考察覗き魔

考察覗き魔

ダークソウルシリーズに関する考察

【ダークソウル】繋げていこうダークソウル事件歴【考察】

※7/28追記あり

 

今回の記事は、ダークソウルの世界の事件や建物の成り立ちからダークソウルの時系列を紐解いていこう。という目的です。

ロードランでは時間が淀み歪んでしまっているため、過去から未来の一本の時間軸に乗った世界とは言えませんが、ある程度因果関係は成り立っているはずなので、時系列を考えてみればきっと楽しい。そう考えます。

まずは、時系列を考える上で押さえておきたい要素について雑にまとめておきます。

・火の時代の興り

岩と大樹と古竜のみがあった世界に生まれた「はじまりの火」。

この火の闇から生まれた神々と人々は古竜に打ち勝ち、火の時代を手に入れました。
ちなみに・・・火の時代は「はじまりの火」が生まれてからの時代を指すのではなく、グウィン達が古竜に勝利してからの時代を指します。

神々の要請に応じ、竜狩りに列した古い人たちは大王グウィンに輪の都を与えられました。 

輪の都は『ダークソウル3』では荒廃しきった都ですが、かつてはある使節団が来ていたようです。

【古めかしい平服】

古い魔術の国の平服
黄金の飾りは僅かな魔術を帯びているが
本来、戦いのための装束ではない

遥か昔、ある使節が輪の都を訪ねたとき
唯一残った若者が
記録上最後の、教会の槍になったという

「古い魔術の国」や「黄金の飾り」から、この使節団はウーラシールからの物であると想像できます。

 

・ウーラシールについて考えよう

光を操る魔術の国でしたが、闇の蛇に唆され古い人の墓を暴き、街や住人は深淵に落ちてしまいました。深淵を止めるため「深淵歩き」のアルトリウスがウーラシールへ向かいましたが、闇のない彼は深淵に飲まれてしまいました。深淵の主であるマヌスは、先の時代から現れた名もなき英雄に倒され深淵の拡大は抑えられました。

小ロンドの王に仕えた騎士「ダークレイス」、その『ダークレイスの狩人』として知られているのが「深淵歩き」のアルトリウスです。

 

・小ロンドについて考えよう

上でも書いたように、ダークレイスとは小ロンドの王に仕える騎士です。
小ロンドの王が闇唆しカアスによって深淵に落ち、その騎士も生命喰いの力を手にしました。

小ロンドは街ごと水の下に沈められ、ダークレイスたちは封印されました。

さて、この封印された小ロンドの王「四人の公王」はかつてグウィン王に見え彼のソウルを分け与えられています。公王たちはグウィンの居城であるアノール・ロンドへ赴いたのでしょう。

 

・アノール・ロンドについて考えよう

アノール・ロンドは火の時代を興した大王グウィンを中心として作られた都です。

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かつては栄華を極めた都だったのでしょうが、火が陰った『ダークソウル』の時代ではほとんどの神々はこの地を去り、残ったのは偽りの王女と暗月の神、狂気に飲まれた白竜くらいです。

『ダークソウル』において、我々選ばれし不死はアノール・ロンドへ至り、王女からグウィンの後継たる証「王の器」を授かり火継ぎを進めることとなります。

ここで、アノール・ロンドへ至るためには過酷な試練を乗り越える必要がありました。

 

・神に出会いたいアナタ必見 神への道のススメ

火継ぎのための王の器を得るために、選ばれし不死はアノール・ロンドへ向かう必要があります。

それに加え、小ロンドの王たちもアノール・ロンドのグウィン王に直接出会い王のソウルを分け与えられていました。
「アノール・ロンドへの道」とされる方法が2つあります。

1つ目は「センの古城の試練」。これは初代の『ダークソウル』において、プレイヤーがアノール・ロンドへ行く手段であり、馴染みのあるものです。

そしてもう1つが、「ウーラシールの試練」です。

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     試練の戦い

【臆病者の紫水晶

オンラインプレイ専用アイテム
「試練の戦い」から離脱する
(ホストが離脱するとセッションは解散する)

