えられませんが、なぜ輪の都に白い木があるのでしょうか。

ここで、ウーラシールの崩壊の原因となったマヌスを思い出してみます。彼は古い人の魔術師でした。
彼は宵闇を深淵の穴に捕え、さらに割れたペンダントを持つ主人公を過去に引き摺り込みます。割れたペンダントはとても古いものであり、マヌスの時代にゆかりのあるものだと想像できますが、なぜ直接面識がないであろう宵闇は捕えられてしまったのでしょうか。

ここで宵闇の装備品のテキストを確認してみます。

【宵闇の頭冠】

ウーラシールの姫君たる宵闇に
誕生と共に与えられた、特別な魔法の頭冠

装備者はすべての魔法に祝福され
魔法の威力、効果は高まるが
魔法によるダメージも大きくなる

宵闇はウーラシールの姫君であり、その誕生と共に指冠と頭冠は贈られました。

ここからは多分に希望が含まれますが、

この二つの品は宵闇のための品ではなく「ウーラシールの姫君」のための品であると読み取れます。

強引に捉え方を変えて、「ウーラシールの姫君」に与えられる名前こそ「宵闇」であり、頭冠や指冠は代々姫君に引き継がれている物と解釈できます。(ゼルダ姫みたいなイメージ)

そう考えることで嬉しいことは、輪の都に白枝を残したのは宵闇であり、ロスリックの各地に残したのも宵闇、同一人物ではないが同様にウーラシールの姫君であったなら矛盾なく自然に考えることができます。(”三本の木”には矛盾しますが...)

・・・以前、深淵の化け物に襲われた話をいたしましたが

その時、私は気を失くしていて・・・
でも、ひとつだけ、覚えている感情があるんです

強く、懐かしむ感情・・・
戻らない幸福と、その思い出の品・・・それを求める思い・・・

(ウーラシールの宵闇)

また、本来赤の他人であるはずのマヌスが宵闇を捕まえ、彼女に対し懐かしむ感情を持っていたのは、もしかすると彼の知る彼の時代に同じ装束を着た宵闇が居たからではないでしょうか。

 輪の都の白い木に色々理由をこじ付けたかっただけではありますが、かつての古い使節団がマヌスの生きていたレベルの古い時代だったのかもしれないと思うと、妄想が膨らんで楽しいですね。

 

・グウィンと黒騎士について考えよう

最後のテーマです。グウィンの火継ぎは一体いつのタイミングだったのでしょうか。

まず単純に、グウィンの火継ぎが二つの鐘の作られる以前であることは確実でしょう。

グウィンが火継ぎに旅立った際、彼の騎士たちは二つに分かれました。
幻の王女を護る銀騎士とグウィンを追った黒騎士です。

火継ぎに飲み込まれ灰となってさまよっている黒騎士たちはデーモンと戦っていたという記録もあります。

【黒騎士の大剣】

ロードランをさまよう黒の騎士たちの大剣
混沌のデーモンと対峙するための武器

大きな動きから体重をのせた攻撃は
かつての彼らの敵の強大さからくるものだ

 今までの議論からすると、少し疑問が生まれます。

二つの鐘建築 ⇒ 混沌発生

と考えていたので、グウィンの火継ぎも考えると、

グウィンの火継ぎ ⇒ 二つの鐘建築 ⇒ 混沌発生

 となります。混沌、デーモンの発生がグウィンの火継ぎ以降ならば、誰の指示で黒騎士はデーモンと戦っていたのでしょうか。

個人的な考えですが、黒騎士はグウィンの火継ぎに付いていくほどですから、相当なグウィンの信奉者であると認識しています。そのため、黒騎士のデーモン狩りもグウィンの指示によるものと考えていましたが、上の考え方では成り立ちません。

『ダークソウル3』において、燻りの湖にはデーモン遺跡に向けられた巨大なバリスタと巨人奴隷の遺体があります。

デーモンではなく、砂ワームを退治するためのバリスタかもしれませんが、これに関してはテキストも無いのでわかりません。もしも神々の奴隷である巨人もデーモン狩りに参加していたのならば、黒騎士だけの行動ではなく、アノール・ロンドの神の命だったのかもしれません。

アノール・ロンドには蝙蝠羽のデーモンが、北の不死院にもデーモンがおり神はデーモンを支配したかったのかもしれません。

語尾が「かもしれません」まみれになってきたのでこのテーマはここで終えておきます。

 

・おまけ 太陽の長子の家出

 愚かさ故に神を追われた太陽の長子が、アノール・ロンドを去ったタイミングはいつ頃か少し考えてみます。

【太陽の光の剣】

かつて太陽の長子が振るった奇跡
右手の武器を太陽の光の力で強化する

太陽の光の力とは、すなわち雷であり
特に竜族には、大きな威力を発揮するだろう

空っぽの大王の棺に備えられたそれは
神を追われた彼の、別れの言葉だったろうか

 実質の死を意味する火継ぎに対して作られたのがこの棺なら、長子の別れはグウィンの火継ぎ以降であることがわかります。

『ダークソウル3』では竜狩りの戦神であった無名の王は竜と仲良しだったそうですが、アノール・ロンドに残った神で竜好きを追い出したい者といえば、やっぱり白竜くんですかねぇ。(こいつまたシースのせいにしてますよ)

 

 ・まとめます!

だらだらと書いてきたので、ここらで考えてきた時系列をまとめたいと思います。

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一応、上から順に時系列で書いています。細かい時間の前後(火継ぎのタイミングやセンの古城の開始タイミングなど)は有りますが、今回整理した時系列は一通りまとめています。

デーモンや黒騎士などは直観とは異なる結論を炙り出せたので、一度落ち着いて整理した意味はあったと思います。

テキストの根拠が少なく、仮定が多くなってしまい細長く脆い考察になってしまったので、より自然な時系列の解釈も沢山あると思います。

 

・おわりに

今回整理して得られたことをまとめると、

①やっぱり大体シースのせいかもしれない

②デーモンと混沌周りは時間の前後関係が複雑である

③黒騎士の行動目的は思った以上に複雑かもしれない

 元々一筋縄ではなかったものが、さらに謎を深める結果となってしまいましたが、まあそんなものでしょう。

グラッグラな組み立ての考察ですが、広い時間軸で記事を書いたこともなかったので楽しかったです。

終わり!

 

7/28 追記

こんにちは。久々に書きます。
といっても新しい記事ではなく、追記という形になります。
上の文章ではダークソウル(無印中心)の時系列をできるだけ整理してみようという試みで書いています。暇だったら読んでください。

今回はこの時系列に関して、少し考え直さないといけない結果が得られたため報告します。

今回追記をすることになったきっかけは、友人とウーラシールの決闘でワチャワチャ遊んでいた時のこと。

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「この銀騎士像センの古城にもあったよなあ。」

いままでこの銀騎士像を特に気にしていなかったのですが、ウーラシールの決闘の舞台を見まわしてみると、センの古城と全く同じ造りをしていることが分かりました。

まず共通点として特徴的なのは、茶色いレンガ造りであることが挙げられます。
ウーラシールで見られる建築とは異なり、センの古城と類似した建築になっています。

 


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さらには、上の画像で示した”ガーゴイル像”も共通しています。
(左がウーラシールの決闘、右はセンの古城のアイアンゴーレム部屋)
この像が具体的に何を表しているかを考えることはここでは控えますが、センの古城ととの分かりやすい共通点の一つです。

 


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さらに細かいことになりますが、上の画像で示した、柱や壁に共通してみられる紋章がどちらのエリアでも確認できました。

以上のことから推測されることは、

ウーラシールの決闘とセンの古城は同時期に作られたものである

という可能性です。

どちらも「神への道」という共通点はあったため、今回のような類似した点が発見できたことは嬉しいのですが、センの古城が作られた時期はウーラシールよりも後だと考えていたので、修正が必要になりました。

 つまり、管理者が必要であるウーラシールの決闘と、奴隷巨人で動かしているセンの古城は同時期に作られており、ウーラシール決闘の管理者は失われその機能を失い、センの古城とアノール・ロンドを繋ぐ門は埋められた。

そして混沌とデーモンが生まれたときアノール・ロンドへの道は再び繋がり、神の火継ぎの悲願と白竜の野心が動き出す...

ウーラシールの決闘とセンの古城をどのように使い分けていたのかは分かりませんが、開発時は黒い森の庭はアノール・ロンドにあったらしいので、
センの古城が予選、ウーラシールの決闘が決勝戦のような意味合いだったのかもしれませんね。

※「クリスタルゴーレムが森にいるのは、そこがアノール・ロンドにあった名残」というラジオで発言していた没ネタを元にした推測ですので、ここは話半分で...

 

 

【ダークソウル 】アルトリウスと狼騎士【考察】

不定期更新覗き魔ブログ、今月の記事です。

今回は『ダークソウル』と『ダークソウル3』から、「アルトリウスの大剣」と「狼騎士の大剣」が持つ特殊な効果について調べ、その結果からアルトリウスについての考察を進めていこう、という方針です。(2種類あるアルトリウスの大剣のうち、今回考えるのは神聖属性のものです。)

まずは武器のテキストを確認しましょう。

・アルトリウスの大剣『ダークソウル』

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【アルトリウスの大剣】

「深淵歩き」の騎士アルトリウスの墓守
灰色の大狼のシフのソウルから生まれた大剣

アルトリウスはダークレイスの狩人であり
その剣もまた闇の眷属に大きな威力を発揮する

 

・狼騎士の大剣『ダークソウル3

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【狼騎士の大剣】

ファランの狼血の主
深淵の闇に汚れた騎士の大剣

狼の騎士は、最初の深淵の監視者であり
その剣もまた闇の眷属に大きな威力を発揮する

武器の画像を見てもらうと分かる通り、狼騎士の大剣は深淵の大剣と同じ外観をした武器であり、どちらもアルトリウスの武器を元に生成された武器であることがわかります(武器アイコンは何故か深淵の大剣ではなく普通のアルトリウスの大剣)。  テキスト中にあるように、これらの武器による攻撃では、闇の眷属に対してダメージが増加します。

 では具体的に闇の眷属とは何を指すのでしょうか。

まずは『ダークソウル』アルトリウスの大剣の対象から。

『ダークソウル』 アルトリウスの大剣でのダメージ増加対象

・ダークレイス
・四人の公王
・カアス
・フラムト

ダークレイスとその親玉である四人の公王に対してダメージが増加することは、アルトリウスがダークレイスの狩人であることから自然に理解できます。カアスやフラムトに対してダメージが増加するのは一見疑問に思えますが、本来ダークレイスの生命喰いの力は世界蛇の業であるため、蛇たちも対象に入ると考えられます。

『ダークソウル』におけるアルトリウス大剣の対象となる闇の眷属とは、「世界蛇の業を持つ者、生命喰いの力を持つ者」と言えます。

 

続いて、『ダークソウル3』の狼騎士の大剣について。

『ダークソウル3』 狼騎士の大剣でのダメージ増加対象

・エルドリッチの腐肉
・神喰らいのエルドリッチ
・ダークレイス
・灰の審判者、グンダ
・覇王ウォルニール
・人の膿
・深みの呪者
・竜狩りの鎧
・ハーラルドの戦士
・闇喰らいのミディール

・(巡礼の蝶)

攻略本などを参考にしたので過不足があるかもしれません。

『ダークソウル3』における闇の眷属と呼ばれる存在はかなり多いことがわかります。
『ダークソウル』のアルトリウスの大剣の対象であったダークレイスに加えて、闇を溜め込んだもの闇に操られたもの深淵に落ちたものなどなど多岐にわたります。

狼騎士の大剣では闇の眷属の範囲がアルトリウスの大剣より拡大していることがわかります。

実際、『ダークソウル』では深淵に飲まれた騎士アルトリウスウーラシール市民、ウーラシールの深淵の根源である深淵の主マヌスに対してさえアルトリウスの大剣でのダメージ増加は有りません (人間性ラソンでお世話になる深淵湧きもダメージ増加はありません)。

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なぜアルトリウスの大剣と狼騎士の大剣でダメージ増加範囲に違いが生まれるかを考えます。 
ここで、ダメージ増加の仕組みを見直してみましょう。

