【エルデンリング】デミゴッドは植物生命体?【考察】
今回もネタバレ注意です。よろしくお願いします。
マリカとラダゴンの子供たち
前回の記事で、「マリカとラダゴンは同一個体であり、男性性と女性性を同時に持った植物のような生命ではないか」と仮定をしました。
マリカとラダゴンの子であると明文されているミケラとマレニアは、ただ一人の神の子と言われ、マリカ=ラダゴンの自家受精的繁殖で産まれたと考えられます。
話は変わりますが、動物にはオスとメスという性別があるのが一般的です。しかし魚やカタツムリなど、一部の動物は男性器と女性器を持ち性別を切り替えられる種類も存在します。
動物から植物に目を向けると、雌雄同株の種は比較的多く、一つの花には雌しべと雄しべが同居した自身で受粉を行い繁殖する個体がいます。自家受粉は虫や風に花粉を運んでもらう必要がないというメリットがありますが、近親での交配により遺伝的多様性が失われるため、特定の病気に弱くなるなど虚弱な個体が生まれやすくなることがあります。
さて、自家受精的に産まれたと仮定したミケラとマレニアですが、彼女たちの生もまた脆弱なものでした。
ミケラは永遠に幼く、マレニアはその血に腐敗を宿しています。
マレニアの腐敗とその原因については、別の機会に書きたいと考えています。
デミゴッドの性別
次に、デミゴッドたちの性別について考えます。マリカ=ラダゴンは同一であり、性別を切り替えられる存在でありますが、その子供たちのデミゴッドはどうでしょうか。
マレニアは女神と呼ばれているため女性であると考えられますが、その双子のミケラに関しては性別が不詳です。
デミゴッドの一人であるモーグは、ミケラを伴侶とし王となる野心を掲げていました。さらにミケラはマレニア、ラニと共に女王マリカを継ぐ候補に選ばれていました。
これらのことから、ミケラは女性であると推測できます。
しかし、ミケラの双子であるマレニアは彼女のことを「兄さま」と呼んでいます。
女性かと思われたミケラですが、男性である可能性も出てきました。ミケラの性別を考える上で、一度聖女トリーナという人物について情報を整理します。
聖女トリーナは、ミケラとは直接の繋がりはありませんが共通項が多数存在する人物です。
共通項1:スイレン
どちらもスイレンにその名前が挙げられており、わずかな関連がみられます。
共通項2:人の意識に作用
もう一つの共通点として、このスイレンを用いて製作されるアイテムがどれも「人間の意識に作用するもの」であることが挙げられます。
トリーナのスイレンで製作されるものは主に、眠り脂や骨の眠り矢などの睡眠状態異常を引き起こすアイテムです。
一方、ミケラのスイレンで製作できるアイテムの「誘惑の枝」はFPを消費して敵を魅了させるアイテムです。
トリーナとミケラはそれぞれ、睡眠と魅了という人の意識に作用できる能力を持っていたようです。
共通項3:恐ろしい
上で載せた”マレニアの翼兜”のテキストを引用すると、
ミケラこそ もっとも恐ろしい神人なのだから
といった記述が確認できます。
実はトリーナにも”恐ろしい”というキーワードが使われています。
トリーナの灯火のテキスト曰く、この松明に刻まれるトリーナの姿はどこか恐ろしいそうです。
小さなことではありますが、ミケラとトリーナには共通したキーワードがいくつか存在しました。これらを踏まえて、直剣”トリーナの剣”のテキストを確認します。
儚い少女であるといい、少年であるといい
トリーナは聖女と呼ばれていますが、その性別は曖昧で、少女であり少年であったそうです。トリーナと共通項の多いミケラもまた、性別が不明瞭でした。
ここから、ミケラの性別も、”男女どちらか”ではなく”男女どちらでもあった”といった解釈も許されるのではないでしょうか。親のマリカがラダゴンであったように。
デミゴッドの接ぎ木
最後に、デミゴッドのひとりゴドリックの不思議なパワーについて触れておきます。
彼は接ぎ木のゴドリックと呼ばれ、人間やトロルの体の一部を自身に付け加えるおぞましい行為をおこなっています。
接ぎ木とは、異なる種類の植物の切断面を人為的に繋げることで病気や環境に強くする技術で、リンゴやトマトなど様々な作物で行われています。
ゴドリックもまた、竜の首と自身の左腕を切断し接ぎ木をおこなっています。
この接ぎ木の行為はゴドリックのみならず、封牢に封じられたゴドフロアや接ぎ木の貴公子といったその他のデミゴッド(おそらく)にも行われています。
このように、一部のデミゴッドたちは植物に特有の接ぎ木を行うことのできる生命体だと考えられます。
まとめ
マリカ=ラダゴンやその子供のミケラの性別を調べることで、彼らは雌雄を同時に持つ生命であると推測できました。
また、マリカの子供たちであるデミゴッドの一部は植物に特有の接ぎ木を行い、他種の生命の力を得ていました。
黄金樹が律である狭間の地では、そこに生きる生命も、あたかも植物のような性質を持つのかもしれません。
ダークソウル3では変えられなかったプレイヤーの性別が簡単に(鏡を見るだけで!)変えられるので、褪せ人もなかなか変な生き物だ!
気になるけどまとまっていない話
黄金樹の生命に関して少し気になる話。
黄金樹の始まりにおいて生命は坩堝(るつぼ:金属を溶かすつぼ)であったといったテキストがあります。エルデンリング内ではおそらく、この坩堝というワードを「複数の生命が溶けて混ざり合った様相」というニュアンスで使用しているのではないでしょうか。
原初では熱く溶けて混ざり合った生命が冷えてそれぞれに分化していく。
それゆえ生命の原初に近い坩堝の騎士は、人型でありながら翼や喉袋、尻尾を出現させます。また、坩堝の禁忌に触れたとされる混種の戦士は、半獣半人のようなキメラの姿をしています。
全て溶けて混ざり合った坩堝から生き物が分かれていったのであれば、元は同じ、性別や種族の違いなど曖昧なものに過ぎないのかもしれません。