その戦いは古来アノール・ロンドへの道であり
既に管理者なく、その本分が失われた今でも
離脱するものは臆病者の誹りを免れない

故に、この紫水晶は軽々に使用すべきではない
仮りそめでも、戦いに意味を求めるならば

ウーラシールで行われる「試練の戦い」(2の「死合」や3の「不死の闘技」のようなもの)から離脱するためのアイテムが「臆病者の紫水晶」です。

テキストにあるように、かつて「試練の戦い」はアノール・ロンドへ至るための手段であったそうです。

以上より、アノール・ロンドへ行く手段としてセンの古城の試練試練の戦いの2つがあることがわかります。

さて、センの古城には守護者としてアイアンゴーレムがボスとして存在していますが、このゴーレムは神々によって作られていることがテキストからわかります。

 

【竜骨の拳】

センの古城の守護者として
アノール・ロンドを目指す英雄たちを屠ってきた
アイアンゴーレムのソウルから生まれた武器

神々は、古竜の大骨にソウルの魔力を融合し
もって強大なゴーレムの核としていたのだろう

 

多くの神々が去り、大王グウィンも居なくなってしまったアノール・ロンドですが、火継ぎの使命は引き継がなくてはいけません。

管理者が必要なウーラシールの試練に対して、管理が必要ないシステムとして作られたのがセンの古城の試練なのかもしれません。

 

ここまでは準備段階で、ここから今回書きたかったテーマです。

 

・混沌と、センの古城と、二つの鐘

『ダークソウル』でお馴染みのセンの古城によるアノール・ロンドへの道について考えてみましょう。

我々不死がアノール・ロンドへ向かう道筋は大体以下の通りです。

①上下にある二つの鐘を鳴らしてセンの古城への道を開く

②センの古城の試練を越える

③ゴーレムを討ち、蝙蝠羽のデーモンによってアノールロンドへ運ばれる。

 ここで「二つの鐘」について思い出してみます。

まず「上の鐘」は城下不死教区にある教会にあります。
この教会の鐘は「鐘のガーゴイル」によって守られています。

ガーゴイルの兜】

不死教会の鐘楼で目覚ましの鐘を守っていた
魔法生物ガーゴイルの兜

ガーゴイルの皮膚は元より硬く
この青銅の兜は装飾でしかなかった
高い防御力は期待できないだろう

 ガーゴイルはアノール・ロンドでも登場します。また、不死教会にあるエレベーターを見てみると、アノール・ロンドにもある紋章を見つけることができます。

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     不死教会のエレベーター

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     アノールロンドにある紋章

このことからわかるように、不死教会の設立にはアノール・ロンドが関わっていると推測されます。

センの古城にアノール・ロンドの神々が関わっていることから、不死教会にも神々が関わっていることは当然のように思えますが、ここでアンドレイの興味深いセリフを紹介します。

ここは古い教会だ

あんたの通ってきた不死教会は、ここを棄てて建てられたんだ

だから、ってわけでもないが、ここは2つの古い禁域につながってるセンの古城と、黒い森の庭だ

どっちも、まともな奴が訪れる場所じゃあない 

(アストラの鍛冶屋アンドレイ)

 アンドレイの居る場所は不死教会よりも古い教会で、それ故に古い禁域に繋がっているそうです。セリフの解釈にも依りますが、
「センの古城は不死教会よりも古い建物である」
と捉えることができます。

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     センの古城に繋がる廃教会

鐘がセンの古城より後に設置された物ならば、門を開いて古城に入るシステムは後付けで作られたものだと考えることができます。

では誰がこの後付けされたセンの古城システムに関わっているのでしょうか。
まず少なくとも、グウィンドリンと世界蛇フラムトが関わっていることは確かでしょう。

お願いです

大王グウィンの後継として、世界の火を継いでください

そうすれば、人の世の夜も終わり
不死の現れもなくなるでしょう

世界の蛇、王の探索者フラムトが、貴方を導いてくれるはずです

(太陽の王女グウィネヴィア)