【黒騎士の大斧】

 世界をさまよう黒騎士たちの大斧
混沌のデーモンと対峙するための武器

自らよりも大きな敵と戦い続けた故だろうか
独特の攻撃は、敵の強靭度を削る力が強い

 【亡者狩りの大剣】

仮面の騎士が振るい続けたという大剣
亡者たちの脳裏に刻まれた恐怖の記憶

亡者に対して特に効果が高い

かつてミラの正統な騎士に与えられたものであり
両手持ちで独特な剣技を見せるという

 デーモンと対峙した黒騎士の得物はデーモン特攻を持ち、亡者を狩り続けた大剣は亡者特攻を持つように、本来の武器の持ち主が何をその武器で狩っていたかこそが重要であると考えられます。

アルトリウスはダークレイスの狩人に過ぎず、深淵に敗れた存在でした。それ故に、彼の大剣はマヌスなどの深淵の勢力に対して特別な力を持つことはありませんでした。

 

 

では何故、狼騎士の大剣はダークレイスに留まらず、多くの闇の眷属に力を持つのでしょうか。

ここで、アルトリウスと狼騎士は同一人物ではないという可能性を提示します。 
つまり、狼騎士とはアルトリウスの遺志を継ぎ、深淵を討った不死の一人であると。

狼騎士の大剣が深淵を討った不死の得物であるならば、ウォルニールやハーラルド騎士などの深淵の存在に対して有効であっても不思議ではありません。

 

もちろん、狼騎士装備や狼騎士の大剣はアルトリウスの物と同一であり、別人のものであると考える方が無理があります。

狼騎士がアルトリウスではないと考える根拠を述べていきます。

 

根拠1.狼騎士装備のテキストにはアルトリウスの名が無い

【狼騎士の兜】

深淵の闇に汚れた騎士の兜
群青の房は決して乾かず、濡れそぼっている

かつて騎士は終に倒れ、使命と狼血を残した
それはファランの不死隊のはじまりであり
監視者たちはその甲冑に、自らの最期を見る

 比較として、竜狩り装備のテキストを示します。

【竜狩りの兜】

「竜狩り」オーンスタインの名で知られる
黄金獅子の兜。雷の力を帯びた神代の甲冑

竜無き時代、廃聖堂を守ったという騎士は
だが無名の王を追い、その地を去ったという

 竜狩りの装備は確かにオーンスタインの名で知られているのに対して、狼騎士の装備はアルトリウスの名前で伝わっていません。

 

根拠2.アルトリウスの名前は伝わっている

 アルトリウスは『ダークソウル』の時代で既に命を落としており、そのため『ダークソウル3』の時代で名前が伝わっていないだけである、と考えることができますが、実は『ダークソウル3』の時代でもアルトリウスの名前は伝わっています。

【狼の指輪】

最古の王グゥインに仕えた四騎士のひとり
「深淵歩き」アルトリウスの名で伝わる指輪

強靭度を高める

アルトリウスは、強靭な意志により決して怯まず
大剣を振るえば、まさに無双であったという

 グウィンからアルトリウスに与えられたこの指輪は、狼騎士の物としてではなく、きちんとアルトリウスの名で伝わっています。

 

 

根拠3.不死隊の試練は『ダークソウル』の火継ぎの模倣

 不死隊の試練とは、ファランの城塞内の火を消す、独特の入隊の試練のことです。

ファランの不死隊には、独特の入隊の試練があってな

城塞の内、3つの祭壇の火を消すことで、狼の血への扉が開く

呪われた不死人が、それでも特別であると信じたいのさ
(脱走者ホークウッド)

3つの祭壇の火を消すことで、大きな門の前の燭台に火が灯ることで門が開きます。

この祭壇にはレリーフが彫られており、上からそれぞれ「墓王ニト」「四人の公王」「イザリスの魔女と混沌の娘たち」がモチーフとなっています。

・墓王ニト
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・四人の公王
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・イザリスの魔女と混沌の娘たち
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(中央に魔女、下部に7人の娘たちがいる。ゲーム中だと分かりにくいですが、デザインワークスだと7本の杖がよく見える。)

 

・消された火は門の前へ
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『ダークソウル』の不死の英雄は、はじまりの火から王のソウルを見出した者たちを殺し、そのソウルを扉の前に捧げることで火継ぎへの道を開きました。
不死隊の試練は、ロードランの不死の英雄の試練を模していると考えることができます。

※白竜シースについて

当然、「なぜシースの祭壇は無いのだ」という話になりますが、正直わかりません。

ゲーム制作上の都合か、シースが倒されなかった世界なのか、シースが姿を変えて生きていることを表しているのか...

・デザインワークスにはシースを模したと思われる祭壇のデザインがある

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・まとめ

以上をまとめると、

・狼騎士の大剣は深淵の勢力に特攻を持つ 狼騎士は深淵の狩人

・狼騎士と騎士アルトリウスは同一であるとは言い切れない。

・不死隊の試練はロードランの不死の英雄の行動を模している。

これらのことから、狼騎士はウーラシールで深淵を討った不死の英雄であると考え出すことができます。

不死の英雄でありながら、深淵の監視者として生き、終に倒れた騎士こそが狼騎士であり、ファランに不死隊を生んだのです。

 

・おわりに

アルトリウスと不死の英雄の真実を知っている者は、鷹の目ゴーと王の刃キアラン、エリザベスくらいでしょうか。(ウーラシールの宵闇は気づいていない?)

ファランの城塞にエリザベスらしき遺体があることや、鷹の指輪を持つ巨人がウーラシールと繋がりを持っているなど、ウーラシールを知る者たちの影響は『ダークソウル3』の世界にまで伝わっていそうです。

火を継いだただ一人の不死ではなく、様々な不死の英雄の足跡が残っていると考えれば、オーンスタインが倒されていない世界であったり、大狼シフが死んでいない世界がロスリックに流れていると考えることができるかもしれません。

 

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深淵の監視者の剣とスズメバチの指輪がある墓を守る白い犬くん好き

【ダークソウル 】「君、影薄いねw」 亡者と影について

今回は、ダークソウル3の不思議な現象についてまとめたいと思い書きました。

ダークソウル3では、プレイヤーはロンドールのヨエルに暗い穴を開けてもらうことで、死亡により体に呪いを蓄積することができるようになります。

プレイヤーは呪いが蓄積すると、姿が亡者に変わりますが、見た目がシワシワになること以外大きな変化は起きません。
(亡者派生武器に運のボーナスは付くらしい)

 しかし亡者状態になることで、見た目の変化だけでなく「影の消失」を引き起こします。

この影の消失現象に興味を持ったため、いろいろ調査を行いました。
まずはじめに、ダークソウル3においてプレイヤーがの影ができる条件として、

・亡者状態ではない。(暗い穴、呪い値の有無は関係なし)

・霊体状態ではない。(偽りの指輪は関係なし)

・篝火、太陽、月などの光源の直接光でのみ生まれる。(回折光や窓からの光では影は生まれない)

 以上のことに注意して、ロスリック各地のモブに対して影の有無をチェックし、その共通点を考察のヒントにしようという目論見です。

 

1.影の消えた者たち

以下に、影が消えてしまう状態、モブを紹介します。

①亡者化したプレイヤー

暗い穴を開けてもらい呪いを溜めることで亡者化したプレイヤーは影を失います。

暗い穴を持っているのみでは影は失いません。

また、影だけではなくツルツルした床や水面への映り込みも消失します。

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     生者状態は影あり

 

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     亡者状態は影なし

 

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     生者状態は映り込みあり

 

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     亡者状態は映り込みなし

 

②霊体

亡者、生者にかかわらず霊体になったプレイヤーは影を失います。

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     霊体は影なし

 

影の消失は白霊、闇霊、狂った霊体に問わず起きます。水面への映り込みも同様に消失します。(ミディール戦の水面を見るとホストとボスだけ映り込んでいる事がよくわかるかも)

 

③絵画世界の忌み人

絵画世界の鴉の頭をした「忌み人」にも影はありません。

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     忌み人には影なし

 

猛毒を吐く大型の忌み人や、魔術を使う忌み人も影が消失しています。  

ちなみに「鴉人の騎士」には影が存在します。

④輪の都の亡者

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     輪の都の亡者


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     輪の都の聖職者

 

輪の都で登場する、「輪の都の亡者」と「輪の都の聖職者」には影が存在しません。

 

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     胸に穴のある輪の都の亡者

 

輪の都の亡者の胸には穴が開いていること、契りの剣に似た物を背負っていることから、この亡者たちも、プレイヤーと同じロンドール式亡者なのかもしれません。

⑤おまけ

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     ハーラルド騎士の頭には影なし

 

 ハーラルド騎士の頭部(人間性のモヤモヤ部分)には影が生まれていません。
魔術のエフェクトなどに影が無いことと同様の仕様でしょうか。

 

2.何故か影が消えなかった者たち

影が消えた者たちの共通点探しは置いておいて、影が消えそうで消えない不思議な存在を紹介します。

①亡者なのに影がある?

 プレイヤーは亡者になることで影の消失が起きますが、亡者兵などの一般的なモブには影が存在します。
それではプレイヤーと同様に「暗い穴」を所持した亡者であるアストラのアンリには影があるのでしょうか。

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     アンリ、ホレイスは影あり

 

アンリには影があるため、火の無い灰の亡者の影が消えるというわけではないようです。

 

②霊体なのに影がある? 

霊体は影が消えることを紹介しましたが、実は輪の都で侵入する「銀騎士レド」と「忌み探し」には影が生まれています。

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     銀騎士レドは影あり


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     「忌み探し」は影あり

 

輪の都で侵入してくる彼らは、プレイヤーが灰状態であっても侵入してくる特殊な霊体です。特殊な侵入をする霊体であることが、この影の発生に影響しているのかもしれません。

 ちなみに「呻きの騎士」くんは何度誘導しても落下死してしまうのでノー検証です!

さらに、ダークソウル無印での霊体も調べてみました。

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     ダークソウル無印の霊体 影あり

 

ダークソウル無印の霊体には影が生まれていました。(白霊にも影あり)

 ③忌み人なのに影がある?

 絵画世界の忌み人には影がありませんが、例外があります。
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     友好NPCの忌み人には影あり

 

楔石の原盤をくれる友好NPCの忌み人や、鴉人の騎士に攻撃されている忌み人たちには影が存在します。鴉人の騎士が影の有る忌み人たちを積極的に排除しているのは、フリーデに反抗している ー絵画の焼失を望んでいるー 忌み人たちには影があるということを表しているのかもしれません。

 

④簒奪者には影がある?

 プレイヤーは亡者になることで影を失います。しかし、亡者の王となりはじまりの火を奪った簒奪者となったとき、何故か影が生まれています。

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     簒奪者エンド 足元に落ちる影

 

しかし、この影が生まれる現象には理由があります。 

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    亡者状態でもムービー中には影がある

 

影が消えているはずの亡者状態であっても、ムービー中には影が発生していることがわかります。そのため、簒奪者エンドの影には考察の材料になるような理由は、恐らく無いと考えられます。カナシイ

 

⑤おまけ

モブだけでなく建物や配置物にも影がある物とそうでない物が存在しますが、複雑になってしまうので気になった物の紹介をします。

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     ダークソウル3の篝火 影なし

 
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     ダークソウル無印の篝火 影あり

 

霊体の影の件もあり、ダークソウル無印では影の消失といった現象が起きないと推測されます。

「ロスリックとロードランを支配する世界の法則は大きく異なっている」と捉えることもできるかもしれません。

 

 まとめ

 霊体を除き、影が消失するのは

・亡者化したプレイヤー

・敵対している忌み人

・輪の都の亡者、輪の都の聖職者

⇒少なくとも影が消失しているのは全て亡者である。

・火の無い灰の亡者であるアンリには影がある。

暗い穴を持つ亡者であっても必ずしも消失しない

・通常の霊体は影が消失する。

・灰状態でも侵入する「銀騎士レド」や「忌み探し」の闇霊には影がある。

⇒霊体にも影の有無が存在する。
影ができる理由は有るはず

 ・ムービーでは、亡者状態でも影が表れる。

⇒悲しい

 

 おわりに

今回は「考察」というより、あくまで「検証」の範囲となってしまいました。

影の消失は、ゲームのシステムの影響による可能性も”かなり”あるため、考察まで踏み込むことが難しいと判断しました。

ダークソウル無印やダークソウル2での検証はほとんど行っていないため、もしかすると大きなヒントがあるかもしれません。

自分ができた範囲の検証はここまで! ということで報告を締めさせていただきます。

 

発見があれば是非教えてください。

【隻狼・ダークソウル】銭はどうして拾わないといけないの (罪の火・怨嗟の炎)【考察】

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ダークソウルと隻狼の複合記事です。

結論から言えば、「罪の火と怨嗟の炎は同一である」といったことを言いたい記事です。

 今までにいくつかの記事で、罪の火の性質は、

① 罪の火は消えない。

② 罪の火は色を変える。(青色→赤色)

