【エルデンリング】みんな火の玉から生まれた 〜 狭間の地進化論 〜 【考察】
今回考えるのは、狭間の地における生き物たちについてです。
ゲーム外の情報(いわゆるモチーフの探索)を沢山使用しています。
「こんな解釈も面白いかも?」くらいの感覚で楽しんでください。
前回の記事では、エルデンリングには繁殖や遺伝子についての設定もあるのではないか?というお話をしました。
今回の記事も、エルデンリングの生き物と進化に関するものについて書きたいと思います。
続きを読む【エルデンリング】二本指と三本指とメスザリガニ【考察】
エルデンリングで謎の多い、二本指・三本指に関する一つの面白そうな解釈を提示したいと思います。
続きを読む【エルデンリング】 メリナの目の色 【殴り書き】
エルデンリングの目の色について、気になることをメモ。
メリナの右眼について
メリナの髪は赤く、右目は金色である。メリナを生存させ狂い火ENDに到達した場合、メリナの髪は黒くなり右目の光は褪せている。
メリナの左眼 - 青色
【エルデンリング】ミケラのメモ 【殴り書き】
ミケラについて忘れそうなことをメモ。
ミケラは他人に愛するを強いることができる。
モーグはもちろん、マレニアもミケラの術で虜にされていそう。
”マレニアの翼兜”の「兄さまが、約束を違えるはずがない」なんて特に怪しい。
オープニング映像的に、破砕戦争中にミケラはモーグに連れ出され、その間絶賛マレニアはラダーンと戦闘中だったのかも。そもそもモーグはマレニアに勝てなさそう。
そしてゴッドウィンとミケラの関係も想像以上に興味深い。
…申し訳ありませぬ、ミケラ様
まだ、太陽は蝕まれませぬ。我らの祈りが弱いばかりに
貴方の友は、魂無きままなのです…
…もう、見ることは叶わないでしょう
貴方の聖樹を
ソールの砦の霊体が、ミケラとゴッドウィン(貴方の友は、魂なきままなのです)が友人であったことを教えてくれる。
ゴッドウィンを弔う墓標剣”黄金の墓標”には少年の祈りが込められている「兄様、兄様、正しく死んでくださいな」
ゴッドウィンを兄様と呼ぶこの少年は何者か、その戦技を撃つと正体のヒントを得られる。
この戦技を発動したときの紋章はミケラを表すものである。ミケラとゴッドウィンに繋がりがあったことは確かなようだ。死に生きる者たちに効果のあるこの剣が、死に生きる者になってしまったゴッドウィンへの弔い。
ところで黄金律原理主義は死に生きる者たちと敵対している、NPCではDとフィアのように。ミケラが死に生きる者に対する剣を弔いに使っているので、かつては黄金律原理主義側であった。
しかしマレニアの腐敗に意味がないからか、原理主義を捨てて無垢金でどうにかしようとし始めたらしい。つまりはゴッドウィンの死後?
ソール砦の霊体の話に戻れば...
蝕まれ、色をなくした太陽とミケラの聖樹にどういった関連があるかは疑問。触の太陽は魂なきデミゴッドを運命の死から遠ざける守護星らしい(蝕紋の大盾より)。
そもそもこの世界における太陽とはどんな意味を持つのだろう?
ダークソウルでは、太陽とはエルデンリングでいう「律」そのものだろう。太陽と生命が直結しており、太陽が元気ないと生命もボロボロ。ダークソウルにおける太陽はエルデンリングでは黄金樹に置き換わっている。
ゴッドウィンは魂を殺されて死王子となったようだが、死の状態異常を持つ炎は生前から持っていたのだろうか。
火の釜の麓で死んでいる巨人はマリカやゴッドフレイ軍との戦闘に敗れたものだと考えられるが、その遺体は腹をイバラのようなもので貫かれており、プレイヤーが呪死した際の姿と酷似している。巨人殺しに死の力を使っていたのはゴッドウィンか?
そもそもラニがゴッドウィンの魂を殺したことが謎だったが、ゴッドウィンを利用して女王後継者のミケラが何か企んでいたのかもしれない。
死王子の力と関連して…
神狩りの黒炎、死王子の炎、マリケスの運命の死。これらが近いような遠いような、難しい。死王子の炎と運命の死の力は聖属性だが、神狩りの黒炎は炎属性で異なる。
マリケスの運命の死と神狩りの黒炎も無関係ではないようで
黒炎とは、すなわち神狩りの炎であった
しかし、マリケスが運命の死を封じた時
その力は失われた
黒炎も、死のルーンに由来した力を利用していたのかもしれない。効果の面でも、被弾時にスリップダメージを受けるあたり似ている。
ラニのイベントでは、ノクローンの秘宝を用いて大いなる意志に背くことになる。
それが原因なのか、ラニのイベント以降、ラニの塔前やイジーの前には黒き刃が何体か倒れている。
イジーは黒き刃に敗れたものと推測されるが、その遺体は黒い炎に包まれており、死のルーンの力とは別のように見える。
黒炎と宵眼の女王は、また掘り下げると面白そうなので調べたい。
【エルデンリング】デミゴッドは植物生命体?【考察】
今回もネタバレ注意です。よろしくお願いします。
マリカとラダゴンの子供たち
前回の記事で、「マリカとラダゴンは同一個体であり、男性性と女性性を同時に持った植物のような生命ではないか」と仮定をしました。
マリカとラダゴンの子であると明文されているミケラとマレニアは、ただ一人の神の子と言われ、マリカ=ラダゴンの自家受精的繁殖で産まれたと考えられます。
話は変わりますが、動物にはオスとメスという性別があるのが一般的です。しかし魚やカタツムリなど、一部の動物は男性器と女性器を持ち性別を切り替えられる種類も存在します。
動物から植物に目を向けると、雌雄同株の種は比較的多く、一つの花には雌しべと雄しべが同居した自身で受粉を行い繁殖する個体がいます。自家受粉は虫や風に花粉を運んでもらう必要がないというメリットがありますが、近親での交配により遺伝的多様性が失われるため、特定の病気に弱くなるなど虚弱な個体が生まれやすくなることがあります。
さて、自家受精的に産まれたと仮定したミケラとマレニアですが、彼女たちの生もまた脆弱なものでした。
ミケラは永遠に幼く、マレニアはその血に腐敗を宿しています。
マレニアの腐敗とその原因については、別の機会に書きたいと考えています。
デミゴッドの性別
次に、デミゴッドたちの性別について考えます。マリカ=ラダゴンは同一であり、性別を切り替えられる存在でありますが、その子供たちのデミゴッドはどうでしょうか。
マレニアは女神と呼ばれているため女性であると考えられますが、その双子のミケラに関しては性別が不詳です。
デミゴッドの一人であるモーグは、ミケラを伴侶とし王となる野心を掲げていました。さらにミケラはマレニア、ラニと共に女王マリカを継ぐ候補に選ばれていました。
これらのことから、ミケラは女性であると推測できます。
しかし、ミケラの双子であるマレニアは彼女のことを「兄さま」と呼んでいます。
女性かと思われたミケラですが、男性である可能性も出てきました。ミケラの性別を考える上で、一度聖女トリーナという人物について情報を整理します。
聖女トリーナは、ミケラとは直接の繋がりはありませんが共通項が多数存在する人物です。
共通項1:スイレン
どちらもスイレンにその名前が挙げられており、わずかな関連がみられます。
共通項2:人の意識に作用
もう一つの共通点として、このスイレンを用いて製作されるアイテムがどれも「人間の意識に作用するもの」であることが挙げられます。
トリーナのスイレンで製作されるものは主に、眠り脂や骨の眠り矢などの睡眠状態異常を引き起こすアイテムです。
一方、ミケラのスイレンで製作できるアイテムの「誘惑の枝」はFPを消費して敵を魅了させるアイテムです。
トリーナとミケラはそれぞれ、睡眠と魅了という人の意識に作用できる能力を持っていたようです。
共通項3:恐ろしい
上で載せた”マレニアの翼兜”のテキストを引用すると、
ミケラこそ もっとも恐ろしい神人なのだから
といった記述が確認できます。
実はトリーナにも”恐ろしい”というキーワードが使われています。
トリーナの灯火のテキスト曰く、この松明に刻まれるトリーナの姿はどこか恐ろしいそうです。
小さなことではありますが、ミケラとトリーナには共通したキーワードがいくつか存在しました。これらを踏まえて、直剣”トリーナの剣”のテキストを確認します。
儚い少女であるといい、少年であるといい
トリーナは聖女と呼ばれていますが、その性別は曖昧で、少女であり少年であったそうです。トリーナと共通項の多いミケラもまた、性別が不明瞭でした。
ここから、ミケラの性別も、”男女どちらか”ではなく”男女どちらでもあった”といった解釈も許されるのではないでしょうか。親のマリカがラダゴンであったように。
デミゴッドの接ぎ木
最後に、デミゴッドのひとりゴドリックの不思議なパワーについて触れておきます。
彼は接ぎ木のゴドリックと呼ばれ、人間やトロルの体の一部を自身に付け加えるおぞましい行為をおこなっています。
接ぎ木とは、異なる種類の植物の切断面を人為的に繋げることで病気や環境に強くする技術で、リンゴやトマトなど様々な作物で行われています。
ゴドリックもまた、竜の首と自身の左腕を切断し接ぎ木をおこなっています。
この接ぎ木の行為はゴドリックのみならず、封牢に封じられたゴドフロアや接ぎ木の貴公子といったその他のデミゴッド(おそらく)にも行われています。
このように、一部のデミゴッドたちは植物に特有の接ぎ木を行うことのできる生命体だと考えられます。
まとめ
マリカ=ラダゴンやその子供のミケラの性別を調べることで、彼らは雌雄を同時に持つ生命であると推測できました。
また、マリカの子供たちであるデミゴッドの一部は植物に特有の接ぎ木を行い、他種の生命の力を得ていました。
黄金樹が律である狭間の地では、そこに生きる生命も、あたかも植物のような性質を持つのかもしれません。
ダークソウル3では変えられなかったプレイヤーの性別が簡単に(鏡を見るだけで!)変えられるので、褪せ人もなかなか変な生き物だ!