 グウィンドリンの作り出した幻影であるグウィネヴィアがフラムトの名を挙げ、不死の使命を伝えています。グウィンドリンは大王グウィンの遺志を継ぐため純粋にこのシステムを利用しているのでしょうが、このシステムを有効に活用しているアノール・ロンドに残るもう一柱の神が居ます。グウィンの盟友にして、書庫を与えられ狂気に落ちた白竜シースです。

センの古城にはシースの生み出した蛇人がうごめき、管理をしています。

【籠牢の鍵】

センの古城に吊るされた籠牢の鍵

古城を守る蛇人たちは、無謀にも試練に挑み
力尽きた者たちをすぐには殺さない
彼らは籠牢に囚われ、蛇人たちが忘れなければ
やがてどこかに連れて行かれるのだ

 また、鐘のある不死教会にもシースの手が伸びています。

【伝道者の聖衣】

白竜シースに仕える魔術師たち、伝道者の篭手
彼らは狂気の後もシースの元にあり続け
ときに各地に赴き、動けぬシースの手足となった
故に伝道者は「人さらい」とも呼ばれる

魔術師の防具としては最も重く
また魔法の力を秘めている 

 不死教会には六目の伝道者が登場します。

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     不死教会の人さらい視点

さらに、巨人墓地で救出し不死教会に移動したソルロンドの聖女レアは、条件を満たすとシースの拠点である公爵の書庫の牢屋に移動し亡者化しています。

シースが聖女を閉じ込め、実験を行っていたことは書庫塔大牢屋の鍵のテキストからわかります。

【書庫塔大牢屋の鍵】

公爵の書庫塔の底にある大牢屋の鍵

かつて多くの聖女を閉じ込めた大牢屋は
今はガランとし、重要な囚人だけが閉じ込められる
鼻先に大量の落とし子が蠢くその場所では
常人が長く正気を保つのは難しいだろう

 シースの手足であり、「人さらい」とも呼ばれる伝道者が聖女をさらっていたと考えられます。

さらに付け加えるならば、鐘を守る「鐘のガーゴイル」は魔法生物と明言されており、シースの被造物であると言うこともできるかもしれません。(魔法生物をすべてシースの被造物と決めつけられる根拠はないので、ここはみなさんの解釈にお任せします。)

不死教会がセンの古城よりも後に作られたこと、不死教会ではシースの手下や被造物が残っていることをまとめると、鐘を鳴らすシステムの設計にはシースが深く関わっていると考えることができます。

 

次に、「下の鐘」について考えます。

「下の鐘」のある遺跡はクラーグの住処に飲み込まれ、廃墟と化しています。
「上の鐘」から不死教会とセンの古城の設立の時系列を考えましたが、今度は「下の鐘」から混沌と下の鐘の遺跡の時間関係を整理したいと思います。