③ 罪の火は人を追いかける。

④ 罪の火は感情を焼く。

 であると述べてきました。
これらの性質が怨嗟の炎にも共通していることを確認していきます。

 

1.火は消えない

【罪の大剣】

法王サリヴァーンの持つ右手の剣
罪の火を称する儀式の剣

遥か昔、イルシールのはずれ
その地下に罪の都と消えぬ火を見出したとき
若き魔術師サリヴァーンの心にも
消えぬ野心が灯ったのだろう

 罪の火が消えないという性質は多くのテキストに示されています。

 では、怨嗟の炎はどうでしょうか。仏師とエマとの会話にこのようなものがあります。

炎は... まだ、消えませんか?(エマ)

エマよ...
何度聞いても、変わりゃあしない
いくら仏を掘ろうとも、怨嗟の炎は消せぬ
押し留めるが、せいぜいじゃ(仏師)

怨嗟の炎は消えることがなく、抑えることしかできない。 これは罪の火の性質と一致します。

【王の薪】

巨人ヨームが残した王の薪

王が玉座に戻らぬならば
その薪を戻せばよい

孤独な巨人は、罪の火を鎮めるため薪の王となった
彼を王と呼ぶその声に、心がないと知っていても

 仏師は怨嗟の降り積もる先になり、仏を掘ることで自らを燃やす炎を抑えていました。
そしてヨームもまた、罪の火を鎮めるために王となりました。

2.火の色を変える

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 以前の記事で獄吏のランタンと罪の火を結びつけて考えました。

獄吏のランタンの不思議な性質の一つに「火の色が青から赤に変わる」 というものがあります。

 ここで、隻狼の休息地点である「鬼仏」を見てみましょう。

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鬼仏は、仏師が荒れ寺で掘っているものと同じ形状をしており、おそらく同一のものでしょう。仏師は自らを焼く怨嗟の炎を抑えるために鬼仏を彫っていました。

休息地点である鬼仏には、青い炎が漂っています。また、鬼仏からは「形代」を購入することができます。

【形代】

ただよう白い形代

人に限ったことではないが、
何か心残りがあれば、その想いが
幻として形を取って見えることがある

義手忍具など、形代を消費することで
使えるアクションがある

 形代とは、心残りが形となって見えているものです。怨嗟を彫り出した鬼仏から、人間の心残りの感情が得られることは不思議ではありません。

ところでこの形代はマップ上にもいくつか配置され、狼が近づくと自動で吸い込まれてしまいます。

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隻狼には吸引というシステムがあり、敵の落とした銭やアイテムを任意で拾うことができます。このように、形代と銭は明確に拾得システムが区別されています。

ダークソウルを思い出すと、あの世界での通貨の役割を持っていた「ソウル」は自動的に取得されていました。 ではなぜ隻狼では銭を自動取得にしなかったのでしょうか?

答えは当然、「銭は”物”」だから拾わなければならないのです。
逆に言えば、ソウルや形代などの人の意志は「人を自動で追いかける」と言えます。

【追う者たち】

深淵の主マヌスの魔術
人間性の闇に仮りそめの意志を与え放つもの

与えられる意志は人への羨望、あるいは愛であり
その最期が小さな悲劇でしかありえないとしても
目標を執拗に追い続ける

 人の意志が人を追いかける事実はダークソウルでは定番でしたが、その法則は隻狼でも適用されています。

さて、炎の色の話題に戻りましょう。獄吏のランタンの火は、青色から赤色に変わりましたが、青い炎を纏う鬼仏が、真っ赤に燃える瞬間も存在します。

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 怨嗟の鬼戦の2ゲージ目の戦闘で、怨嗟の鬼は赤く燃えた鬼仏を飛ばしてきます。


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青色から赤色に変わる特殊な火が、ダークソウルにも隻狼にもあったのです。

隻狼にはもう一つ、青い炎が赤く変わるものがあります。義父の梟です。

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義父の梟もまた、青く輝く瞬間と、赤く燃える瞬間があります。この梟の術が「形代」の力によるものならば、人の意志はもとは青く、そして赤く炎の性質を帯びるのかもしれません。

3.人を追いかける

先ほど、「形代やソウルなどの人の意志は人を追う」と述べましたが、罪の火も同様に人を追っています。

これまた以前の記事で、「罪の火は意志を持ち、人を追う」と結論付けましたが、怨嗟の炎についてはどうでしょうか。

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上でも紹介した怨嗟の鬼の鬼仏攻撃は、とてつもない追尾性能を持っており、怨嗟の炎もまた、人を追尾する性質があると考えることができます。

 

まとめ

感情に強く関わり、青と赤に燃える、消えることのない火は人を追い続ける。

罪の火と怨嗟の炎には、共通点が多かった!

 

この記事を書く発想のきっかけとなり、とても参考になったACID BAKERYさんの記事を紹介させていただきます。

acid-bakery.com

 

まだ続くんじゃ

根拠と呼べるほどではないですが、解釈として面白いものがあったので、余談として記します。

・空からの炎

怨嗟の炎と罪の火を結びつけて考えると、いろいろ想像が捗ります。

【罪の炎】

罪の炎に由来する呪術

離れた敵を炎で包み、焼き払う

巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎によって滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという

 罪の炎は空から生じたとされていますが、怨嗟の炎は降り積もります。

【咳の音・仏彫る者】

どこかで、苦しげな咳が聞こえる

咳をしているのは、
降り積もる炎に焼かれぬため
仏を一心不乱に彫り続ける
一人の男のようだ

所持している分だけ、冥助確率が下がる

 当然、降り積もるというのは文字通り空から炎が降っている訳ではないでしょうが、
文字通りのことが起こせてしまうダークソウルの世界なら、空から炎が降り積もっていると考えても面白いかもしれません。

・降り積もる者の左腕

怨嗟の炎を仏師が引き受けたように、ヨームもまた、罪の火を抑える存在となりました。

狼も仏師も、炎を引き受ける者は左腕を失っていますが、ヨームはそうではありません。
しかし、左腕に注目してみるとヨームのテキストにも左手に関するエピソードがあります。

【ヨームの大鉈】

かつて巨人ヨームが用いた大鉈

大盾と一対で常に先陣にあったというが
ヨームが盾を捨てた後、左の持ち手が追加された

それは独特の叩き潰す剣技を生み
彼の晩年、その凄まじい戦いの語り草になった

 同じく盾を捨てた先輩狼アルトリウスは、左手を負傷していました。
ヨームも左腕がなければ露骨だったのに

 ここでヨームのご先祖様に目を向けてみましょう。

【巨人ヨームのソウル】

巨人ヨームのソウル
力を帯びた、異形のソウルの一つ

使用することで莫大なソウルを得るほか
練成によりその力を取り出すことができる

ヨームは古い制服者の末裔であったが
請われて人々の王となり
その重い刃となり、硬い盾となったという

 ヨームは古い征服者の末裔だそうですが、一体誰を指しているのでしょうか。

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巨人ヨームを見て真っ先に思い浮かぶのが、ダークソウル2の巨人です。ヨーム本人には丸い穴の開いたチェインメイルの中に顔がありますが、ダークソウル3のトレイラーを見てダークソウル2の巨人の再来を感じた人も多いはず。

さて、このダークソウル2の巨人ですが、ドラングレイグに侵略した征服者であります。ドラングレイグの征服を率いた「巨人の王」は名も無き英雄に破れ、捕らえられました。巨人の王は最後の巨人となり、呪いを纏う者と対峙します。

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 隻腕だーーーー!!!

 

 

【隻狼】隻狼は無限に遊べるぞ【プレイ記録】

2019年に発売された「隻狼 shadows die twice」があまりに楽しく、色々なプレイをしたのでその記録として書いておく。考察じゃないよ!

 

1.隻狼年内100周チャレンジ改め年内107周チャレンジ

隻狼のボス戦(特に剣聖一心)があまりに楽しくひたすらに周回をしていたところ、気がついたら50周くらいしていたので「いっそ100周してしまえ」と始めた企画。

いかに早く、いかに楽に、いかに死なずにクリアするかを中心にプレイを突き詰めていく楽しさがあった。

使う義手忍具を吟味し、メニュー画面を開く回数を減らすなど、しょうもない試行錯誤が楽しかった。

参考になる人がいるかはわからないが、自分の攻略ルートを記しておく。

 

(本城まで一本道なので略)→ 水生村破戒僧→弦一郎→獅子猿→四猿→修羅一心

 

ここでポイントが、「火牛を倒した時点で本城の鬼仏が点く」ことである。

つまり火牛を倒した後に鬼仏に一つも触れなければ、帰り仏で直接本城に帰ることができるのだ。中ボス撃破で形代が15枚回復するので形代不足も問題ない。

計画が途中で「107周」となったのは、後述する「攻め力1カンスト攻略」で8周してしまったので、せっかくなら「煩悩の数だけ周回してしまえ」という理由である。しょうもない

 

どんどんボスが得意になっていく感覚は快感なのでオススメ度★★★★★

 

2.攻め力1カンスト苦難攻略

隻狼の周回を重ねていくうちに、一心が早く死んでしまうことに満足できなくなってしまったために始めた縛り。

縛り内容は「攻め力1以外はなんでもあり、使えるものは使う!」

攻め力1にすると、基本的に全ての攻撃、弾きが弱くなる。体力を4分の1程度にしてやっと体幹が目に見えて溜まるようになるほどである。

この縛りでまず辛かったのは、カンストである8周目まで周回しなければならないことである。しかしなんとか5周目にはおおよその戦い方を確立し、7周目では比較的楽にクリアできるようになっていた。

「意外と楽に終わりそうだな」

と甘く考えていた自分がいた。

 

8周目で御子様にお守りを渡していざゆかん。

まず鬼刑部で心が折れる。弦一郎すら強い。破戒僧なんて体幹で倒せないほど回復が早い。

 

剣聖一心を倒した時はあまりに嬉しくコントローラーを投げてしまい、とどめ忍殺を忘れて死んだ。(回生が残っていた)

 

攻め力1を行うにあたり大切なこと

「とにかく体力を削るべし」

攻め力1ではとにかく体幹が溜まらない。弦一郎などの弾き合いがメインの敵にはなかなか苦戦する。あえて弾かずステップして殴る、油を投げて火拭き筒で炎上させるなどの手段を開発する必要があった。

 

戦い方を新しく考える必要がありとても楽しいので、オススメ度★★★★★

 

3.形代縛りノーデス人返り攻略

某配信者がノーデス攻略をしていたので勝手に対抗して行った攻略。

1周目をプレイするのが久々だったので、攻略の順番を考えないと攻め力が足りずに失敗してしまうことがあった。

 

4時間もあれば終わるのでオススメ度★★★★★

 

4.攻め力1、身体力10、スキル無し、忍具なし苦難攻略

いわゆる初期ステータス攻略。1周目で行ったため、鬼刑部や火牛までは楽にクリアができた。

しかし後半は辛く、さらに忍具も使えないため以前の攻め力1の戦法は役に立たなかった。

スキル無しのため「見切り」を戦法に組み込んでいた敵には戦い方を改める必要があった。

身体力も10のため、ほぼノーダメージでクリアする必要があった。

 

攻め力1の最強戦法「油火吹き筒作戦」が使えず、新たに戦法考えるのが楽しかったのでオススメ度★★★★★

 

同じ縛りを完全ノーダメージでクリアしている人もいるから恐ろしい...

 

おわりに

ボス戦を何度も何度もしゃぶりつくせる最高なゲームなので隻狼は無限に遊べるぞ。

【ダークソウル】デーモンとグルーとヒトと【考察】

記事として残しておきたかったので、グルーに関する短めのもの。

1.デーモンは賢いぞ!