気になるけどまとまっていない話
黄金樹の生命に関して少し気になる話。
黄金樹の始まりにおいて生命は坩堝(るつぼ:金属を溶かすつぼ)であったといったテキストがあります。エルデンリング内ではおそらく、この坩堝というワードを「複数の生命が溶けて混ざり合った様相」というニュアンスで使用しているのではないでしょうか。
原初では熱く溶けて混ざり合った生命が冷えてそれぞれに分化していく。
それゆえ生命の原初に近い坩堝の騎士は、人型でありながら翼や喉袋、尻尾を出現させます。また、坩堝の禁忌に触れたとされる混種の戦士は、半獣半人のようなキメラの姿をしています。
全て溶けて混ざり合った坩堝から生き物が分かれていったのであれば、元は同じ、性別や種族の違いなど曖昧なものに過ぎないのかもしれません。
【ネタバレ注意】エルデンリング デミゴッド相関図【暫定】
エルデンリングの大ボスたちであるデミゴッドたちの相関が気になったため纏めたいと思います。
筆者はクリア・トロコン済みです。ネタバレ満載の内容となりますのでご注意ください。
また、確認しきれていないテキストも多数あるため、暫定の自分的相関図となります。
ーー以下ネタバレ注意ーー
相関が気になった人物たちをまず列挙します。
- 女王マリカ
- 黄金律ラダゴン
- 最初の王ゴッドフレイ
- 忌み鬼マルギット(モーゴット)
- 血の君主モーグ
- 欠け身のマレニア
- 聖樹のミケラ
- 星砕きラダーン
- 法務官ライカード
- 月の王女ラニ
- カーリアの女王レナラ
- 死王子ゴッドウィン
- 接ぎ木のゴドリック
- 産まれなきもの (琥珀のタマゴ)
以上の14名について、暫定の、ざっくりとした家系図を下に示しました。
クエスチョンマークで書いているところは、テキストによる確証を得ていない推測のものです。
まず、デミゴッドの定義を確認します。
エルデンリングの公式サイトのプロローグにて、
女王マリカの血を受けた子供たち、デミゴッドたちは、
エルデンリングの破片たる大ルーンを手にし、
その力に狂い、歪み、破砕戦争を引き起こし…
と書かれており、シンプルにマリカの子供たちがデミゴッドということで良いでしょう。
実際、デミゴッドのマレニアはマリカとラダゴンの子供です。
しかし、直接の子供ではない場合もデミゴッドとなる場合があります。
ラダゴンは初め、カーリアの女王のレナラの伴侶であり、ラダーンやライカードの親となっています(ラニはレナラの娘であることは確定)。
その後、マリカを第二の妻とした際に外戚としてレナラの子供たちのラダーンやライカードもデミゴッドとなりました。ラニがラダゴンの子供であったかは、自分が確認したテキストの範囲では定かではありませんが、レナラの娘としてデミゴッドに配されたのでしょう。 ロジェールに黒き刃の刻印を渡すイベントで、ラニがラダゴンとレナラの子供であり、ライカードとラダーンの兄妹であることが確認できます。
ラニの遺体を見ると、頭の部分に赤いものが付着しています。ラダゴンの子である証の赤髪の名残でしょうか。
黄金の一族について
そしてなかなか謎が多いのがゴッドフレイの子孫「黄金の一族」です。
”黄金の一族は、最初のデミゴッドであったのだ”という記述から、最初の王ゴッドフレイの子孫は女王マリカの子供たちだったと考えられます。
最後の王であるモーゴットは、大ルーンの記述より黄金の一族であることがわかります。ゴッドフレイ戦のムービーにて、ゴッドフレイがモーゴットを労わるシーンがあることから、黄金の一族の中でもかなり近縁の関係にあるのではないかと推測します。
ラダゴンの秘密
結びの教会にいる亀さん(名前忘れた)から、レナラとラダゴンについていろいろお話を聞くことができます。
亀さん曰く、マリカの二番目の伴侶であり二番目のエルデの王であるラダゴンには大きな秘密があるそうです。
その秘密は王都のラダゴン像に隠されています。
王都のラダゴン像に向かい、奇跡「回帰性原理」を使用すると、ラダゴン像がマリカ像へと変化します。そして”ラダゴンとはマリカである”のメッセージが現れます。
このメッセージをの解釈は困難ですが、私は
ラダゴンとマリカは雌雄同体の生命である
と解釈しました。
雌雄同体とは雌雄の生殖器を同一の体に備えていることを表し、ミミズやナメクジ、一部の植物などにみられます。
女王マリカはエルデンリングであり、エルデンリングは黄金樹であるならば、マリカという生物が植物と似た生殖を行なっていると考えることができます。
この生命(以下マリカ・ラダゴン)の女性的側面がマリカであり、英雄的男性的な側面がラダゴンとして現れたのだと考えています。
産まれなきものについて
産まれなかった琥珀のタマゴの持つ大ルーンが、マレニアと同じ形状を持つことから、マリカ・ラダゴンの子供だと推測すると、は琥珀でできたタマゴで繁殖する卵生の生命だと考えられます。
マリカ・ラダゴンが黄金樹であり雌雄同体の生命なら、そのタマゴが黄金樹の雫であっても不思議ではありません。
ミケラとマレニアについて
マレニアの追憶を確認すると、”ミケラとマレニアは、唯一人の神の子供”といった記述が確認できます(英語版では"children of a single god")。
マリカとラダゴンが同一人物であり、ただ一人の神が自家受精的な繁殖で生まれた双子がミケラとマレニアだと考えられます。
今回の記事は以上です。ゴッドフレイやミケラとモーグの関係など、沢山書きたいことはありますが、大変なので小出しで行きませう。
未知のテキストを探せばデミゴッドたちの関係性も明瞭になっていくと思うので、気付き次第加筆修正していくつもりです。
ありがとうございました。
[ネタバレ注意]シン・エヴァンゲリオンをみてきたオタクの吐露
エヴァンゲリオンの映画を観てきました。
家に帰ってパンフレットも開かずに書き始めています。
当然のようにネタバレ注意です。どうか読むならアニメ、旧劇場版、新劇場版を観てから観てください。
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まずはじめに、この記事はエヴァの考察ではありません。ただのオタクの戯言です。
ダークソウルも関係ありません。
私、アニメやゲームは大好きなのですが、中学生くらいでしょうか、アニメを見るようになり、エヴァンゲリオンもその時に観ました。いわばオタクの原体験の一つがエヴァンゲリオンでした。
少しグロテスクな描写や、神話から引用された単語、ボーイミーツガールから始まり心象的な表現が多く、世界が滅んでいくいわゆる「セカイ系」と呼ばれるような世界観に、中坊の私は心奪われました。当時学校では友人とエヴァンゲリオンについてよく議論して盛り上がっていたのを覚えています。カトリックの学校だったので旧約聖書を購入しており、ウキウキで創世記を読んでいた記憶があります。リビドーって言葉もエヴァで知ったかなあ。