まず決定的となる情報が建物の繋がりです。

①下の鐘のある建築物はデーモン遺跡とエレベーターで繋がっている。

②この建築物は蜘蛛の巣に覆われ廃墟となっている。

まず①について、デーモンの炎司祭を撃破した後、遺跡の先のエレベーターに乗ると、そこは病み村の鐘のある遺跡に繋がります。

さらに②について、たまご背負いエンジーのセリフや遺跡の状況を考えると、混沌に飲まれ下半身がデーモンと化したこの遺跡に逃げ込んだことがわかります。

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     蜘蛛の巣に呑まれた下の鐘の遺跡

これらのことから、下の鐘が作られた時期はイザリスが崩壊する前、つまり混沌に飲まれる前だと考えられます。

 「上の鐘」と「下の鐘」が同時期に作られたと仮定すると、センの古城を使ったシースの計画は、混沌の発生より前に始まっていたと考えられます。

さて混沌の発生、つまりデーモンの発生がセンの古城のシステムより後だとすると、一つ矛盾が生じます。

まとめると、

A:二つの鐘は混沌以前に作られた。

B:センの古城からアノールロンドへ不死を運ぶのは蝙蝠羽のデーモン。

 この2つが同時に満たされることが無いことは明らかです。つまり、

Aからは「センの古城システムは混沌以前」だと言え、

Bからは「センの古城システムは混沌以後」と言えます。

この矛盾点の解決案として、自分は以下のように考えました。

「センの古城システムの当初の運び手はデーモンではなかった」

もし、元々は蝙蝠羽のデーモンではなく別の「何者か」が運び手を担っていたならば矛盾点を解決できます。ロードランからアノール・ロンドへ運ぶことは六目の伝道者も行っているはずなので、そこまで困難ではないのかもしれません。

ガーゴイルから運ばれる場所には、黄色く光った「光の輪」が発生します。
この「光の輪」は、オンラインプレイで他者が奇跡を使った場所に現れる白い輪イカリングの色違いです。これは本当に妄想の域を出ませんが、『ダークソウル3』のエンマのように、他者を直接アノール・ロンドへ召喚する奇跡のようなものがあり、この「光の輪」はそういった奇跡の名残なのかもしれません。

ちなみに、『ダークソウル3』のアイテム"勅使の小環旗"より、デーモンが生まれる遥か昔に作られたであろう輪の都にも「運び手」がいるはずなので、デーモンでない神の使いの「運び手」が居たと考えるのは自然です。

【勅使の小環旗】

古く大王グウィンの勅使が用いた小環旗

輪の岩壁を臨み掲げれば、運び手がやってくる

大王は、闇の魂を得た小人に
最果てに閉ざされた輪の都と
愛しい末娘を贈ったという

いつか迎えをよこすと約して

(追記) Twitterのリプライで教えていただいたこと。

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センの古城のアイアンゴーレムと戦闘する場所では、アノールロンドに繋がっていたであろう門が塞がれています。

かつてアイアンゴーレムに勝利したものは、直接アノールロンドへ渡ることができていたのかもしれません。

 

以上のことをまとめると、

ウーラシールの試練⇒センの古城の試練⇒2つの鐘制作(シースが関わる?)⇒混沌、デーモンの発生

という時系列になると考えられます。

・アルトリウスについて考えよう

次は、アルトリウスを通しての時系列です。

【アルトリウスの大剣】

「深淵歩き」の騎士アルトリウスの墓守
灰色の大狼シフのソウルから生まれた大剣

アルトリウスはダークレイスの狩人であり
その剣もまた闇の眷属に大きな威力を発揮する

 アルトリウスの伝説には不正確なものが多いですが、「アルトリウスはダークレイスの狩人」という文言を信じて以下は突き進んでいきます。

【赤い瞳のオーブ】

オンラインプレイ専用アイテム
他の世界に侵入する
(誓約者のみが使用でき、亡者では使用できない)

侵入先の世界で、世界の主を倒せば
人間性を得ることができる

カアスに唆された、ダークレイスたちの業
彼らは人間性を求め、さらなる闇に堕ちていく
あるいは、それこそが本来の人であろうか

 ダークレイスは世界蛇カアスによって力を与えられた四人の公王に仕える騎士たちのことです。アルトリウスがダークレイスの狩人であったならば、彼は小ロンドが闇に堕ちた時点ではまだ活動していたと言えます。

小ロンドの封印者イングウァードのセリフを確認します。

わしも、多くを知っているわけではないのだが・・・

ただ、かつて騎士アルトリウスは
深淵を歩き、ダークレイスを狩ったという

(癒し手イングウァード)

 封印者のイングウァードが知らないのであれば、アルトリウスは直接封印には立ち会ってはいなかったのでしょう。

ダークレイスは、人と、ソウルで生きる全ての敵じゃ

もう二度と、この世に放ってはならんのじゃと・・・

(癒し手イングウァード)