ダークソウルにおいて、デーモンは知性のある存在として登場しています。

我々が初めに出会うデーモンは、巡礼を阻む北の不死院の門番として。蝙蝠羽のデーモンはタクシー業者まで営んでいます。

ほとんどのデーモンは武器を扱い、デーモン遺跡では文明を築き、デーモンの助祭は衣服のようなものまで身に着けています。デーモンには「炎司祭」や「助祭」などがおり、彼らには宗教に似たものを持つこともわかります。ここから、デーモンたちは高度な知能を持っていることが分かります。決して獣に近い存在ではなく、人間にこそ近い存在だといえます。

 デーモンたちはどのようにして文化を築き、魔女たちが失われた時代も生き抜いてきたのでしょうか。 

ダークソウル無印に登場する指輪、『老魔女の指輪』にはこう書かれています。

【老魔女の指輪】

あるとき老いた魔女から送られた古い指輪

人には介せぬ文言がびっしりと刻まれているが
特に効果はないようだ

 この指輪を付けることで、それまで会話ができなかった混沌の娘と会話をすることができます。少なくとも彼女らには、人間には理解できない"独自の言語"が存在するようです。※1

ここで「この言語はデーモンにも共通している」と仮説を立てます。
デーモンたちにコミュニケーションをするための言語があるのなら、人間と同様に文化、文明を作り上げることが可能でしょう。

こういった独自の言語によって、不死院のデーモンや蝙蝠羽のデーモンは使役されていたと考えることができます。

2.デーモンとグルー

【はぐれデーモンのソウル】

はぐれデーモンのソウル
力を帯びた、異形のソウルのひとつ

使用することで莫大なソウルを得るほか
練成によりその力を取り出すこともできる

炎の燻りすら失くした、はぐれデーモンは
かつてロスリックの門番であったという

 ダークソウル3においても、門番としての使命をもったデーモンが存在します。
このデーモンはいったいどのようにして使役されたのでしょうか?
これを考えるために、一度ダークソウル3のデーモンについて考えましょう。

カーサスの地下墓のさらに底、燻りの湖にデーモンたちは遺跡を築いています。
昔懐かしい無印のデーモンたちの死体が溢れるこの遺跡には、デーモンとは少し異なる種族が居ます。

それがグルーです。

 グルーとは、ファランの城塞と燻りの湖で登場する、複数の生き物の特徴を組み合わせたようなモンスターです。
グルーはデーモンのように異形の姿をしていますが、彼らはデーモンではありません。

というのも、黒騎士の武器に代表される「デーモン特攻」の効果がグルーには乗りません。しかしデーモンと似た特徴を持つのも事実です。

 

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図 燻りグルーの頭部

 

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図 デーモンの助祭の頭部

図に示すように、グルーにはデーモンの助祭助祭はデーモン特攻あり)に似た角を生やしています。また、グルーの背中には羽根の名残のようなものがあり、それもまたデーモンらしさを感じてしまう要因です。

燻りの湖では、燻りグルーと黒騎士が戦闘をしていることから、少なくとも黒騎士側にはデーモン側の存在であると認識されているようです。

3.グルーについて

グルーは"デーモン側"であることから、前述の"独自の言語"を扱えると考えられます。しかしグルーはデーモンだけでなく、人間側とも交流していることがわかります。

【黒虫の丸薬】

昆虫の類をすり潰し丸めた飲み薬
黒いそれは、一時的に闇カット率を高める

深淵の監視者たる不死隊の常備薬
侍祭の末裔たるグルーたちは
今もそれを作り続けているという

腐った森に住むグルーたちは、深淵の監視者の常備薬をつくるなど、友好な関係を築いています。グルーは深淵の存在であるダークレイスと戦闘を行うので、不死隊側の存在であるといえます。(黒騎士とダークレイスという、ほぼ対局にある2陣営のどちらにも斬られる存在ってなかなか稀では。がんばれグルー)

デーモンとの交流に加え、不死隊すなわち人間との交流を行うグルーにはデーモンたちの"独自の言語"と"人間の言語"どちらも扱うことができると考えられます。
その根拠の一つが、グルーによる「魔法」の使用です。

youtu.be

 (youtubeのリンクです)

 上の動画に示すように、グルーは独特なタリスマンを持ち、回復の奇跡を使います。ダークソウルにおいて、奇跡とは物語であり、聖書に記したり、口伝できるなど"言語"として形を持ったものです。

グルーが奇跡を使えるということは、人間の言語を理解し、信仰する心を持っているといえます。

奇跡に加えて、グルーは魔術とも繋がりがあります。

ファランの矢雨】

ファランの短矢」の上位魔術のひとつ
ソウルの短矢を連続で放つ

それは結晶の古老が直々に鍛え
侍祭の長に託したものであるという
その娘、ヘイゼルの魔術として

 黒虫の丸薬のテキストにあるように、グルーは侍祭※2の末裔であるため、侍祭の長およびその娘ヘイゼルもグルーに属するものであると推測できます。

 

ひとまず結論:グルーはデーモンの言語とヒトの言語を理解できる。

 

ロスリックのはぐれデーモンの話題に戻ります。
ファランのグルーに魔術を伝えたのは結晶の古老、ロスリックの大書庫の賢者でした。
つまりロスリックには不死隊およびグルーたちと交流があり、デーモンとコミュニケーションの取れる存在がいたことになります。

これではぐれデーモン使役問題はひとまず解決できたことになります。※3

それでは、最後にこの記事で一番言いたかったこと、「そもそもグルーとは何か?」
デーモンに近い存在でありながら人間とも交流する。侍祭の娘であるヘイゼルは人間らしい(?)ロザリアの生まれ変わりの常習犯。デーモンとヒトの両者の側面を持った不思議な生き物。

4.グルーとは何か

燻りの湖のデーモンの遺跡にはとある異形の遺体があります。

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この遺体の周りには謎の球体が溢れています。

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側の遺体から得られるアイテムが『クラーナの呪術書』であること、遺体が蜘蛛の形をしていることから、この遺体は混沌の娘であると推測できます。

とすると、この球体は彼女の「たまご」とみて間違いないでしょう。

【火防女の魂】

クラーグの住処の火防女、混沌の娘の魂

火防女の魂は人間性の憑代であり
それは彼女たちの体においても変わらない
あらゆる皮膚の下に無数の人間性が蠢き
その姿は、大抵おぞましいものとなる

彼女においてそれは、無数のたまごとして現れた
あのたまごはすべて、人間性の揺り篭なのだ

 混沌に飲まれ、下半身がデーモンと化した娘の「たまご」には、人間の性が捧げられていました。

そのたまごは一体どうなったのでしょうか。

 

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おや...?たまごのようすが?
おめでとう!デーモンのたまごとヒトの精からナニモノかがうまれた!

 

 ・補足

※1:『老魔女の指輪』の指輪はダークソウル2の『ささやきの指輪』のように、「相手の心を読んでいるだけ」という可能性があるが、テキスト内の「人には介せぬ文言」という記述から、独自の言語が存在すると解釈した。

※2:「侍祭」とは、キリスト教カトリックにおける聖職者の品級と呼ばれるものの一つであるらしい。品級には他にも「司祭」や「助祭」も含まれる。
この品級の考え方をそのまま当てはめるならば、グルーが「侍祭」にあたり、デーモンの助祭は宗教的にはその上位の「助祭」であることになる。
無印のデーモンには「司祭」もおり、なかなかマッチしている。デーモンの信じる宗教ってどんなものだろう。

※3:ロスリックには蝙蝠羽のデーモンのタクシーシステムもあるので、ロスリックにはかつて神族に近しい存在がおり、それが門番のデーモンを使役していた、と考えることもできる。

・おまけ

今回の記事とあまり関係がないですが、デーモンの助祭と結晶の古老は似ているというお話。

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デーモンの助祭と結晶の古老はどちらも、球体をその腕に抱えており、顔は嘴のような特徴的な形状をしています。

【降り注ぐ結晶】

結晶の古老として知られる双子の導師
その独特の魔術

小さなソウルの結晶塊を空中から連続で放つ
結晶の塊は貫通する

古老の片割れは不死隊の同盟者であり
ファランに魔術師を育てた
それは古い約束であったという

似ているのは単なる偶然かもしれませんが、侍祭の長との繋がりを考えると、古老はグルーやデーモンたちと古くから関わりがあったと考えても面白いかもしれません。

 

 

 

【ダークソウル】獄吏のランタンとダークソウル2の呪い~罪の火添え~ 【考察】

1.獄吏のランタンと目

ダークソウル3、イルシールの地下牢において、獄吏は「プレイヤーのHP最大値減少」という特殊な状態異常攻撃を行います。

獄吏の目が黄色くなっているとき、獄吏の目線の先にプレイヤーがいると、この攻撃を受けてしまいます。

獄吏の目とランタンは初め、青く光っています。

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プレイヤーを発見した際、目から煙の出す液体を落とし、同時に目とランタンは黄色く輝き始めます。

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獄吏がプレイヤーの追跡を諦めたとき、ランタンを見るモーションをし、目とランタンを青く変えます。

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・この状態異常は獄吏の目で見られることで発動する

・目とランタンの色が常にリンクしている

以上の2点から、この特殊な状態異常は獄吏の持つランタンの火と関係があると考えられます。

 

2.ダークソウル2に於ける『呪い』

ここで話題を少し変え、ダークソウル2での状態異常「呪い」について。

ダークソウル2の「呪い」は、無印や3の「呪死」とは異なり、呪われるとその場で亡者度が進行し、最大HPが減少します。

無印や3のような「呪死」という状態異常は、「石化」として残っています。(同一かそうでないかはわかりませんが効果は類似しています。)

ここで注目したいのが、「呪い」を受けているときのエフェクトです。
呪いが蓄積しているとき、体から赤黒い霧が出てきます。

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実は、獄吏の特殊な状態異常攻撃を受けている間にも、プレイヤーからは謎の赤黒い霧が発生しています。

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獄吏の攻撃は、ダークソウル2の呪いと比較して、
HP最大値の減少赤黒い霧(&女性の笑い声)
などの共通点を持つため、「獄吏の状態異常はダークソウル2の呪いと同一である」と考えられます。

 

・そもそもダークソウル2の亡者化とは

ダークソウル2の亡者には、記憶がどんどん薄れていくという現象が起きます。

…お前は、不死というものを知っているか
その身に呪いを得た者だ

不死となった者は、人ではなくなる
次第に理性を、記憶を失っていく
(ルカティエル)

ダークソウル3で登場するラップも同様に、記憶の喪失が見られます。

俺は、亡者なんだ。まともなふりはできても、昔のことは、もう全部忘れちまった。

何者だったのか、何のために生きたのか、本当の名前も、何もかも…
(ラップ)

亡者になるということは、記憶理性を失っていくことであることがわかります。

 

3.呪いは闇と引き換えに

ダークソウル3の亡者システムを考えることで、亡者化の仕組みを考えようと思います。

 ロンドールのヨエルに暗い穴を開けてもらった後、プレイヤーは死ぬたびに「呪い」を増していきます。そして「呪い」がある数値を越えた際、プレイヤーの体は亡者の姿となります。

【暗い穴】

不死人の証にも似た暗い穴
ぽっかりと体に開いている

その暗い穴に底は無く
人間性闇が徐々に漏れ出し
引き換えに呪いが溜まっていく

それは決して消えぬ呪いの印であるが
かつて一人の、深淵から戻った火防女だけが
その呪いを癒したという

 人間は闇から生まれ、その骨は篝火の薪となることからわかるように、人間の体に闇が染みこんでいます。不死人は死ぬたびに闇を漏れ出す。亡者がシワシワになってしまうのは、血や肉、骨を構成する闇が抜け落ちてしまっていると考えてもよいかもしれません。

グウィンが火継ぎの際に自分のソウルを分け与えることも、闇から生まれた肉体そのものに薪としての価値があると分かっていたのかもしれません。体が資本!!

 

4.火は意思を焼く

 上で述べたことを整理すると、以下のようになります。

・獄吏の攻撃はある種の呪いである。

・呪いは亡者化を促進させる。

・亡者化により人間は、記憶や理性を失われていく。

・呪いは闇を失った引き換えに溜まるものである。

 ランタンの火について考えるため、今度は火について掘り下げていきます。

獄吏のランタンの火、最も関わりが深いのはやはり『罪の火』でしょう。

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       図 罪の火かもしれない火

 

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罪の都において、大きな器の中で燃えている火の周りでは、ランタンを掲げた白い獄吏たち(侍女)が立っています。

 この火については、前回の記事から引用したものを以下に示します。

また、この火の器の周りには白ヴェールの獄吏が4体立っています。
実は、器の火の発生にはこの獄吏たちが不可欠です。遠くから獄吏たちを大弓でダウンさせてしまえば器の火は発生しません。

詳しくは以下の動画で。(Twitterに飛びます)

https://twitter.com/esxovusl/status/1175830548649889792?s=21

動画の要点をまとめると、

・獄吏が居なければ火は発生しない

・獄吏は見えない体が有効だが、火には意味がない

・火には誘い頭蓋が有効だが、獄吏には意味がない

以上の結果を解釈すると、「獄吏は火の攻撃を促しているだけであり、火自身に独立した意思がある」と考えられます。

 今回重要なのは、ランタンと罪の火に密接な関係があるという事実です。
ではなぜ、罪の火と関係のあるランタンの火が、呪いをもたらすのか。

これを解決する一つのアイデアとして、私はこう考えました。

罪の火は意思を燃やすのではないか?