難解なストーリーや演出に惹かれていたのも事実ですが、オタクとしてアスカもすごく好きだった記憶があります。陳腐な表現で済ましたら怒られそうだけど、ツンデレいいよね。
まあそんな自分語りは置いておいて。
シン・エヴァンゲリオンを観ました。
簡単な感想は、「創作物の作る呪縛とその解放」の作品。
なーんかカッコつけたこと言っていますが、エヴァンゲリオンの「真の」結末として素晴らしいものを観ました。
まず一つに、キャラクターの説明の多さ。
自分の気持ちや設定をはっきりセリフとして喋ってくれる、これだけでオタクはある意味「やることがなくなる」。長い物語の結末として、後引くようなことをしない、作中でも何度も言われる「ケジメ」としての作品。
そして次に、過去映像作品からの多くのパロディ。
まるで劇薬のような、旧劇場版のエヴァンゲリオンでの演出が、このシン・エヴァンゲリオンではキャラクターの成長とともに新しく生まれ変わっています。
「旧劇場版のあの時シンジはこうした」ことを我々は知っているしそれが好きだからエヴァが好きだった。
でも今回は違う、砂浜で強調されたセクシーさで横になるアスカに対して、シンジは自慰行為もしないし首を締めもしない。ただ「好きだった」とお別れをする。
また、キャラクター同志でカップルが生まれたことも作品へのケジメの一つだろう。
綾波やアスカにどハマりした人たち、そんな人たちの「好き」という感情も解放してあげなければいけない。最終回発情期なんて呼ばれることもあるが、作品の一部であるキャラクターに対する気持ちにけりをつける大きなケジメだろう。
僕らはエヴァが「好きだった」。
私なんか、「まあエヴァは好きだけど公開日にみるほどでは〜」なんてほざき、好きであることを自覚していなかった。公開されて数日、急にネタバレが怖くなり急いで観に行った。
そして観て思った、「エヴァが大好きだったんだなあ」。
でもこれはお別れとケジメ、エヴァンゲリオンからの解放、いや、「創作物に囚われた呪いから解放する」作品である。
エヴァが大好きでのめり込んでいた人を解放しなければならない。
作中では何度も、現実世界を突きつけられた。原画がそのまま映像にされていたり、特撮のようなセットで戦うエヴァンゲリオン、撮影のためのビデオカメラ、スタジオで話すシンジ、人が声をあてていることを自覚させるシンジの声優の変更、そして最後の現実世界の空撮。新劇場版からの新キャラクターであるマリがシンジを救いだすのも、旧劇場の世界、エヴァの世界に囚われた我々を解放する新しい存在ということだったのかなあ、そんな風に思ってしまいました。
エヴァの世界観にのめり込んだ人、キャラクターにガチ恋した人、新作が生き甲斐だった人。視聴者も、創作者も、すべて現実世界の人間である。「現実を見ろ!」なんて厳しいメッセージでは無く、自分のオタクの原体験「空想のエヴァンゲリオンの世界」がシュワーっと現実に溶けていくような、「現実もみなきゃなあ」と自然と現実世界に引き戻してくれるような作品でした。
僕は創作物の呪いにかかった亡者なので、いまだに「ダークソウルの新作くれ!」と言っちゃうけどね。
さらば、全てのエヴァンゲリオン
ありがとう、全てのエヴァンゲリオン
あ、パンフレット読まなきゃー
【ダークソウル】ウーラシールの魔術と古い約束
ファランの城塞で登場する黄色指のヘイゼル。彼女は黄衣の探求者と呼ばれる、黄金の魔術を探すものたちの一人です。
【黄衣の外套】
黄色い衣の外套
その下には、真鍮のメダルが連なっている黄衣は、失われた魔術の探求者の装束であり
メダルの数はその成果の証である
それは彼らの誇りだ、誰に理解されなくとも
黄金の魔術とは、亡国ウーラシールに伝わる光を操る魔術であり、『照らす光』や『擬態』などがその一例です。
【照らす光】
古い黄金の魔術の国
ウーラシールの失われた魔術
光を生み、周囲を照らす光を生み出す、単純な魔術であるが
それこそ黄金の魔術の精粋であり
竜の学院は、ついにそれを実現できなかった
この黄金の魔術の国ウーラシールにはキノコ人と呼ばれる生物がおり、神聖な生き物とされていましたす。このキノコ人、無印ダークソウルでは黒い森の庭と大樹のうつろにて、敵対モブとして登場しますが、森の庭の個体のみ「黄金松脂」をドロップします。
【黄金松脂】(DARK SOULS 3)
黄金の光を放つとても珍しい松脂
中でも塊であるものは希少である一時的に、右手の武器を強化する
いまやその製法を知るものはおらず
ある種のキノコの樹脂であるともいう
なぜ森のキノコ人だけが黄金松脂をドロップするのでしょうか。
キノコは「木の子」と呼ばれているように、木に生えて育つのが一般的なキノコでしょう。森のキノコ人が黄金の力を手にしたのは、森の木に秘密があるのではないでしょうか。
実際、ウーラシールの森の木には特殊な力があるようです。
【白木の弓】
白皮の木で作られた短弓
光を操る魔術を帯びているそれは、深淵歩きの英雄譚でも知られる
深淵に飲まれた古い魔術の国の足跡である戦技は「見えない矢」
大きく引き絞り放たれた矢は
黄金の魔力を纏い、ほぼ透明となる
ウーラシールの木には黄金の魔力が宿っており、この木に根を張ったキノコが黄金の力を持つことは不思議ではありません。
ではそもそも何故、森の木に黄金の力が宿ったのでしょうか。
「そういう種類の木なんだよ」と言われてしまえばそれまででしょうが、それでは少しつまらない。
キノコが木から力を貰うように、木は地面に根を張って生きています。
それでは根を張った土に黄金の光の力があるでしょうか?
私の考えでは実は逆で、土に闇が多く染みこんだ場所、具体的に言えば人が多く眠る場所こそ、光の力を持つ木が育つのではないかと想定しています。
というのも、エリザベスがいるウーラシールの霊廟(=お墓)には白皮の木がたくさん生えており、エリザベスもその木の一つから生えています。
また、光の魔術を帯びたウーラシールの木には「白皮の木」という特徴があります。
白皮の木といえば、ダークソウル3で登場するアイテム「幼い白枝」はウーラシールおよびウーラシールの宵闇に関連するアイテムですが、これはダークソウル3のいくつかのポイントで拾得することができます。
「不死街」、「深みの聖堂」、「ファランの城塞」そして「輪の都」です。
白い木の生えている根本で「幼い白枝」を拾うことができます。不死街の巨人とのイベントを進めていれば大弓で助けてくれるあの場所です。
不死街と深みの聖堂は、お墓も多く、死体が地面から現れるほどの土地です。ファランの城塞は戦士が多く眠る場所であり、長老グルーがひとたび地面をつつけばそこには怨念がおんねん。輪の都では白皮の木は深淵の沼に生えています。闇吸い放題です。
どの場所も人が沢山眠り、闇が染み込んでいる土地です。黄金の魔術の謎は「土」にあったのだ!