 かつてダークレイスが世を脅かした際に狩人として活躍したのがアルトリウスだったのかもしれません。

最終的にアルトリウスはウーラシールで倒れるため、小ロンドの崩壊はウーラシールの崩壊よりも前のこととなります。

つまり、四人の公王がグウィンに出会い王のソウルに出会ったのはウーラシールがまだ平和だった時代であると分かります。

上で述べたセンの古城とウーラシールの試練の時系列を考えると、四人の公王はウーラシールの試練を越えて神への謁見を許された人なのかもしれません。(4対1はズルだろ)

以上から、小ロンドの崩壊はウーラシールの崩壊よりも古い出来事であったという解釈できます。
「アルトリウスの伝説は全てウソ!」とみなすことも出来ますが、今まで自分は思考停止で「ウーラシール⇒小ロンド」という時系列で考えていたので、テキストを見直すことで異なった解釈をできたのは面白かったです。

「解呪」という神の業や、大量の水による封印、雷を放つ赤子や青い炎など、小ロンドには掘り下げるべきテーマがまだまだ眠っているので、今後も調べてみたいと思います。

 

・輪の都とウーラシールについて考えよう

輪の都にはある国からの使節団が来ていました。

【古めかしい平服】

古い魔術の国の平服
黄金の飾りは僅かな魔力を帯びているが
本来、戦いのための装束ではない

遥か昔、ある使節団が輪の都を訪ねたとき
唯一残った若者が
記録上最後の、教会の槍になったという

「古い魔術の国」「黄金の飾り」から推測されるように、この使節団はウーラシールであると予測されます。この使節団の一人、ハーフライトが記録上最後の教会の槍となりました。

ウーラシールの事実を知っている我々からすると、「記録上最後」という文言も、この使節団以降にウーラシールの崩壊が起き、輪の都との交流が絶たれてしまったのではないかと考えることができます。

さて、輪の都にあるウーラシールの足跡のなかで、興味深いものがあります。

この白い木です。

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この白い木はロスリック各地に存在し、木の付近では「幼い白枝」を拾うことができます。

【幼い白枝】

まだ幼い白皮の木の枝

場所にふさわしい何かに変身する

宵闇の少女がはじめて手にした魔術の杖は
やがて苗木となり、三本の白い木になった
今もその幼い枝には、彼女の悪戯が宿るという

白い木は宵闇の少女が残した枝が成長したものだそうです。
では輪の都の木も、もとは宵闇の枝だったのでしょうか。

私の故郷、ウーラシールは、私の時代でも、既に亡んでいました

だから、やっぱり私は一人で・・・

(ウーラシールの宵闇)

宵闇は「もう既に亡んでいた」と言っているので、輪の都への使節団に宵闇が居たと考えるのは不自然です。

白枝はやがて3本の木となったと書かれていますが、ロスリックでは「不死街」「深みの聖堂」「ファランの城塞」の本編エリアで既に3本が確認されています。

宵闇が使節団にいたとは考えられませんが、なぜ輪の都に白い木があるのでしょうか。

ここで、ウーラシールの崩壊の原因となったマヌスを思い出してみます。彼は古い人の魔術師でした。
彼は宵闇を深淵の穴に捕え、さらに割れたペンダントを持つ主人公を過去に引き摺り込みます。割れたペンダントはとても古いものであり、マヌスの時代にゆかりのあるものだと想像できますが、なぜ直接面識がないであろう宵闇は捕えられてしまったのでしょうか。

ここで宵闇の装備品のテキストを確認してみます。

【宵闇の頭冠】

ウーラシールの姫君たる宵闇に
誕生と共に与えられた、特別な魔法の頭冠

装備者はすべての魔法に祝福され
魔法の威力、効果は高まるが
魔法によるダメージも大きくなる

宵闇はウーラシールの姫君であり、その誕生と共に指冠と頭冠は贈られました。

ここからは多分に希望が含まれますが、

この二つの品は宵闇のための品ではなく「ウーラシールの姫君」のための品であると読み取れます。

強引に捉え方を変えて、「ウーラシールの姫君」に与えられる名前こそ「宵闇」であり、頭冠や指冠は代々姫君に引き継がれている物と解釈できます。(ゼルダ姫みたいなイメージ)