この根拠となるテキストを以下に挙げます。

【火の魔女の兜】

イルシールの冷たい死霊
罪の火を掲げ持つ魔女たちの兜

法王の騎士を率いた魔女たちは
元は聖騎士に叙されたものだが
すぐに罪の火に心奪われたという

【王の薪(ヨーム)】

巨人ヨームが残した王の薪

王が玉座に戻らぬならば
その薪を戻せばよい

孤独な巨人は、罪の火を鎮めるため薪の王となった
彼を王と呼ぶその声に、心がないと知っていても

 火の魔女は心を奪われ、罪の都の住人には心がない。そうです、『文字通り読んでしまえ大作戦』です。

 罪の火を見た者たちは、心を奪われてしまう。大雑把に言えば、罪の火は意思、理性を焼く。そう考えることで問題点が解決します。

 

まず、上や前回の記事で述べたように、火は闇を焼きます。
それでは、意思や理性はそもそも闇なのでしょうか?

【デュナシャンドラのソウル】

ドラングレイグの王妃、
デュナシャンドラのソウル

何処からか現れた深淵の落とし子たちは
この地で王たらんとする者に、影のように寄り添った
あるいはそれこそが、玉座を求める者への
試練なのだろうか

火はいずれ消え去り、そして闇の時代が訪れる
それを継ぐ者が現れぬ限り

「渇望」の使徒の特別なソウルは
使用により莫大なソウルを獲得するか
大いなる力を生み出せる

 私はただ、怖れていました
闇の欠片から生まれた、おぼろげな自分が…

いつの日か、ふと消えてしまうのではないかと

父の中にあった「恐怖」こそが
私を生み出したのでしょう
(沈黙の巫女アルシュナ

 深淵の落とし子と呼ばれるデュナシャンドラルシュナたちは、かつて深淵の父と呼ばれた存在の感情から生み出された存在です。

闇と感情は密接に繋がっており、闇を焼く火は感情を焼くことができます。

 

まとめると、罪の火は理性や感情という名の闇を焼き、闇が欠けた人間は、引き換えに呪いを体に溜めていきます。結果として、ダークソウル2の呪いと似た現象が引き起こされている、と考えることができます。
実際、呪われた亡者は理性や感情を失っています。血や肉とともに、理性も闇の一部として失われているのでしょう。

 

最後に、火が意思を焼く別の例を示します。

【灼けたロイエスの兜】

灼けたロイエスの騎士の兜
火で焼き焦げている

王と共に古き混沌に飛び込んだ彼らは
火に焼かれ、自らの意思を失った
そして王と共に焼かれ続けている

古き混沌に飛び込んだロイエスの騎士たちは、自らの意思と共に火に焼かれました。
ただ彼らは、意志を失い闇雲に動いている訳ではなく、ある目的を持って行動しています。

【灼けたロイエスの大剣】

灼けたロイエスの騎士の大剣
その刀身は火で焼け焦げている

彼らにかつての意思はなく
炎を乱そうとする者を駆逐するだけである
たとえそれがかつての友であったとしても

彼らは火に意思を焼かれただけでなく、「炎を乱そうとするものを駆逐する」という目的を与えられています。炎に心を支配されたと言ってもよいでしょう。

 

 

【罪の大剣】

法王サリヴァーンの持つ右手の剣
罪の火を称する儀式の剣

遥か昔、イルシールのはずれ
その地下に罪の都と消えぬ火を見出したとき
若き魔術師サリヴァーンの心にも
消えぬ野心が灯ったのだろう

 

 ・補足 (罪の都の住人の感情について)

上で、「罪の都の住人には心がない」と書きましたが、少し疑問が浮かぶと思います。

まず、罪の都には人間らしい感情の代表例と呼べる「欲」にまつわるアイテムが多数配置されています。

アイテム発見力を上げる「貪欲な金の蛇の指輪」や「錆びついた銅貨」、「錆び付いた金貨」を手に入れることができます。さらに、イルシールの地下牢から、罪の都にかけて、貪欲者(ミミック)の数はダークソウル3の中で最も多い7体存在しています。f:id:yasaiprpr:20191111221025j:image

マップ上には金銀財宝がばら撒かれ、あの常識のあるギリガンさんまで訪れています。

そもそもアイテム発見力とは、無印では人間性の数、3ではステータス値によって増加します。つまり、人間の本質的な力こそがアイテム発見力として発現しています。

 となると、「『罪の都の住人は欲望モリモリ集団』で、上で言っていることと矛盾しているのではないか?」となってしまいます。

私は逆に、錆び付いた銅貨などアイテムを、「人間らしさを失った住人たちが、それを取り戻すための手段として頼った」ものではないかと考えました。

【貴人の仮面】

イルシールの地下牢、その獄吏たちの仮面
ふくよかな顔つきは、貴人の嗜みである

彼らは、罪の都の数少ない生き残りであり
後に法王サリヴァーンの仕えたという
牢獄の悲鳴が、故郷を祀り慰めるのだろう

 なぜ悲鳴が、故郷を慰めるのでしょうか。

【エルドリッチの赤石】

深みの聖者エルドリッチの残した歪んだ指輪
致命攻撃時にFPを回復する

おぞましい人喰いで知られるエルドリッチは
きっと伝えたいのだろう
悲鳴に浴し、生命の震えをこそ喰らうやり方を

 エルドリッチ先生曰く、悲鳴こそが生命の震え、悲鳴こそが感情豊かな生命の証明なのかもしれません。

 

・想定されうる反論と苦し紛れの弁明

想定されうる反論として考えられるのが、

「ヨームが火を継いだ時点で住人の心がないならば、火継ぎ後の空からの罪の炎は何故感情が無いはずの人を焼いたのか?」

 以下、苦し紛れの弁明を垂れていきます。

 

・ヨームが罪の火を抑える前に殺された

 【ストームルーラー】

「巨人殺し」の異名を持つ大剣
折れた刀身は、今でも嵐の力を宿し
巨人を地に打ち倒すという

巨人ヨームはそれを二本持っていた
一本は、彼を信じぬ人々に与えられ
もう一本は、薪の王となるその前に
一人の友に託されたという

 ストームルーラーは、ジークバルドの他に、(おそらく)罪の都の住人に与えられました。

巨人を打ち倒す手段として与えられていること、棺から復活した薪の王は一度死んでいるはずであることを考えると、ヨームはストームルーラーを与えられた住人によって殺されてしまったのかもしれません。

ロイエスの古い混沌の例を参考にし、「炎に意思を奪われた者は、それを歪めるものを駆逐する」のであれば、罪の火を残そうと考えた人物が居たのかもしれません。

 

・サリヴァーンのせい

困ったときの「サリヴァーンのせい」作戦です。個人的にはお気に入り。

【罪の炎】

罪の炎に由来する呪術

離れた敵を炎で包み、焼き払う

巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎により滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという

【罪の大剣】

法王サリヴァーンの持つ右手の剣
罪の火を称する儀式の剣

遥か昔、イルシールのはずれ
その地下に罪の都と消えぬ火を見出したとき
消えぬ野心が灯ったのだろう

 罪の炎は空より生じた。イルシールの地下には罪の都がある。

この二点を考えると、「空からの炎」は「イルシールからの炎」と捉えても問題はありません。

【貴人の仮面】

イルシールの地下牢、その獄吏たちの仮面
ふくよかな顔つきは、貴人の嗜みである

彼らは、罪の都の数少ない生き残りであり
後に法王サリヴァーンの仕えたという
牢獄の悲鳴が、故郷を祀り慰めるのだろう

 時系列の問題として、罪の都が炎によって滅びた後、獄吏たちはイルシールの法王と接触しました。

罪の火の力を手にしているサリヴァーンの手で、罪の都に意図的な攻撃が行われたのだとすれば、問題点の解決は図れます。

 

 

 

【ダークソウル】罪の火 一つの解釈【考察】

今回は罪の火についてです。
といっても「よくわからなさの化身」である罪の火なので、『罪の火は◯◯だ!』と言い切るつもりもなく、一つの解釈として聞いていただけると嬉しいです。

罪の火の厄介さといえば、不思議なものであるにも関わらず、言及されているテキストがとても多いため、仮説を立てると何かしら反例が生まれてしまう、そんな困った罪の火についてのお話。

 

1罪の火の情報整理

1-1 罪の火のプロパティ

罪の火は多くのテキストで言及されているため、いくつかの性質を読み取ることができます。

 

・燃え尽きない

【火刑の芒】

イルシールの冷たい死霊
魔女たちが掲げ持つ罪の火

それは武器であるとともに共に魔女の杖であり
常に火を纏い、決して燃え尽きない

 罪の火は燃え尽きることがないそうです。

 

・惹かれる

【火の魔女の兜】

イルシールの冷たい死霊
罪の火を掲げ持つ魔女たちの兜

法王の騎士を率いた魔女たちは
元は聖騎士に叙されたものだが
すぐに罪の火に心奪われたという

罪の火には心奪うほどの何かがあるようです。 

 

・抑える手段があるかもしれない

 【王の薪】

巨人ヨームが残した王の薪

王が玉座に戻らぬならば
その薪を戻せばよい

孤独な巨人は、罪の火を鎮めるため薪の王となった
彼を王と呼ぶその声に、心がないと知っていても

 少なくとも、罪の火を鎮めようとする人たちがおり、彼らの思いを受けヨームは薪の王となったそうです。

 

・女性がキッカケとなった

【エレオノーラ】

異形と化した罪の都の住人
その中にあった異様な武器

彼女たちはある神官の家族であり
その呪いが、罪の火の切欠になったという
だが当人たちは、のうのうと生き続けていた

 罪の都で蠢く罪の異形たちは、女性であり、彼女らが罪の火のキッカケであったことが明言されています。(「切欠」は英訳版の"triggered"から「きっかけ」の誤用であると判断)

 

・人のみを焼く

【罪の炎】

罪の炎に由来する呪術

離れた敵を炎で包み、焼き払う

巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎により滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという

 罪の都の上空に生じた罪の炎は、かつて人々だけを焼いたそうです。

 

・暗い火。

鍛冶屋アンドレイに【罪の種火】を渡した際のセリフ。

...あんた、この種火は...
暗すぎる。むしろ深淵に近いものだぜ...

 赤く炎属性のある罪の火ですが、アンドレイ曰く深淵に近い暗さがあるそうです。

 

1-2 これって罪の火?

罪の都にある大きな器と、そこで燃えている炎。

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これ。

前提として、私はこれを罪の火の一つと考えています。
この火の性質を調べることで、罪の火についての掘り下げができるのではないか。
それが今回の方針です。

 

2罪の火の性質

罪の都のこの火には、以下の性質があります。

・人を追いかける

・器の中身は空っぽ

これについて整理していきます。

 

2-1 人を追う火

この罪の都の罪の炎には、プレイヤーを追いかけるという性質があります。
この性質は罪の火に由来する呪術【罪の炎】にも見ることができます。

【罪の炎】

罪の炎に由来する魔術

離れた敵を炎で包み、焼き払う

巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎により滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという

 ダークソウルにおいて生命を追いかける性質には、根本に「意思」、「命」そして「闇」が潜んでいます。

【追う者たち】

禁忌とされる闇の魔術
人間性闇に仮そめの意思を与え放つもの

その意思は人への羨望、あるいは愛であり
人々は目標を執拗に追い続ける
その最期が小さな悲劇でしかありえないとしても

 【追尾するソウルの塊】

古く竜の学院が失った大魔術師
ビッグハット」ローガンの独自魔術のひとつ

追尾性の高いソウルの塊を浮かべ、放つ

探求者たるローガンの一端が見える魔術だが
生命に惹かれるその性質について
後の研究では、むしろ闇に近いとされている

 罪の火が「闇」の性質を持つ可能性については、「暗すぎる」というアンドレイのセリフとマッチします。

また、この火の器の周りには白ヴェールの獄吏が4体立っています。
実は、器の火の発生にはこの獄吏たちが不可欠です。遠くから獄吏たちを大弓でダウンさせてしまえば器の火は発生しません。