黄金の魔術を求める黄衣の探索者ヘイゼルはそのことに気が付いていたのか、それとも偶然か、彼女の得物「ヘイゼルのつるはし」は土を掘り返すための道具「つるはし」でした。
【ヘイゼルのつるはし】
ロザリアの指にして黄衣の探求者
黄色指のヘイゼルの得物それは武器であると共に魔術の杖であり
こびり付いた金粉は失われた魔術の残滓である
【つるはし】
鉱夫が土を掘り返す道具
本来は戦いに用いられるものではないだが大岩を砕く渾身の振り下ろしは
半端な鎧などやすやすと貫くだろう
光の魔術を操るウーラシールの魔術師たちは、やがて生まれた深淵に飲まれ、恐ろしい闇の魔術を生み出します。
【闇の霧】
ウーラシールの魔術師が狂気の内に見出した
深淵の魔術。闇の霧を発生させる人間性に近しいはずの闇の霧は
だが、人にとっては恐ろしい毒となる
多くの人が、よく人を蝕むがごとく
光と闇は表裏一体なのか、優しい魔術と称された光の魔術は、人を蝕む恐ろしい闇の魔術に変わってしまいました。
【歪曲した防壁】
周囲の大気に歪みを与える闇術
ほんの一瞬、スペルを弾く闇術師ギリアには、ただひとりとして弟子はおらず、
その業が伝えられた経緯も謎に包まれている
あるいは闇の術とは、どこか別のところから
生まれたものなのかもしれない
【歪んだ光壁】
古い黄金の魔術の国
ウーラシールの失われた魔術
光を歪ませ、魔法を弾く光を扱う魔術の中でも、秘術にあたるひとつ
基本法則が一瞬に捻じ曲がるとき
すべての幻はその行き場を失うのだという
光の魔術と闇の魔術には大きな違いは無いのかもしれません。
ところで、イルシールの地下牢では、闇属性への派生が行える罪の種火や、闇術を扱う魔女カルラが牢に入れられていますが、黄衣の探求者の遺灰と宵闇の頭冠も牢の中にあり、少し異質に感じられます。しかし光の魔術と闇の魔術に大きな違いが無いと気付かれ、危険視されていたとすると、納得がいきます。
話は少し変わりますが、この光の魔術は竜の学院ではついに実現できなかったようです。ウーラシールの宵闇曰く、
ウーラシールの魔術は、なんというか、寛容で、クスッ
少しいい加減なところがあるのですが貴方の時代の魔術は
もっと真摯で、自己以外を拒絶するように見えるのです
無印本編の時代の魔術(おそらく竜の学院の魔術に代表されるもの)はいい加減なウーラシールの魔術と異なり、真摯で自己以外を拒絶するものだそうです。
他者を拒絶しない寛容な魔術は、やがて行き過ぎた感情となり他者への羨望に変わってしまったのでしょうか。
【追う者たち】(DARK SOULS 3)
禁忌とされる闇の魔術
人間性の闇に仮そめの意志を与え放つものその意志は人への羨望、あるいは愛であり
人々は目標を執拗に追い続ける
その最期が小さな悲劇でしかありえないとしても
他者への感情が魔術の性質を大きく変えるのでしょう。
生命を追いかける魔術「追うものたち」に似た魔術があります。
【追尾するソウルの塊】
古く竜の学院が失った大魔術師
「ビッグハット」ローガンの独自魔術のひとつ追尾性の高いソウルの塊を浮かべ、放つ
探求者たるローガンの一端が見える魔術だが
生命に惹かれるその性質について
後の研究では、むしろ闇に近いとされている
ローガンによって作られたこの魔術ですが、どうやら闇に近い性質であると書かれています。
探求者たるローガンによる魔術が闇の性質を持つ。「探求心」というものが闇の性質に近いことはほのめかされています。
【結晶古老の刺剣】
結晶の古老が護身に用いた刺剣
刀身に細かな結晶が散っている結晶の魔力により魔力攻撃力を持ち
また、装備者のアイテム発見力を高める
それは古老が、生涯探求者だった証であろう
アイテム発見力というのは、運のレベルを上げることなどで上昇するステータスですが、運というのは人間らしさの力、無印ダークソウルでは人間性の量によって変わるものでした。
つまり伝えたいことは、他者への「羨望」で作り出され魔術が闇の力をもったことと同様に、「探求心」で作り出されたソウルの魔術にも闇の性質が宿る。闇と探求心は同一のものだと言えます。
闇と結晶(ソウル)の類似点は触媒からも見て取れます。
【マヌスの大杖】
深淵の主マヌスのソウルから生まれた魔術触媒
節くれだった古木の杖
その大きさから、打撃武器としても使用できる性質は結晶の錫杖に近く、魔術の威力を高めるが
今人の身で用いれば、使用回数が減ってしまう
【結晶の錫杖】
シースの妄執に飲まれたローガンの錫杖
凄まじい結晶の魔力を帯びた触媒すべての魔術に絶大な威力をもたらすが
使用者は極めて高い理力を要求され
また魔術使用回数が半分になってしまう
古木でできた”マヌスの大杖”は、ローガンの用いる”結晶の錫杖”とスペル使用回数半減という点で似た性質を持っていることが分かります。マヌスの杖の古木も岩の大樹の名残でしょうから、結晶と近い灰の時代の遺物なのかもしれません。
似た性質を、ダークソウル3の”古老の結晶杖”も持っています。「結晶球は使用者の意志を喰らう」といわれ、使用する魔法の消費FPが増加します。
他者への意志(ソウル)を触媒が喰らい魔術に結びつける、そういった仕組みで魔術が強化されているのかもしれません。
さて、結晶の魔術を生み出したローガンの力を受け継いだ双子の導師「結晶の古老」の片割れは、ファランの不死隊の同盟者となっています。
【降り注ぐ結晶】
結晶の古老として知られる双子の導師
その独特の魔術小さなソウルの結晶塊を空中から連続で放つ
結晶の塊は貫通する古老の片割れは不死隊の同盟者であり
ファランに魔術師を育てた
それは古い約束であったという
古い約束、といったものがどういうものなのか不明ですが、結晶の古老は確かに不死隊たちへ魔術を伝えています。
不死隊に魔術を伝えると同時に、侍祭の娘ヘイゼルの魔術として「ファランの矢雨」や「強いファランの短矢」などを託しています。
【ファランの矢雨】
「ファランの短矢」の上位魔法のひとつ
ソウルの短矢を連続で放つそれは結晶の古老が直々に鍛え
侍祭の長に託したものであるという
その娘、ヘイゼルの魔術として
結晶の魔術を受け継ぐ人物が、黄衣の探求者となり光の魔術を求めるヘイゼルに魔術を伝えているのは興味深いものが在ります。
さて最後に、この記事を書くきっかけになった古老とマヌスの魔術を紹介します。(twitterのリンクで失礼)
— ㊗️デモンズリメイク真鍮の遠眼鏡覗き魔 (@esxovusl) 2020年12月26日
ファランの矢雨とマヌスの闇の飛沫、降り注ぐ結晶とマヌスの降り注ぐ闇の攻撃。
似ているかどうかは個人の感覚ですが、古老とマヌスに繋がりがあったならとても面白いです。
森のファランの不死隊と古老の繋げる「古い約束」へのヒントになるかもしれません。
おまけの妄想
ダークソウル無印では、DLCエリアのウーラシールに行くためには、クリスタルゴーレムに囚われたウーラシールの宵闇を救い、また公爵の書庫にいるクリスタルゴーレムから割れたペンダントを手に入れる必要があります。
マヌスを呼び起こす二つのトリガーは、どちらもクリスタルゴーレムに封じ込められています。
シースがどのような目的でウーラシールに手を伸ばし、マヌスを遠ざけていたのかは分かりませんが、上で述べたように結晶の古老とマヌスに繋がりがあったならば、
遡ってシースとマヌスに繋がりがあったとも言えるかもしれません。
ダークソウル2にて、シースもとい”這う蟲”という存在が明かされ、姿を変えて様々なものに取り憑いているようです。
この便利機能を好意的に解釈すれば、書庫の知識を通じてローガン、ジェルドラ公や公のフレイディア、そして呪われた大書庫を通して双子の導師にかつての古い約束が継がれていったのかもしれません。(まあ無理がある)
シースと古いヒトとの繋がりで一つ気になるのは、輪の都のシラの存在です。
彼女は小人の王から現れた狂王をつなぎ止め、部屋に閉じこもっています。
彼女は公爵の娘と名乗り、身にはバイバルの真珠を付けるなど、シースとの繋がりを匂わせます。
しかし神の誇り、火の矜持、闇への恐れを語る彼女からは、裏切り者の狂った白竜は想像できません。
案外、狂う前のシースは神の一員として、闇に対して思うところがあったのかも。そんな解釈が一つあってもいいのかもしれません。(個人的には、一貫して狂った裏切り者であってほしい)
おしまい
【ダークソウル】邪教・アルトリウス大剣特攻についての調査
久々に書けそうだったので書きました。
今回は無印ダークソウルにおける"邪教武器"と"アルトリウスの大剣"によるボーナスダメージ(以下邪教特攻、深淵特攻と呼びます)について調べました。
1.前提
まず、邪教特攻と深淵特攻について、テキストで確認します。
暗い種火
武器を進化させるために必要な種火
暗い種火は永く教会に秘匿される禁忌であり
それを知る鍛冶は誰も生きてはいない+5の神聖の武器を、邪教の武器に進化させる
(邪教の武器は+5まで強化できる)邪教の武器は神狩りの武器であり
神の一族やその信徒たちに有効となる
武器に邪教属性を付与できる暗い種火のテキストによれば、邪教は神やその信徒に有効だそうです。具体的には以下が対象になっています。
・グウィン
・グウィンドリン
・オーンスタイン
・銀騎士
・黒騎士
・巨人衛兵
・etc...