そう考えることで嬉しいことは、輪の都に白枝を残したのは宵闇であり、ロスリックの各地に残したのも宵闇、同一人物ではないが同様にウーラシールの姫君であったなら矛盾なく自然に考えることができます。(”三本の木”には矛盾しますが...)

・・・以前、深淵の化け物に襲われた話をいたしましたが

その時、私は気を失くしていて・・・
でも、ひとつだけ、覚えている感情があるんです

強く、懐かしむ感情・・・
戻らない幸福と、その思い出の品・・・それを求める思い・・・

(ウーラシールの宵闇)

また、本来赤の他人であるはずのマヌスが宵闇を捕まえ、彼女に対し懐かしむ感情を持っていたのは、もしかすると彼の知る彼の時代に同じ装束を着た宵闇が居たからではないでしょうか。

 輪の都の白い木に色々理由をこじ付けたかっただけではありますが、かつての古い使節団がマヌスの生きていたレベルの古い時代だったのかもしれないと思うと、妄想が膨らんで楽しいですね。

 

・グウィンと黒騎士について考えよう

最後のテーマです。グウィンの火継ぎは一体いつのタイミングだったのでしょうか。

まず単純に、グウィンの火継ぎが二つの鐘の作られる以前であることは確実でしょう。

グウィンが火継ぎに旅立った際、彼の騎士たちは二つに分かれました。
幻の王女を護る銀騎士とグウィンを追った黒騎士です。

火継ぎに飲み込まれ灰となってさまよっている黒騎士たちはデーモンと戦っていたという記録もあります。

【黒騎士の大剣】

ロードランをさまよう黒の騎士たちの大剣
混沌のデーモンと対峙するための武器

大きな動きから体重をのせた攻撃は
かつての彼らの敵の強大さからくるものだ

 今までの議論からすると、少し疑問が生まれます。

二つの鐘建築 ⇒ 混沌発生

と考えていたので、グウィンの火継ぎも考えると、

グウィンの火継ぎ ⇒ 二つの鐘建築 ⇒ 混沌発生

 となります。混沌、デーモンの発生がグウィンの火継ぎ以降ならば、誰の指示で黒騎士はデーモンと戦っていたのでしょうか。

個人的な考えですが、黒騎士はグウィンの火継ぎに付いていくほどですから、相当なグウィンの信奉者であると認識しています。そのため、黒騎士のデーモン狩りもグウィンの指示によるものと考えていましたが、上の考え方では成り立ちません。

『ダークソウル3』において、燻りの湖にはデーモン遺跡に向けられた巨大なバリスタと巨人奴隷の遺体があります。

デーモンではなく、砂ワームを退治するためのバリスタかもしれませんが、これに関してはテキストも無いのでわかりません。もしも神々の奴隷である巨人もデーモン狩りに参加していたのならば、黒騎士だけの行動ではなく、アノール・ロンドの神の命だったのかもしれません。

アノール・ロンドには蝙蝠羽のデーモンが、北の不死院にもデーモンがおり神はデーモンを支配したかったのかもしれません。

語尾が「かもしれません」まみれになってきたのでこのテーマはここで終えておきます。

 

・おまけ 太陽の長子の家出

 愚かさ故に神を追われた太陽の長子が、アノール・ロンドを去ったタイミングはいつ頃か少し考えてみます。

【太陽の光の剣】

かつて太陽の長子が振るった奇跡
右手の武器を太陽の光の力で強化する

太陽の光の力とは、すなわち雷であり
特に竜族には、大きな威力を発揮するだろう

空っぽの大王の棺に備えられたそれは
神を追われた彼の、別れの言葉だったろうか

 実質の死を意味する火継ぎに対して作られたのがこの棺なら、長子の別れはグウィンの火継ぎ以降であることがわかります。

『ダークソウル3』では竜狩りの戦神であった無名の王は竜と仲良しだったそうですが、アノール・ロンドに残った神で竜好きを追い出したい者といえば、やっぱり白竜くんですかねぇ。(こいつまたシースのせいにしてますよ)

 

 ・まとめます!