詳しくは以下の動画で。(Twitterに飛びます)

https://twitter.com/esxovusl/status/1175830548649889792?s=21

動画の要点をまとめると、

・獄吏が居なければ火は発生しない

・獄吏は見えない体が有効だが、火には意味がない

・火には誘い頭蓋が有効だが、獄吏には意味がない

以上の結果を解釈すると、「獄吏は火の攻撃を促しているだけであり、火自身に独立した意思がある」と考えられます。

誘い頭蓋が有効な「火」は、実はもう一つ存在します。
それは「吹き溜まり」のボス、デーモンの王子の使う「浮かぶ混沌」です。

プレイヤーやデーモンの助祭の用いる浮かぶ混沌には有効ではありませんが、罪の火との貴重な共通点といえます。

【浮かぶ混沌】

死斑の呪術師、ダネルを魅了した儀式呪術
燻りの湖の助祭たちが用いるもの

飛沫を放つ、混沌の火球を浮かべる

束の間に燃え尽きるその混沌は
だが苗床に生じた原初の生命であるという
それはイザリスのの、憐れな証であろう

 混沌は原初の生命であり、それがソウルに惹かれるならば、この罪の火にも「意思」や「生命」に近いものが表れているように思えます。

 

2-2 器の中身は空っぽ

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この器の中には何もなく、ただ火があるのみです。

ダークソウルにおいて、火には「薪」などの火の燃料になるものが必要です。
そしてだからこそ、燃料が途絶えれば火は衰えていく。「はじまりの火の薪を巡った物語こそダークソウルの本筋」といえるほど、燃料は火にとって重要です。

「罪の火には燃料がない」と素直に受けとめるなら、

燃料を必要としない⇒火は燃え尽きない

と罪の火の不思議性質の一つとも噛み合います。

 

3火の燃料について

「罪の火には燃料が見つからない」という話をしたばかりですが、ここで燃料について少し確認をします。

火の燃料は何か。
結論から言えば、火は闇によってその勢いを増します。
より正しくいえば、闇によって火の力が増す現象がいくつかあります。

身近な例は「篝火の火」です。ダークソウル無印において、人間性(闇のソウルの欠片)を捧げることで、篝火の火を大きくし、エスト瓶の使用回数を増やすことができました。

また、上でも挙げた「混沌の火」はどうでしょうか。

【混沌の炎の種火】

武器を進化させるために必要な種火
混沌の炎の種火は廃都イザリスの業であり
古い作法を知る鍛冶屋だけが扱える

+5の炎の武器を、混沌の武器に進化させる
(混沌の武器は+5まで強化できる)

混沌の武器は炎攻撃力を持ち
人間性によって強化されるデーモンの武器である

 ダークソウル無印において、混沌の武器には人間性の数が多いほど、威力にボーナスが付いていました。(混沌の呪術にもボーナスが付いていたが、アップデートで撤廃)

混沌の炎が闇そのものを燃やしているかは分かりませんが、少なくとも人間性で力を増す性質があることがわかりました。

 

4絵画を燃やす火

話は少し変わり、「絵画を燃やす火」について。

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ダークソウル3のDLC1における、アリアンデル絵画世界を燃やす火のことをここでは「絵画を燃やす火」と呼ぶことにします。

この火は、画家が新しい世界を描くために必要なものであり、ゲールに頼まれたDLC1の目的の一つです。

絵画世界存続のため、フリーデと教父アリアンデルによって隠され、抑えられているものです。
実はこの火も、闇を燃料として燃えています。絵画とは、人の暗い血で描かれたものであり、そこには暗い魂、闇のソウルが宿っています。

【アリアンデルの薔薇】

絵画世界の鞠のような教父が
その血で火を鎮めるために用いたバラ鞭

絵画の修復者たるアリアンデルは
それが血で描かれることを知っており
それを守るためにまた血を用いた

【暗い魂の血】

奴隷騎士ゲールの、虚ろに生じた暗い魂の血

アリアンデルの「お嬢様」が
絵画世界を描くための顔料となる

ゲールが小人の王たちに見えたとき
彼らの血は、とうの昔に枯れ果てていた
そして彼は、暗い魂を喰らった

 

 5罪の火の一つの解釈

「絵画を燃やす火」のアイデアを踏まえて、私が考えた罪の火の一つの解釈がこちらです。

「罪の火は、絵画の火に近い存在である」

言い換えると、

「罪の火は、世界そのものを燃料としている」

 この解釈を導入することで、いくつかの問題点が解決できます。

・決して燃え尽きない問題

絵画世界の住人からみて「絵画を燃やす火」はいつ消えるのか。
世界を焼き尽くすまでこの火が続くのであれば、住人は火が燃え尽きることを観測することはできません。

罪の火も同様に、世界を燃料とするのであれば、その火が燃え尽きることを知る者はいません。

・燃料が見当たらない問題

絵画世界で燃えている火を見ると、何もない床が燃えていたり、特に燃料らしきものは見当たりません。
それもそのはず、絵画世界そのものが燃料となり燃えているためです。

罪の火が世界を燃やしているのであれば、そこに燃料としての物体が無いことも不思議ではありません。

・人を追いかける問題

罪の火が人を追いかける性質の根本には、「意思」や「生命」の存在があることを、初めに述べました。

実は絵画世界にも、人を追いかける特殊な火が存在します。

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この白木女が出す灯火は、ゆっくりながら、プレイヤーを追尾する性質があります。
木とは大地から様々なものを吸って成長するもの。闇で描かれた世界に生えた樹木は、闇の影響を受け、その火は生命に惹かれる性質を持ちました。

 

・キッカケが神官の家族の女性

罪の火は、エレオノーラのテキストに書いてある通り、神官の家族である罪の異形がキッカケです。

絵画の火はフリーデの死がきっかけで教父アリアンデルによって引き起こされます。
フリーデは教父アリアンデルの家族と言えるかはわかりませんが、神官に近い存在の女性です。 特殊な火の攻撃をしてくる白木女も、女性の姿をとっています。

 

・何が罪なのか

【浮かぶ混沌】(再掲)

死斑の呪術師、ダネルを魅了した儀式呪術
燻りの湖の助祭たちが用いるもの

飛沫を放つ、混沌の火球を浮かべる

束の間に燃え尽きるその混沌は
だが苗床に生じた原初の生命であるという
それはイザリスのの、憐れな証であろう

 これは自分の考えに過ぎませんが、「火に命を与えること」こそが罪なのではないかと感じました。
命を持った混沌がダネルを魅了したように、命を持った罪の火が、火の魔女の心を奪ったのかもしれません。

一つ注意しなければならないことは、「罪の火」の英訳は"profaned flame"であり、イザリスの罪の訳"Izalith's sin"とは訳が異なるため、同じ「罪」という単語にも別の意味を含めている可能性があります。

 

6まとめ

罪の火が世界を燃やす火であると解釈すると、いくつかの問題が解決できることがわかりました。

しかし、これまで言及していませんでしたが、罪の火が世界を燃やしているならば、
「世界は闇で作られているのか?」

これに関してはまた別の問題になりますが、「絵画世界ループ説」など、世界が闇で作られていることを提唱する説もあるため、まあオッケーかなと(適当)

 

世界が消えない限り火が消えない、だからこの火は燃え尽きない! 
と屁理屈結論にしてしまいましたが、まあきっと罪の火の説は多い方が面白いでしょう。

 

 

【ダークソウル】猛毒沼は人の汁!【考察】

この記事を読む前に、前回の記事を読んで頂けると幸いです!

1.またまた人松脂

今回の記事も、前回に引き続き人松脂に関するお話から。

【人松脂】

炭松脂が人の汁で腐ったもの

一時的に、右手の武器を闇強化する

不死街で保存や埋葬に用いられ
長い年月を経た後にこうなることがある
希少なそれは、ある種の儀式でも使用され
高値で取引されることも多いらしい

 人松脂とは、人の汁によって松脂が変質したものでした。
つまり、”人松脂あるところに人の汁あり!”という訳です。

さて、ダークソウル3において、人松脂を手に入れることができる場所は二か所のみです。
それは、前回紹介した不死街の部屋と、妖王の庭です。(他にもあったらごめんなさい)

不死街のものについては、前回の記事で詳しく書いています。
今回は妖王の庭のものについて考えます。

妖王の庭とは、ロスリック城の横にある、妖王オスロエスがボスとして登場するエリアです。
このエリアは、本作でも屈指の数の人の膿が闊歩し、さらに地面は猛毒の沼に浸っており、ボスまでのランニングが捗るエリアです。

1.の章で重要となるのは、人松脂が猛毒の沼にあるということです。

 

2.人松脂は絵画でも

拾得アイテムとして人松脂が得られるのは、上記2エリアのみでしたが、ドロップアイテムとして人松脂を手に入れることのできる敵がいくつか居ます。

まず、前回も紹介した不死街のスケルト
詳しくは前回の記事を読んで頂くとして、人の木化現象と人松脂に繋がりがあるそうな。

そして、輪の都のスケルト
ここのスケルトンも皆、頭から木を生やしており、不死街のスケルトンと同様の理由で人松脂を落とすのでしょう。

最後に、絵画の腐食者です。

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こいつです、ハエです。
何故このハエが人松脂を落とすのか、その答えは簡単です。
絵画自体が人の汁で描かれているからです。

【アリアンデルの薔薇】

絵画世界の鞠のような教父が
その血で火を鎮めるために用いたバラ鞭

絵画の修復者たるアリアンデルは
それが血で描かれることを知っており
それを守るためにまた血を用いた

【暗い魂の血】

奴隷騎士ゲールの、虚ろに生じた暗い魂の血

アリアンデルの「お嬢様」が
絵画世界を描くための顔料となる

ゲールが小人の王たちに見えたとき
彼らの血は、とうの昔に枯れ果てていた
そして彼は、暗い魂を喰らった

 絵画世界は人の血で描かれているため、その絵画を喰らうハエも、体内に人松脂を宿したのでしょう。

2.の章で大切なのは、絵画世界が人の汁で作られているということです。

 

3.汚水ムカデから見る毒沼

話は変わって、汚水ムカデについて。

汚水ムカデとは、冷たい谷のイルシール、罪の都、アリアンデル絵画世界に登場する敵です。

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こいつ。
この敵のドロップアイテムに注目します。
冷たい谷のイルシールの汚水ムカデは「緑花草」と「花付き緑花草」をドロップしますが、罪の都とアリアンデル絵画世界のムカデは「解呪石」をドロップします。

「緑花草」は冷たい水辺に自生する植物であることから、汚水ムカデのドロップアイテムは、生息する場所に依るものであることが考えられます。

罪の都の猛毒沼では、「解呪石」が拾えることもあり、これも生息場所に依るものでしょう。

となると、アリアンデル絵画世界の汚水ムカデが「解呪石」を落とすことも、その土地に由来するものなのかもしれません。

 

4.解呪石と人の汁、猛毒沼と人の汁

1.2.3.で得られたことをまとめると、

1.猛毒沼に人の汁あり

2.絵画世界は人の汁である

3-1.罪の都の猛毒沼で解呪石

3-2.絵画世界でも解呪石

 解呪石とは、もともと人であったものです。

【解呪石】(無印)

半ば頭骨が溶け込んだ灰色の石
カリム拍アルスターの秘宝の1つ
呪いの蓄積を減らし、呪死状態を解除する

人は呪いに対し力でありそれを減らすことしかできない
解呪石もまた、呪いを逸らす先でしかない

それは人、ないし人だった何かなのだろう

 1.3-1.を組み合わせると、

人の汁を吸ってできる人松脂と、人だった何か解呪石が猛毒の沼にある

であり、
また、2.3-2.から、

解呪石は人の汁のある土地にできる

と推測することができます。

以上二つから、

猛毒の沼は人の汁そのもの

と結論づけることができます。

ダークソウルにおいて、闇の霧が毒として体を蝕んだり、糞団子で猛毒となったり、鬱血亡者の血で猛毒になるなど、人の本質がしばしばとして現れることはよくあります。

 

おわりに&次回の構想の落書き

記事を書いていてずっと無視していたファランの毒沼
あそこにも沢山戦士が眠っていて、地下にはカーサスの深淵も近く、人の汁に溢れた腐った森なんですが、人松脂は落ちていないんですよねぇ...

しかし書いていて面白そうなことに気が付きました。
ファランの毒沼やその他特定の地域にある、白い木
この白い木は不死街の大弓巨人が助けてくれる目印になるものですが、この木の生えている場所に、共通点が見出せそうです。

木の生えている場所は、

不死街
深みの聖堂の墓地
ファランの毒沼
輪の都

の四つです。この土地を見て考えること、

白い木の生えている場所は人の汁がたっぷりありそう!

 

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 あ!人の汁がたっぷりの場所に白い木が!