つまりは、神といってもニトやイザリスの関係者は含まず、グウィンの血縁やその騎士たちに限定されるようです。ちなみにグウィンの四騎士である王の刃キアランには邪教属性が有効ではありませんでした。
ちなみに、邪教派生をせずとも、武器に邪教属性が付与されているものもあります。
・ダークハンド
・プリシラの短剣
・ベルカの刺剣
以上の武器には邪教属性が付いています。
続いて、アルトリウス大剣についてですが、これについては以前の記事で詳しく書いたので割愛します。
2.準備
さて、タイトルには"調査"とありますが、何を調べたいのかといいますと、無印ダークソウル攻略本のこの記述
これの邪教やアルトリウスの大剣についての記述が正しいのか疑問だったので、いざ自分の目で確かめようと思った次第です。
今回調べるために、まず深淵特攻については、
アルトリウス大剣と同程度の物理攻撃力にしたクレイモアと、同程度の魔法攻撃力にした月光の大剣を用意しました(上で引用した記事の時に作成したもの)、
邪教特攻については、魔法属性が入っていると大変なので、
プリシラの短剣と、それと同程度の物理攻撃力にした暗銀の残滅を用意しました。
注意するべきことは、武器の補正を考慮して、装備時の表示攻撃力を見ることと、"標準","斬撃","打撃"などの攻撃属性を揃えることです。
3.測定
用意した武器で、ダークレイスや黒騎士に対して有意にダメージが増加することを確認した後、以下を対象にダメージ測定を行いました。
・闇霊 トゲの騎士カーク @最下層
・闇霊 トゲの騎士カーク @デーモン遺跡
・闇霊 聖騎士リロイ @巨人墓場
・白霊 聖騎士リロイ @地下墓地
・闇霊 侵入プレイヤー (誓約:ダークレイス+1)
・復讐霊 侵入プレイヤー (誓約:暗月の剣+1)
友人に協力してもらい、プレイヤーの侵入霊に対しても測定を行いました。
白霊のリロイについては、私が闇霊として召喚してもらうことで測定をしています。
4.結果
結果として、トゲの騎士カークは、最下層,デーモン遺跡のどちらでも深淵特攻が有効であることが確認できました。加えて、聖騎士リロイは闇霊,白霊のどちらでも邪教特攻が有効であることが確認できました。
結果を以下の表にまとめました。
以上より、「カークはアルトリウス大剣が有効である」「リロイには邪教属性が有効である」という攻略本の記述は正しいことが分かり、「復讐霊には邪教属性が有効かもしれない」というwikiの記述は誤りであったことが分かりました。
5.考察
結果を踏まえて、データの考察を行いたいと思います。
つまり、何故カークにはアルトリウス大剣が有効で、リロイには邪教属性が有効なのかを自分なりに考えてみます。
まず聖騎士リロイについて。彼は闇霊,白霊問わず邪教属性が有効でした。
邪教の武器は「神の一族やその信徒たちに有効である」との記述から、このリロイは「神の信徒」であるが故に邪教属性が有効となったと考えるのが自然です。
しかし他の「神の信徒」と呼ばれる人たちはどうでしょうか?
白教の信徒であるレアやニコ、ヴィンスには邪教属性が有効ではありませんでした(当然ペトルスも!)。直接神に見え、誓約を結んでいるはずの暗月の女騎士であっても、邪教属性は有効ではありませんでした。
聖騎士の兜
地下墓地の聖騎士、リロイの兜
はるか昔、白教に最初に生まれた不死は
黄金の鎧に身を包む聖騎士だったという聖騎士は二つの宝具、グラントとサンクトゥスを携え
神々の地ロードランの探索に旅立った
白教の不死の使命のはじまりである
聖騎士リロイが神の一族ならば話は別ですが、「不死」とテキストに記述されていることから、彼は人間だろうと考えられます。しかし”はるか昔”の人物ということですから、神の力の影響も濃く信仰によって神に近い力を得たのかもしれません。
次に、トゲの騎士カークについてです。上で引用した記事にあるように、アルトリウスの大剣は闇の眷属、特に世界蛇に関係する存在に対して有効でした。
トゲの兜
悪名高いダークレイス「トゲの騎士」カークの兜
表面にびっしりと鋭いトゲが生えているこの禍々しい兜を装備してローリングすれば
そのまま攻撃となり、敵にダメージを与える
まさに、皆殺しのカークに相応しいものだ
装備のテキストによると、カークはダークレイスだそうです。 ただの闇霊をダークレイスと称している可能性は高いですが、世界蛇の力を受けた狭い意味でのダークレイスであるならば、アルトリウスの大剣が有効であることが説明できます。
しかし、ダークレイス誓約をしているプレイヤー闇霊に深淵特攻が有効でないことや、「カースは混沌の娘と誓約を結んでいたのでは」といった考え方もあるため、ダークレイスであるから深淵であると決めつけることは難しいです。
興味深いことに、ダークソウル3ではトゲの騎士カークと全く同じ装備をした「中指のカーク」が闇霊として登場しますが、深淵の存在に有効な狼騎士の大剣を彼に振っても、特攻ダメージはありません。
深淵の存在でなくなったのは、誓約対象をロザリアに変えた影響なのか、そもそも同一人物なのかもわかりませんが一考の余地のある面白い点だと思っています。
おわりに
「ほんまにそれ正しいんかワレェ」の精神でいろいろ調べましたが、統一的に「○○だから深淵!」「××だから邪教が有効!」と結論付けることが難しい結果になりました。
邪教や深淵に関する理解を深めることは多くの考察に影響すると思うので、掘り下げていくと面白いかもしれません。
【ダークソウル】黒教会を探したい!