だらだらと書いてきたので、ここらで考えてきた時系列をまとめたいと思います。

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一応、上から順に時系列で書いています。細かい時間の前後(火継ぎのタイミングやセンの古城の開始タイミングなど)は有りますが、今回整理した時系列は一通りまとめています。

デーモンや黒騎士などは直観とは異なる結論を炙り出せたので、一度落ち着いて整理した意味はあったと思います。

テキストの根拠が少なく、仮定が多くなってしまい細長く脆い考察になってしまったので、より自然な時系列の解釈も沢山あると思います。

 

・おわりに

今回整理して得られたことをまとめると、

①やっぱり大体シースのせいかもしれない

②デーモンと混沌周りは時間の前後関係が複雑である

③黒騎士の行動目的は思った以上に複雑かもしれない

 元々一筋縄ではなかったものが、さらに謎を深める結果となってしまいましたが、まあそんなものでしょう。

グラッグラな組み立ての考察ですが、広い時間軸で記事を書いたこともなかったので楽しかったです。

終わり!

 

7/28 追記

こんにちは。久々に書きます。
といっても新しい記事ではなく、追記という形になります。
上の文章ではダークソウル(無印中心)の時系列をできるだけ整理してみようという試みで書いています。暇だったら読んでください。

今回はこの時系列に関して、少し考え直さないといけない結果が得られたため報告します。

今回追記をすることになったきっかけは、友人とウーラシールの決闘でワチャワチャ遊んでいた時のこと。

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「この銀騎士像センの古城にもあったよなあ。」

いままでこの銀騎士像を特に気にしていなかったのですが、ウーラシールの決闘の舞台を見まわしてみると、センの古城と全く同じ造りをしていることが分かりました。

まず共通点として特徴的なのは、茶色いレンガ造りであることが挙げられます。
ウーラシールで見られる建築とは異なり、センの古城と類似した建築になっています。

 


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さらには、上の画像で示した”ガーゴイル像”も共通しています。
(左がウーラシールの決闘、右はセンの古城のアイアンゴーレム部屋)
この像が具体的に何を表しているかを考えることはここでは控えますが、センの古城ととの分かりやすい共通点の一つです。

 


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さらに細かいことになりますが、上の画像で示した、柱や壁に共通してみられる紋章がどちらのエリアでも確認できました。

以上のことから推測されることは、

ウーラシールの決闘とセンの古城は同時期に作られたものである

という可能性です。

どちらも「神への道」という共通点はあったため、今回のような類似した点が発見できたことは嬉しいのですが、センの古城が作られた時期はウーラシールよりも後だと考えていたので、修正が必要になりました。

 つまり、管理者が必要であるウーラシールの決闘と、奴隷巨人で動かしているセンの古城は同時期に作られており、ウーラシール決闘の管理者は失われその機能を失い、センの古城とアノール・ロンドを繋ぐ門は埋められた。

そして混沌とデーモンが生まれたときアノール・ロンドへの道は再び繋がり、神の火継ぎの悲願と白竜の野心が動き出す...

ウーラシールの決闘とセンの古城をどのように使い分けていたのかは分かりませんが、開発時は黒い森の庭はアノール・ロンドにあったらしいので、
センの古城が予選、ウーラシールの決闘が決勝戦のような意味合いだったのかもしれませんね。

※「クリスタルゴーレムが森にいるのは、そこがアノール・ロンドにあった名残」というラジオで発言していた没ネタを元にした推測ですので、ここは話半分で...