【ダークソウル】キになる人間のお話【考察】

今回の記事は、ダークソウルの呪いと木についての内容です。

1.呪いは"木に"押し付けられる!

 ダークソウルにおいて、「厄介な呪いは他者に押し付けられる」といった描写多く存在します。

ダークソウル3の不死街では、大樹を呪い封じとして利用しています。

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【呪腹の大樹のソウル】

呪腹の大樹のソウル
力を帯びた、異形のソウルのひとつ

使用することで大量のソウルを得るほか
錬成によりその力を取り出すこともできる

古くより不死街には、あらゆる呪いが流れ着き
もっとも酷いものは神樹に封じられた
そして徐々に、その樹は変わっていったという

 

朽ちることのない古竜の末裔であるミディールも、闇を引き受けています。

【闇喰らいのミディールのソウル】

闇喰らいのミディールのソウル
力を帯びた、異形のソウルのひとつ

使用することで莫大なソウルを得るほか
錬成によりその力を取り出すこともできる

古い竜の末裔ミディールは、神に育てられ
朽ちぬが故に、永遠に闇を喰らう使命をもった
神がとうに滅びた後も、忘れることはなかった

呪いを引き受けられるもの共通点は何でしょうか。

【双蛇の円盾】(無印)

ロードランの地で作られる円い木の盾
古いシンボル、双子の青い蛇が描かれている

この地の樹木は、岩の大樹の遠い子孫であり
その性質をわずかに受け継いでいるため
魔法に対するカット率が高い傾向がある

 樹木は、灰の時代からあるの大樹の性質を引き継ぐものでした。

 このように、大樹のようなの性質を持つものは、様々な呪いを引き受ける器としての性質があります。

不死街ではこの性質を、呪腹の大樹以外にも利用しています。

【人松脂】

炭松脂が人の汁で腐ったもの

一時的に、右手の武器を闇強化する

不死街で保存や埋葬に用いられ
長い年月を経た後にこうなることがある
希少なそれは、ある種の儀式でも使用され
高値で取引されることも多いらしい

 炭松脂は、人の汁を吸い闇の性質を帯びることがあるそうです。
そもそも松脂とは、マツ科の植物から採取される樹脂のことです。
こういった情報からも、樹木には「闇」や「呪い」の類を吸い取る性質があることがわかります。

※余談
不死街の人たちは死体の処理に努力していることが様々な点から見て取れます。

・くるんだり

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・縛ったり

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・籠に入れてみたり

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当然、彼らは不死なのでそのまま埋めても意味はありません。
ですがなんと、不死たちの体液を奪ってしまえば蘇りは遅くなるそうです。

【墓守の双刀】

深みの聖堂、その墓守たちの双刀
双刀武器のひとつ

聖堂の墓守は、蘇る死体の始末者であり
その武器は大量の出血を強いる
血と体液を失えば、蘇りが遅くなるらしい

 不死街では、炭松脂に人の体液を吸い取らせることで、死体の管理をしていました。

 

2.呪いは"人に"押し付けられる!

 灰の性質のもの、特に樹木は人間たちに呪いのはけ口として用いられてきたことを確認しました。
ですが実は、我々はもっとよく呪いを引き受けてくれる存在を知っています。
解呪石です。

【解呪石】(無印)

半ば頭骨が溶け込んだ灰色の石
カリム伯アルスターの秘宝の1つ
呪いの蓄積を減らし、呪死状態を解除する

人は呪いに対し無力であり
それを逸らすことしかできない

解呪石もまた、呪いを逸らす先でしかなく
それは人、ないし人だった何かなのだろう

 プレイヤーに溜まった呪いを引き受けてくれるこの便利な石は、どうやら人であった何かのようです。呪死したプレイヤーは石化するなど、呪いと石には深い関わりがあります。

そして、呪いを受け止めるは他にも存在します。

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輪の都にある解呪の碑です。この碑でも解呪が行うことができます。
もし解呪石と同じ原理なら、この巨大な碑も元は人間ということになります。大量すぎる

以上のように、「人間の呪いは、石となった人間が引き受ける」といった例が多く存在します。

 

3.キになる人間のフシギ

木も石も、呪いを吸い取ってくれる良いヤツでした。
解呪石の例をみるに、石はもともと人でしたが、木はどうでしょうか。

 

ロスリックの高壁には、木になってしまった人間がいくつも見られます。
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また、不死街にも木になってしまった人間がいます。
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人間は木にだって、石にだって成ることができるのです。夢がありますね。

では、どうすれば人間は木になることができるのでしょうか。
ダークソウル2曰く、生きとし生ける者は、死んでも只じゃ終わりません。

【巨人の木の実の種】

巨人の木からとれる何かの塊
侵入者に対して敵が反応するようになる

朽ちた巨人は大樹へとその姿を変えた
死は終わりではなく、生きとし生ける者は
再生の環のなかにある

ならば、その環の外に出た者は
いったいどこへ行くというのだろうか

生き物は、死んでしまっても樹となり、新しい生命のサイクルを始めることができます。

人間も、死ねば木になれるのでしょうか

ここでもう一度人松脂について。

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不死街に椅子に座って木になってしまった人間が多くいる部屋があります。この部屋の宝箱では不死街で"唯一"人松脂を入手することができます。
ここで人松脂のテキストを再掲します。 

【人松脂】

炭松脂が人の汁で腐ったもの

一時的に、右手の武器を闇強化する

不死街で保存や埋葬に用いられ
長い年月を経た後にこうなることがある
希少なそれは、ある種の儀式でも使用され
高値で取引されることも多いらしい

 これは推測になりますが、このある種の儀式というものが、もしかすると「意図的に木になる」ための儀式なのではないでしょうか。木化した人間がいる他の部屋にも、「炭松脂の薬包」が落ちています。

また、不死街には口から木を生やした不死街のスケルトという敵がいます。

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 なんとこのスケルトンは、人松脂をドロップします。

また、他の木化した人間がいる部屋には、「炭松脂の薬包」が落ちています。

【薬包】

薬の包み。粉薬を紙に包んだもの。(コトバンク)

 座った木化人は頭部から、不死街のスケルトンは口から枝木を生やしています。
もしかすると、炭松脂の薬包は言葉通り経口薬の粉薬として使用されていたのかもしれません。

以上をまとめ、

1.炭松脂と人松脂には肉体から人の汁(血や体液)を吸い取る効果がある
2.人の汁を抜かれた肉体は死ぬことができる
3.死んだ肉体は木化する

と考えました。

逆に、木に闇や呪いを与えるとどうなるのか。

【呪腹の大樹のソウル】(再掲)

呪腹の大樹のソウル
力を帯びた、異形のソウルのひとつ

使用することで大量のソウルを得るほか
錬成によりその力を取り出すこともできる

古くより不死街には、あらゆる呪いが流れ着き
もっとも酷いものは神樹に封じられた
そして徐々に、その樹は変わっていったという

 酷い呪いを引き受けた大樹は、やがて姿を変えていきました。
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大樹の中から、人間の手のようなものが生えてきています。呪いによって変容してしまった結果です。

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また、呪腹の大樹の吊るす木の実にも、人間の手に似た何かが垂れています。

呪いを受けた大樹の内部には、人のような形をもった生命が生み出されつつありました。

 つまり、
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木と人は、呪いを介して姿を変えられる同一の存在だったのではないでしょうか。

4.まとめ 

今回のまとめです。

・呪いは木や人間に押し付けることができる。

・炭松脂の薬包は、本当に粉薬だったのかもしれない。

・人間は木になれる。木も人間になれる。

 

5.妄想、殴り書き

※以下落書きです。書いていて気になったことの殴り書き。

呪いが抜けて木になるのではなく反対に、人が呪われて木になる可能性も考えました。
人松脂をキメることで呪われて木になれるのかな、なんて。樹脂で呪死

そしてさらに妄想、
「火はそもそも木が生んだのではないか?」
木自身が内部に「炭松脂」のような発火性のものを生成していたり、

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火のない世界の絵画の木が火を飛ばしてきたり、

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そしてそもそも、はじまりの火ですら、大樹の中で生まれているのかも。

また、妄想。

書いていて気になったのが、人間が解呪石になる方法。
同じ灰の世界のもの同士、木と同様に人間から呪いを引っこ抜けば石になれるのかと考えましたが、逆に人間は呪死することで石化します。
石化状態は、ダークソウル2の「懐かしい香木」で解除されることも木になっています。(木の成分が、口と鼻に入り呪いを取り除いている?)
結晶という石に似た存在は、シースや輪の都の亡者を見るに、呪いをまき散らす性質もあります。

 

次の記事では、人の汁と解呪石の関連について書くことを考えています。この方面から、「石と人間と呪いの関係」について何かわかればいいなと思っています。

 

【隻狼】古戦の掛け軸 目指せ!完全解読!

1.はじめに

古戦の掛け軸とは、葦名城本城の「葦名流 佐瀬甚助」と戦闘する部屋にある掛け軸です。
この掛け軸を調べることで表示されるテキストが以下になります。

『古戦の掛け軸』

かつて葦名に、あやかしきたり

あやかしの雷は、源の神鳴り
神業無くば、弾き返せぬ

即ち、地に足つけぬ、雷返しなり

 弦一郎戦の前に、雷返しを知るための掛け軸でした。

 

2.アートワークスはいいぞ

さて、2019年8月2日に発売されたSEKIRO:SHADOWS DIE TWICE Official Artworksにおいて、この古戦の掛け軸が掲載されています。

文字の部分をピックアップしたものが以下になります。
f:id:yasaiprpr:20190820204317j:image

肝心の内容ですが、この文章は草書体で書かれております。

例えば「姿」という漢字は、草書体で書くなら、

f:id:yasaiprpr:20190821002400g:image

このようになります。ノリで解読することは難しそうです。
様々なサイトとフォロワー様方の力をお借りし、自分なりに納得できるまで解読してみました。

こ 葦 そ 雷
れ 名 の を
に の 姿 操
抗 始 女 る
す 祖 の あ
  沼 武 や
  の 者 か
  主 姿 し
  の な 葦
  胆 り 名
  を   に
  ◯   有
  み   り

 ◯は「これだ!!」という漢字が見つからなかったため、保留にしてあります。(「主」も少し不安)
ですが、これでざっくりと意味は伝わります。掛け軸の前に配置されているアイテムうな胆を考慮すると、この掛け軸には
「葦名の祖先はうな胆を食べて、あやかしと戦った」
と推測できます。

#####  2023年6月16日 更新 #####

判明していなかった最後の1字が判明しました。

おそらく「飲」です。どうだろう、見えるだろうか。

「飲」(U+98F2) | 日本古典籍くずし字データセット

これによって、掛け軸の完全解読完了です!

こ 葦 そ 雷
れ 名 の を
に の 姿 操
抗 始 女 る
す 祖 の あ
  沼 武 や
  の 者 か
  主 姿 し
  の な 葦
  胆 り 名
  を   に
  飲   有
  み   り

結果は予想通りでしたが、全て埋められたのは嬉しいです。

###########################

 

3.戦いはまだ終わらなかった

「なんだ、狼はうな胆の掛け軸を読んで雷返しを知ったのか ハハッ」
と笑っていたのも束の間、佐瀬甚助さんとの戦いの後、掛け軸をよく覗いてみたところ、

f:id:yasaiprpr:20190821003350j:image

 三行しか文章がないぞ?
(画像はコントラスト調整)

 

どうやらゲーム中の掛け軸とアートワークスの掛け軸では文章が異なるようです。

隻狼の寄鷹筒の仕様もあり、見やすい角度でこの掛け軸の文章を撮影することが難しく、私はこの文章の意味を読み解けていません。(真ん中の行は 「こ◯◯まゝにあ◯◯◯」?)