今回は黒教会についての記事を書こうと思います。
・黒教会とは
黒教会とは、老人と亡者の国と呼ばれるロンドールの建物および集団の名称です。
黒教会の創始者にはエルフリーデ、ユリア、リリアーネの三人がおり、彼女らは世界蛇の娘と呼ばれています。
ロンドールと黒教会はダークソウル3にエンディングの一つにも深く関わる重要な存在ですが ーアイテムが多いにも関わらず!ー 謎が多い集団です。
細かい話は置いておき、とにかく黒教会を見つけたい!。
モーリオンブレード
黒教会の尖塔を模した異形の剣
八つの枝刃と無数のトゲを持ち、出血を強いるまた黒教会の祝福は使用者の危機を喜ぶといい
HPが大きく減ると、攻撃力を一時的に高める
異形の姿に相応しい、呪われた剣であろう
モーリオンブレードのテキスト曰く、黒教会は八つの枝を持ったような尖塔を備えているようです。
このほぼ唯一といえる外見的特徴を頼りに、ロードランからロスリック、はたまたボーレタリアからヤーナムの果てまで黒教会を探した人は少なくないのではないでしょうか。攻略、対人、黒教会探しと、ダークソウルのメジャーな遊び三本の指に入りますね。
私も一般ダークソウルプレイヤーなので、よく黒教会を探しにいきますが、ダークソウル3が発売されて何年経ったでしょうか、世界中のプレイヤーが探しても「これぞ黒教会!」というものは見つかっていません。(見つかっていないと思います)
私は、黒教会の尖塔をむやみやたらに探すのではなく、ロンドールの情報から絞っていく作戦を決行しました。
・ロンドールとカリム
まずは2つのテキストを見ていただきましょう。
解呪石(dark souls3)
小さな頭骨が溶け込んだ灰色の石
呪いの蓄積を減らし、亡者状態を解除する。
亡者の国ロンドールの秘宝であり
彼らが自らを偽るときに使用するときには、その偽りを自分と信じ
亡者を捨てる裏切り者もいるという
解呪石(dark souls)
半ば頭骨が溶け込んだ灰色の石
カリム伯アルスターの秘宝の1つ
呪いの蓄積を減らし、呪死状態を解除する人は呪いに対し無力であり
それを逸らすことしかできない解呪石もまた、呪いを逸らす先でしかなく
それは人、ないし人だった何かなのだろう
ダークソウル3では、解呪石はロンドールの秘宝とされていますが、ダークソウルでのテキストにはカリム伯アルスターの秘宝とされています。
ロンドールとカリムには繋がりがあるのでしょうか。
カリムといえば、ダークソウルで登場する"カリムのオズワルド"もカリムの人物です。オズワルドは罪の女神ベルカの教戒師です。
偶然か意図してなのか、このオズワルドの装備は黒シリーズ(黒の聖職衣、黒のマンシェット、黒のタイツ)であり、ロンドールのユリアの黒シリーズ(黒のドレス、黒の手甲、黒の足甲)と重なるものが在ります。
この教戒師とロンドールのユリア、どちらも卓越した剣士という共通点があります。
ベルカの刺剣
罪の女神ベルカの教戒師が身に帯びる
象徴的な意味合いの強い刺剣だが、それは単なる象徴に留まらず
魔力を帯びた刀身と、独特の剣技により
教戒師はまた卓越した剣士でもある
闇朧(dark souls3)
ロンドールのユリアの得物
見えぬ刀身を持つ魔剣黒教会の指導者の一人であるユリアは
卓越した剣士であり
この一振りで百の騎士を葬ったという
・ロンドールとベルカ
カリムの教戒師から派生して、ロンドールとベルカの関わりについて整理します。
ロンドールとベルカの繋がりを匂わせるテキストといえばまず、沈黙の禁則でしょう。
沈黙の禁則(dark souls)
黒髪の魔女ベルカが伝える秘儀
効果範囲内ですべての魔法が使えなくなる罪の女神は異端であるが
古今あらゆる秘儀に通じており
神々の中でも強い影響力を持つと言われる
沈黙の禁則(dark souls3)
ロンドール黒教会の奇跡
自分も含め、周囲にいる者の魔法を封じる
黒教会の者たちは、皆卓越した剣士であり
ロンドールの沈黙はいつも彼らと共にある
そして剣だけは、決して裏切らない
無印ダークソウルではベルカの秘儀として伝えられていた沈黙の禁則ですが、ダークソウル3ではロンドールの奇跡として伝わっています。
また、エレーミアス絵画世界にベルカの鴉人と呼ばれるエネミーがおり、ベルカはカラスと関連付けられることもあります。ユリアの頭装備は嘴の仮面であり、この嘴がカラスのものを指しているかは分かりませんが、黒装束のクチバシという点がカラスを想起させます。
嘴の仮面
ロンドールの黒教会、三人の指導者たちの装束
嘴の仮面は次女ユリアのもの彼女たちは世界蛇の娘であり
黒教会の創始者としても知られている
すなわち亡者の救い手として
さて、先ほどテキストを示したベルカの刺剣ですが、この武器は神族に対して特攻を持つ邪教属性を持っています。
この邪教属性は、無印ダークソウルでしか登場しない属性ですが、ベルカの刺剣の他にダークハンドもこの属性を持っています。
・ロンドールと世界蛇
ダークハンド(dark souls)
カアスに唆された、ダークレイスたちの業
闇のソウルにより人間性を奪う吸精の業をなし
また特殊な盾ともなる偉大なる古の者ともなれば、人間性溢れる聖人とて
一度にすべてを奪い取ることができるだろう
ダークハンドはカアスたち世界蛇の業であり、ロンドールもまた、この業を扱います。嘴の仮面のテキストにあるように、ユリアを含む黒教会の創始者たちは世界蛇の娘と呼ばれています。
カアス、貴方の遺志を・・・
(ロンドールのユリア)
ユリア殺害時のセリフから、黒教会の創始に関わってた世界蛇はカアスであることが分かります。
黒教会はカアスとも深く関わっており、これもロンドール捜索の手がかりとなります。
ここで、カアスと関わりがあったであろう、とある国について考えます。
貴公も、おそらく目にはしているだろうが
友アルトリウスを蝕んだ深淵の闇は
いまやこの国、ウーラシールを飲み込もうとしている
・・・おそらく、滅びは避けられまい
だが、たとえ、闇の蛇に唆されたとて
彼らは自ら望み、あれを起こし、狂わせたのだ
・・・滅びは自業というものだよ...
(鷹の目ゴー)
・ロンドールとウーラシール
深淵に堕ちた国ウーラシールは、闇の蛇に唆されたことがキッカケで古い闇を呼び起こしてしまったのだと、鷹の目ゴーは伝えてくれます。
闇の蛇がカアスであるとは明言されていませんが、もう一つの深淵に堕ちた国「小ロンド」の深淵の原因がカアスであることから、ウーラシールの原因もカアスであると推測されます。
さて、ウーラシールとロンドールの関わりですが、ロンドールの関連人物であるロンドールの老婆というNPCがウーラシールの魔術を使用します。
擬態(dark souls3)
古い黄金の魔術の国
ウーラシールの失われた魔術
場所にふさわしい何かに変身するそれはかの国の正式な魔術ではなく
ある少女が悪戯に生み出したものだという
宵闇の森で、ただ孤独を癒すために
擬態という一つの魔術の細い繋がりに過ぎませんが、確かにロンドールとウーラシールには接点があると言えます。
ところで、ウーラシールは無印ダークソウルで登場する国ですが、ダークソウル3で登場する輪の都とウーラシールには繋がりがあったようです。
古めかしい平服
古い魔術の国の平服
黄金の飾りは僅かな魔術を帯びているが
本来、戦いのための装束ではない遥か昔、ある使節団が輪の都を訪ねたとき
唯一残った若者が
記録上最後の、教会の槍になったという
輪の都には、ウーラシールらしき足跡が多数存在し、かつてウーラシールの使節団が訪れたことが想像されます。
・ロンドールと輪の都
ウーラシールと繋がりのあった輪の都ですが、この輪の都ともロンドールは接点があります。
図 モーリオンブレードと契りの剣
契りの剣
ロンドールの儀式剣
武器としては装備できない契りの儀式により
真の亡者の王が生まれるという伴侶の名はアンリ
霊廟の最奥で、王を待っている
この契りの剣は、火の簒奪者エンドで必須となるアンリとの結婚に必要なアイテムです。契りの剣と輪の都にどのような繋がりがあるのでしょうか。
図 フィリアノール教会とその尖塔
図に示した輪の都のフィリアノール教会を見てみると、尖塔に特徴的な形をしたモノがあります。
なんと、契りの剣と同じ形をしています。
言い換えれば、契りの剣は輪の都の建物の尖塔を模しているということも出来ます。
黒教会特定のほぼ唯一の手がかりであったモーリオンブレードですが、これは黒教会の尖塔を模したとされる剣です。
モーリオンブレードも契りの剣も、教会の尖塔を模した剣だとすれば、これ以上ない共通点と言えるでしょう。
・まとめと妄想
以上では、テキストを中心に黒教会に関連する事実を整理しました。「結局、黒教会ってなんなんだい!」という話になるので、自分なりの妄想を記しておきます。
・ロンドールはカリム ?
上で示したように、カリムとロンドールには接点がいくつも見つかりました。そのため、ロンドール建国はカリムの陣営が関わっていたのではないか、という妄想です。
ユリアの得物である闇朧のテキストを確認すると、”この一振りで百の騎士を葬ったという”といった記述があります。ロンドールは亡者の王を求め、不死人たちの国を求めています。ユリアは不死人を良しとしない騎士たちと争っていたのではないかと推測できます。
不死狩りの護符
不死人狩りの道具
一定時間、効果範囲内のエストによる回復を禁じるかつて不死人狩りを率いたロイド騎士の遺産
白教の主神ロイドの信仰は廃れて久しく
その狩りの業だけが受け継がれている
不死の回復だけを封じ、正々堂々と戦うのだ
白教のロイド騎士たちはかつて不死人を行っていたことが分かります。無印ダークソウルでは王の刃キアランも護符を使用するので、おそらく当時は正当な行為だったのだと思います。
しかし白教のロイド信仰は廃れていったようです。
ロイドの剣の指輪
白教に仕える騎士たちに与えられる指輪
主神ロイドの法の剣を象っているHPが最大のとき、攻撃力を一時的に高める
だが白教のロイド信仰は、今や廃れて久しい
カリムの司祭たちは声高に主張する
ロイドは傍系にすぎず、主神を僭称したのだと
「ロイドはダメだぞ!」と主張した集団こそがカリムでした。
イリーナやイーゴンを見る限り、白教信仰自体は失われていませんが、"不死人を狩るロイド騎士に対する反抗勢力がカリムから生まれ、黒教会の源流となった"、そんな風に考えても面白いかもしれません。それこそカリムの異端のベルカ信仰が黒教会を生み出したのかもしれません。
モーンの兜
カリムの騎士に与えられる異形の兜
大司教の使徒モーンを象ったものであり
特に兜は、司教座に並ぶ石像の頭部そのものであるカリムの騎士は、生涯一人の聖女に仕えるという
かつてモーンが、ある女神に仕えたように
モーン装備には、
「カリムの騎士は、生涯一人の聖女に仕える」
といったテキストもありますが、エルフリーデの騎士ヴィルヘルムもカリム騎士だったなら、フリーデに最後まで仕えようとしていたことも納得できます。
しかし、契りの剣と輪の都に関して、この仮説では説明できないので不十分であると思っています。
・ロンドールは輪の都 ?
輪の都=ロンドールと書いてしまっていますが、違うと思います。
正確に言えば、輪の都の崩壊のさらに未来に、ロンドールが生まれているのではないだろうか、という仮説です。
ロンドールが輪の都と密接であれば、契りの剣や魔術"擬態"の説明が簡単にできます。
図 輪の都の崩壊
フィリアノールの目覚めの後、輪の都は崩壊します。崩壊した世界に、しかし、ロスリックとアノール・ロンドらしき影を遠くに確認することができます。
当然、輪の都は吹き溜まりから移動する場所であるため、ロスリックは崩壊しているはずです。
時系列を考えると、果てしなく複雑になってしまうため、輪の都が崩壊しているとき、ロスリックは残っている!という事実だけを確認してください。
図 ダークソウル3オープニング一部抜粋
ダークソウル3のオープニングを確認すると、崩壊したアノール・ロンド、イルシール、荒れた砂地を歩く巡礼者たち、その頭上にはロスリック城。
崩壊して世界が砂に飲まれた状況であってもロスリックは存在している。これはフィリアノール目覚め後の状況と一致します。
巡礼者の存在は、謎が多く、適当なことは言えませんが、ロンドールの手先としてロンドールのヨエルとロンドールの老婆が巡礼者の姿で登場します。崩壊した世界の生き残りが、巡礼者としてロスリックに向かっていたのかもしれません。
(何が過去で、何が未来か、そもそもループしているのではないか? 時間の常識を一度捨ててしまえば、こういった妄想もありかもしれませんね。でも百も騎士がいなさそうだなあ。)
おわりに
今回は黒教会についての情報整理を目的に書き始めました。初めは”小ロンド遺跡の建物の尖塔”や”不死教会の尖塔”、”エレオノーラって建物の尖塔みたい!”みたいな話もしようと考えていたのですが、自分の中でまとまりがついてしまったので、ここでおしまいにしようと思います。
黒教会は、
・テキストが多い
・これだ!というものが無い
というワクワク考察コンテンツなので、様々な仮説が立てられて面白いと思います。
ありがとうございました。
【ダークソウル】繋げていこうダークソウル事件歴【考察】
※7/28追記あり
今回の記事は、ダークソウルの世界の事件や建物の成り立ちからダークソウルの時系列を紐解いていこう。という目的です。
ロードランでは時間が淀み歪んでしまっているため、過去から未来の一本の時間軸に乗った世界とは言えませんが、ある程度因果関係は成り立っているはずなので、時系列を考えてみればきっと楽しい。そう考えます。
まずは、時系列を考える上で押さえておきたい要素について雑にまとめておきます。
・火の時代の興り
岩と大樹と古竜のみがあった世界に生まれた「はじまりの火」。
この火の闇から生まれた神々と人々は古竜に打ち勝ち、火の時代を手に入れました。
ちなみに・・・火の時代は「はじまりの火」が生まれてからの時代を指すのではなく、グウィン達が古竜に勝利してからの時代を指します。
神々の要請に応じ、竜狩りに列した古い人たちは大王グウィンに輪の都を与えられました。
輪の都は『ダークソウル3』では荒廃しきった都ですが、かつてはある使節団が来ていたようです。
【古めかしい平服】
古い魔術の国の平服
黄金の飾りは僅かな魔術を帯びているが
本来、戦いのための装束ではない遥か昔、ある使節団が輪の都を訪ねたとき
唯一残った若者が
記録上最後の、教会の槍になったという
「古い魔術の国」や「黄金の飾り」から、この使節団はウーラシールからの物であると想像できます。
・ウーラシールについて考えよう
光を操る魔術の国でしたが、闇の蛇に唆され古い人の墓を暴き、街や住人は深淵に落ちてしまいました。深淵を止めるため「深淵歩き」のアルトリウスがウーラシールへ向かいましたが、闇のない彼は深淵に飲まれてしまいました。深淵の主であるマヌスは、先の時代から現れた名もなき英雄に倒され深淵の拡大は抑えられました。
小ロンドの王に仕えた騎士「ダークレイス」、その『ダークレイスの狩人』として知られているのが「深淵歩き」のアルトリウスです。
・小ロンドについて考えよう
上でも書いたように、ダークレイスとは小ロンドの王に仕える騎士です。
小ロンドの王が闇唆しカアスによって深淵に落ち、その騎士も生命喰いの力を手にしました。
小ロンドは街ごと水の下に沈められ、ダークレイスたちは封印されました。
さて、この封印された小ロンドの王「四人の公王」はかつてグウィン王に見え彼のソウルを分け与えられています。公王たちはグウィンの居城であるアノール・ロンドへ赴いたのでしょう。
・アノール・ロンドについて考えよう
アノール・ロンドは火の時代を興した大王グウィンを中心として作られた都です。
かつては栄華を極めた都だったのでしょうが、火が陰った『ダークソウル』の時代ではほとんどの神々はこの地を去り、残ったのは偽りの王女と暗月の神、狂気に飲まれた白竜くらいです。
『ダークソウル』において、我々選ばれし不死はアノール・ロンドへ至り、王女からグウィンの後継たる証「王の器」を授かり火継ぎを進めることとなります。
ここで、アノール・ロンドへ至るためには過酷な試練を乗り越える必要がありました。
・神に出会いたいアナタ必見 神への道のススメ
火継ぎのための王の器を得るために、選ばれし不死はアノール・ロンドへ向かう必要があります。
それに加え、小ロンドの王たちもアノール・ロンドのグウィン王に直接出会い王のソウルを分け与えられていました。
「アノール・ロンドへの道」とされる方法が2つあります。
1つ目は「センの古城の試練」。これは初代の『ダークソウル』において、プレイヤーがアノール・ロンドへ行く手段であり、馴染みのあるものです。
そしてもう1つが、「ウーラシールの試練」です。