根拠のない推測ですが、この掛け軸には、正しく雷返しの伝説が記されているのではないかと考えています。

 

4.おわりに

アートワークスの掛け軸の文章を見るに、もともとはうな胆の説明のためのものだったのかもしれません。しかし、弦一郎戦で初めて登場する雷の対処法として、雷返しを説明する内容に変更したのかもしれません。

ゲーム内の掛け軸も、ちまちま調べ、いずれすべての文字を解読したいと思っています。

ありがとうございました。

 

※参考にしたサイト

https://kanji.jitenon.jp/ (漢字辞典オンライン) 同一部首の漢字を調べるのに便利

https://mojizo.nabunken.go.jp/ (木簡・くずし字解読システム mojizo) 一文字分画像から似た形状の画像を探してくれる

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/PDF/5tai/ (五體字類) 多くの漢字のさまざまな書体での書き方が記されている

 

アートワークスはいいぞ

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE Official Artworks

 

 

【隻狼】淤加美の紋章と不死斬りと弦一郎の出自【考察】

twitter赤の不死斬りの箱に特徴的な紋章があるという指摘を目にしました。
この紋章を探してみると色々面白かったので、紋章と、そこから推測される葦名の過去について考えてみたいと思います。

 

【1.導入】

まず、本テーマのきっかけとなる赤の不死斬りの入った箱を見てみます。

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これと同じ紋章が源の宮にもあります。

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これは淤加美の女武者の所持品にも書かれています。

f:id:yasaiprpr:20190717082924j:image

 

以上から、赤の不死斬りと宮の勢力、中でも淤加美の女武者たちに繋がりがあることが分かりました。

 

【2.淤加美と葦名】

『淤加美の古文書』
仙郷を目指した淤加美一族が残した古文書

 香気の石、葦名の底の村に祀られたり
 身を投げねば、辿り着けようも無し

 これで源の香気、揃うたり
 仙郷へ、出立のときぞ

「源の香気を集め仙郷に行く」狼たちと同じ方法で淤加美たちは源の宮に至ったようです。
つまり、

『彼女たちも竜胤の御子の血を手に入れている』
⇒『かつて不死斬りを使用した』
ということが分かります。
(ちなみに、淤加美の女武者は竜胤の御子およびその従者の特徴である、部分的な白髪を帯びている。)

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次に、淤加美と葦名の関わりについて

『錆び丸』
斑な緑青の刃をした、古い小太刀
忍義手に仕込めば、義手忍具となる

いにしえの昔、葦名に攻め寄せた
人ならぬ一族に抗するため
葦名衆が鍛えたもの

あやかしを退けたは、
青錆びの毒の賜物とか

『古戦の掛け軸』

かつて葦名に、あやかしきたり

あやかしの雷は、源の神鳴り
神業無くば、弾き返せぬ

即ち、地に足つけぬ、雷返しなり

いにしえの昔、淤加美の女武者達は宮から葦名に降り、そして退けられたそうです。
末裔である蛇の目の存在から、その後淤加美たちが葦名の地で生活を営んでいたことが考えられます。

時代は進み、淤加美の一族であると、その主であり竜胤の御子のが葦名に降り立ちます。巴たちも狼たちと同様に、不死断ちを目指して活動をしました。
しかし、巴たちは不死斬りを手に入れることができませんでした。

『巴の手記』
柔らかな字でしたためられた巴の手記

 丈様の咳は、ひどくなられるばかり
 仙郷へ帰る道は、どうやら叶わぬ
 せめて竜胤を断ち、人に返して差し上げたい

 人返りには、常桜の花と不死斬りが要る
 なれど、花はあれども不死斬りはない
 仙峯上人が、隠したのであろう
 竜胤を断つなど、あの者は望まぬゆえに...

【3.以上を踏まえて】

 赤の不死斬りの箱には宮の紋章があるため、少なくとも一度は宮に不死斬りはあったと考えられます。不死斬りは、淤加美が仙郷に至る際に宮に運ばれたと解釈しました。
ですが丈たちの時代、赤の不死斬りは仙峯寺にあります。

そのため、何者かによって赤の不死斬りは宮から葦名に持ち出されたのだと考えられます。(または"どんぶらこどんぶらこ"と落ちてきた)

宮の人たちは死なず、老いていくだけの存在です。

...源の宮の、痴れ者どもめ...
もうすぐ、我は鯉になろうぞ
老いぼれるだけのお前たちに...
及びもつかぬ永遠... (壺の貴人 春長)

老いを望まぬ者たちに残された道は、若さを取り戻すか死を選ぶか 二通りの道があります。 
老いてもまだ死ねぬ宮の貴族たちは、若さに飢えています。

お若いお人、お気をつけください
宮の貴族たちは、若い精気に渇いています
吸いたくて、吸いたくて、仕方がないのです

若さを求める者たちに対して、永遠を望まない者もいます。

我が父は、貴族になりましたが
そのとき、鯉に魅入られてしまいました
もうずっと、ずっと、ただ鯉に餌をやっています
若いお人。どうか父を、鯉の呪縛から解き放ってください

あのような永遠は、父の望みではありませんでした

「若さを取り戻す」目的と、「永遠を断ち切る」目的、どちらも不死斬りの目的と一致します。(全盛を取り戻すためのと、不死の淀みを断ち切るための

いにしえの昔の淤加美たちも、(貴族の命か、本人たちの望みか、)不死斬りを求めて葦名に降り、そして目的は果たせず葦名に残ったのかもしれません。

 

【4.弦一郎について】

話は大きく変わるようですが葦名弦一郎について。

実は弦一郎、宮と深いつながりがあります。
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墓前とは葦名本城の「名残り墓」のことでしょう。
名残り墓には巴と丈の墓があります。
つまり、弦一郎の叔父が丈ということになります。
「叔父」というのは「両親の弟」、言い換えれば「祖父母の息子」ということになります。

「戦いの残滓 葦名弦一郎」
心中に息づく、類稀な強者との戦いの記憶

今はその残滓のみが残り、
記憶は確かに狼の糧になった

葦名弦一郎は、市井の生まれである
が死んだのち、葦名に引き取られた

巴の雷と呼ぶ、異端の技の遣い手である
葦名存亡の鍔際。異端こそ、この国を護るのだ

 丈が誰の弟なのかはテキストで明言はされていませんが、の存在とその死後に葦名に引き取られた事実は確認できます。
仮に、弦一郎の母の弟がであった場合、弦一郎の母宮の一族とのつながりを見ることができます。

 さて、弦一郎の母が宮の一族、つまり淤加美や宮の貴族との血縁にあった場合、彼の出自についても色々と考えることができます。
もし弦一郎の母が、蛇の目のような淤加美たちの末裔であった場合、「かつて葦名を襲った者たちの生き残り」として迫害を受けている可能性があります。
事実、蛇の目が率いる落ち谷衆は、葦名と道の繋がっていない場所で生活を営んでいます。
弦一郎が一心の孫でありながら、市井の生まれである一つの理由と考えられます。

葦名存亡の鍔際。異端こそ、この国を護るのだ

 隻狼本編の葦名、存亡の鍔際の葦名においては、落ち谷衆だけでなく、赤鬼や変若水の澱などまで使い葦名の護りを固めています。異端こそ、この国を護るのだ

 

【まとめ】

1.赤の不死斬りは「源の宮」経験者!

2.淤加美は昔から、葦名と色々あった。

3.淤加美たちは不死斬りを求めて葦名に降りてきた!?

4.弦一郎が市井の生まれなのは、淤加美の関係者であったから!?

 

【おわりに】

隻狼は様々な史実のモチーフから情報を引き出して考察することができますが、原点に立ち返って「隻狼」内の情報のみで頑張ってみました。
時系列を含めて赤の不死斬りの移り変わりを考えるのは不確定な要素が多く困難でした。ここに黒の不死斬りまで含めると、"正しく"情報を結びつけることは骨が折れそうです。

我、死なず。情報をただ願う
みな死なず、永く待とうぞ

【隻狼】怨霊攻撃と神宿り攻撃【検証】

※ 以下、鳳凰の紫紺傘で防ぐことのできるような「怨霊の類からの攻撃」の属性を「怨霊属性」と呼ぶことにします。

以下、神ふぶきなどの「怨霊の類にダメージが通る属性」を「神宿り属性」呼ぶことにします。

 

【準備】

まず、首無しなどの怨霊にダメージが通る「神宿り属性」のものとして、以下のものが挙げられます。

  • 神ふぶき
  • 鳳凰の紫紺傘
  • 瑠璃の浄火

 

「神ふぶき」

怨霊払いの加護を持った紙ふぶき

紙を抄くというが、
源の水で行うそれは、神を掬うことでもある

神宿の紙ふぶきは、浴びた者に加護を降ろす
怨霊の類にも、攻撃が通じるようになる

 

鳳凰の紫紺傘」
紫紺の鳳凰が描かれた仕込み傘
形代を消費して、使用する

鉄扇を傘のように開き、
全方位の敵の攻撃をガードする
また軽い攻撃であれば、受けながら移動できる

鳳凰の恩寵が神宿らせ
怨霊の類からの攻撃を、防ぐことができる

 

「瑠璃の浄火」
源の瑠璃の恩寵を授かった火吹き筒
形代を消費して、使用する

吹き出す紫の火は、
怨霊へもダメージを与える
ただし、この火は「炎上」効果を持たない

瑠璃の浄火は、神宿
凝った怨念は、その火に焼かれよう

全て「神宿」の文言があります。

 

では、とは何でしょうか。

「銭寄せのミブ風船」
源の水を内に秘めた、招財祈願のミブ風船

黄色いミブ風船を割り拝み、
その水を浴びたものは、
一時的に銭の入手量が上昇する

ミブは水生。水が生まれることを指す
葦名衆にとって、源の水は、
それ自体が詣での対象なのだ

源の水は葦名衆の信仰対象であり、神ふぶきのテキストにあるように、水には神が宿るそうです。

次に、「源の瑠璃」で強化することのできる「瑠璃の浄火」について見てみます。

「源の瑠璃」
貴く青い源の瑠璃
最大まで強化された義手忍具を作成する筒薬

源の瑠璃には、常しえがある
瑠璃で鍛えたものとは、
常しえに砕けることも、錆びることも無い
神なる竜の恩寵を受けるがゆえだ

鍛えた義手忍具は、人知を越えた賜わりもの
神なる竜の神器と称されよう

瑠璃の力は竜によるものであり、竜は神である。

 

また、「鳳凰の紫紺傘」についても、

f:id:yasaiprpr:20190708233641j:image

f:id:yasaiprpr:20190708233645j:image

鳳凰と竜が同列で扱われているオブジェクトがあるため、鳳凰と同列の存在と思われます。

 

さて、ここで「鳳凰の紫紺傘」でのみ防ぐことのできる攻撃についてまとめます。

(これらの攻撃は、神ふぶき、瑠璃の浄火の纏い時にも同様に防ぐことができます。)

 

  1. 怖気ゲージの溜まる攻撃(ex.首無し、七面武者)
  2. 桜牛の攻撃
  3. 巴流 葦名弦一郎の「不死斬り 纏い斬り」

 

1.はまさに「怨霊の類からの攻撃」に分類できます。

次に、2.の桜牛について。

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桜牛の属性ダメージの原因は、頭に巻きつけられた桜の木です。

隻狼において、桜と竜は強い繋がりがあることから、桜牛の属性は「神宿り属性」と解釈しました。

3.の不死斬りはどうでしょうか。上で「神宿り属性」を「怨霊の類にダメージが通る」攻撃と勝手に定義しました。黒の不死斬りを使用することはできないので、代わりに赤の不死斬りを用いて測定を行いました。(協力:城下の首無しくん、葦名の侍くん)

結果、赤の不死斬りの攻撃は怨霊に(通常の攻撃と同じように)ほとんどダメージが通りませんでした。

少なくとも不死斬りが「神宿り属性」でない事がわかりました。

 

【まとめ】

・神ふぶき、瑠璃の浄火、鳳凰の紫紺傘は同質の力。神宿の力。

神宿りの力を纏ったものでは、神宿りの力と怨霊の力をどちらも防ぐことができる。

・少なくとも"赤"の不死斬りは神宿りではない。

 

【蛇足】自分の中での、神と怨霊(死なず)の違い。

神も怨霊(死なず)もどちらも「死んでいない」「生き続けている」存在です。

神は常しえ、朽ちることの無い存在です。

それに対して、首無しなどに代表される怨霊たちは、当然死んでいるはずの存在が生きている状態と解釈しました。(首無し、獅子猿、破戒僧 etc...)

 

そういった意味では、ラストの一心は怨霊のような存在と言えるかもしれません。

より具体的に言えば、怨霊というより蟲憑きに近いです。 というのも、怨霊を殺すために不死斬りは必要ありませんが、蟲憑きと一心のトドメを刺すには不死斬りが必要です。

神なる竜は、西の故郷より来られたという
 我に、蟲を授けられたは、なにゆえか

蟲憑きは竜が現れたことによって生まれた存在です。黄泉返りも、竜胤の御子の血、つまり竜の力で生まれるものなので、蟲に近いかもしれません。(ちなみにどっちも首から生えてくる)

 

【さらに蛇足】

宮に居る白いトカゲで血刀の術を行なった場合、白い液体を刀に纏うことができますが、これは神宿り属性ではありませんでした。(宮の七面武者で検証)