試練の戦い
【臆病者の紫水晶】
オンラインプレイ専用アイテム
「試練の戦い」から離脱する
(ホストが離脱するとセッションは解散する)その戦いは古来アノール・ロンドへの道であり
既に管理者なく、その本分が失われた今でも
離脱するものは臆病者の誹りを免れない故に、この紫水晶は軽々に使用すべきではない
仮りそめでも、戦いに意味を求めるならば
ウーラシールで行われる「試練の戦い」(2の「死合」や3の「不死の闘技」のようなもの)から離脱するためのアイテムが「臆病者の紫水晶」です。
テキストにあるように、かつて「試練の戦い」はアノール・ロンドへ至るための手段であったそうです。
以上より、アノール・ロンドへ行く手段としてセンの古城の試練と試練の戦いの2つがあることがわかります。
さて、センの古城には守護者としてアイアンゴーレムがボスとして存在していますが、このゴーレムは神々によって作られていることがテキストからわかります。
【竜骨の拳】
センの古城の守護者として
アノール・ロンドを目指す英雄たちを屠ってきた
アイアンゴーレムのソウルから生まれた武器神々は、古竜の大骨にソウルの魔力を融合し
もって強大なゴーレムの核としていたのだろう
多くの神々が去り、大王グウィンも居なくなってしまったアノール・ロンドですが、火継ぎの使命は引き継がなくてはいけません。
管理者が必要なウーラシールの試練に対して、管理が必要ないシステムとして作られたのがセンの古城の試練なのかもしれません。
ここまでは準備段階で、ここから今回書きたかったテーマです。
・混沌と、センの古城と、二つの鐘
『ダークソウル』でお馴染みのセンの古城によるアノール・ロンドへの道について考えてみましょう。
我々不死がアノール・ロンドへ向かう道筋は大体以下の通りです。
①上下にある二つの鐘を鳴らしてセンの古城への道を開く
②センの古城の試練を越える
③ゴーレムを討ち、蝙蝠羽のデーモンによってアノールロンドへ運ばれる。
ここで「二つの鐘」について思い出してみます。
まず「上の鐘」は城下不死教区にある教会にあります。
この教会の鐘は「鐘のガーゴイル」によって守られています。
【ガーゴイルの兜】
不死教会の鐘楼で目覚ましの鐘を守っていた
魔法生物ガーゴイルの兜ガーゴイルの皮膚は元より硬く
この青銅の兜は装飾でしかなかった
高い防御力は期待できないだろう
ガーゴイルはアノール・ロンドでも登場します。また、不死教会にあるエレベーターを見てみると、アノール・ロンドにもある紋章を見つけることができます。
不死教会のエレベーター
アノールロンドにある紋章
このことからわかるように、不死教会の設立にはアノール・ロンドが関わっていると推測されます。
センの古城にアノール・ロンドの神々が関わっていることから、不死教会にも神々が関わっていることは当然のように思えますが、ここでアンドレイの興味深いセリフを紹介します。
ここは古い教会だ
あんたの通ってきた不死教会は、ここを棄てて建てられたんだ
だから、ってわけでもないが、ここは2つの古い禁域につながってる。センの古城と、黒い森の庭だ
どっちも、まともな奴が訪れる場所じゃあない
(アストラの鍛冶屋アンドレイ)
アンドレイの居る場所は不死教会よりも古い教会で、それ故に古い禁域に繋がっているそうです。セリフの解釈にも依りますが、
「センの古城は不死教会よりも古い建物である」
と捉えることができます。
センの古城に繋がる廃教会
鐘がセンの古城より後に設置された物ならば、門を開いて古城に入るシステムは後付けで作られたものだと考えることができます。
では誰がこの後付けされたセンの古城システムに関わっているのでしょうか。
まず少なくとも、グウィンドリンと世界蛇フラムトが関わっていることは確かでしょう。
お願いです
大王グウィンの後継として、世界の火を継いでください
そうすれば、人の世の夜も終わり
不死の現れもなくなるでしょう世界の蛇、王の探索者フラムトが、貴方を導いてくれるはずです
(太陽の王女グウィネヴィア)
グウィンドリンの作り出した幻影であるグウィネヴィアがフラムトの名を挙げ、不死の使命を伝えています。グウィンドリンは大王グウィンの遺志を継ぐため純粋にこのシステムを利用しているのでしょうが、このシステムを有効に活用しているアノール・ロンドに残るもう一柱の神が居ます。グウィンの盟友にして、書庫を与えられ狂気に落ちた白竜シースです。
センの古城にはシースの生み出した蛇人がうごめき、管理をしています。
【籠牢の鍵】
センの古城に吊るされた籠牢の鍵
古城を守る蛇人たちは、無謀にも試練に挑み
力尽きた者たちをすぐには殺さない
彼らは籠牢に囚われ、蛇人たちが忘れなければ
やがてどこかに連れて行かれるのだ
また、鐘のある不死教会にもシースの手が伸びています。
【伝道者の聖衣】
白竜シースに仕える魔術師たち、伝道者の篭手
彼らは狂気の後もシースの元にあり続け
ときに各地に赴き、動けぬシースの手足となった
故に伝道者は「人さらい」とも呼ばれる魔術師の防具としては最も重く
また魔法の力を秘めている
不死教会には六目の伝道者が登場します。
不死教会の人さらい視点
さらに、巨人墓地で救出し不死教会に移動したソルロンドの聖女レアは、条件を満たすとシースの拠点である公爵の書庫の牢屋に移動し亡者化しています。
シースが聖女を閉じ込め、実験を行っていたことは書庫塔大牢屋の鍵のテキストからわかります。
【書庫塔大牢屋の鍵】
公爵の書庫塔の底にある大牢屋の鍵
かつて多くの聖女を閉じ込めた大牢屋は
今はガランとし、重要な囚人だけが閉じ込められる
鼻先に大量の落とし子が蠢くその場所では
常人が長く正気を保つのは難しいだろう
シースの手足であり、「人さらい」とも呼ばれる伝道者が聖女をさらっていたと考えられます。
さらに付け加えるならば、鐘を守る「鐘のガーゴイル」は魔法生物と明言されており、シースの被造物であると言うこともできるかもしれません。(魔法生物をすべてシースの被造物と決めつけられる根拠はないので、ここはみなさんの解釈にお任せします。)
不死教会がセンの古城よりも後に作られたこと、不死教会ではシースの手下や被造物が残っていることをまとめると、鐘を鳴らすシステムの設計にはシースが深く関わっていると考えることができます。
次に、「下の鐘」について考えます。
「下の鐘」のある遺跡はクラーグの住処に飲み込まれ、廃墟と化しています。
「上の鐘」から不死教会とセンの古城の設立の時系列を考えましたが、今度は「下の鐘」から混沌と下の鐘の遺跡の時間関係を整理したいと思います。
まず決定的となる情報が建物の繋がりです。
①下の鐘のある建築物はデーモン遺跡とエレベーターで繋がっている。
②この建築物は蜘蛛の巣に覆われ廃墟となっている。
まず①について、デーモンの炎司祭を撃破した後、遺跡の先のエレベーターに乗ると、そこは病み村の鐘のある遺跡に繋がります。
さらに②について、たまご背負いエンジーのセリフや遺跡の状況を考えると、混沌に飲まれ下半身がデーモンと化したこの遺跡に逃げ込んだことがわかります。
蜘蛛の巣に呑まれた下の鐘の遺跡
これらのことから、下の鐘が作られた時期はイザリスが崩壊する前、つまり混沌に飲まれる前だと考えられます。
「上の鐘」と「下の鐘」が同時期に作られたと仮定すると、センの古城を使ったシースの計画は、混沌の発生より前に始まっていたと考えられます。
さて混沌の発生、つまりデーモンの発生がセンの古城のシステムより後だとすると、一つ矛盾が生じます。
まとめると、
A:二つの鐘は混沌以前に作られた。
B:センの古城からアノールロンドへ不死を運ぶのは蝙蝠羽のデーモン。
この2つが同時に満たされることが無いことは明らかです。つまり、
Aからは「センの古城システムは混沌以前」だと言え、
Bからは「センの古城システムは混沌以後」と言えます。
この矛盾点の解決案として、自分は以下のように考えました。
「センの古城システムの当初の運び手はデーモンではなかった」
もし、元々は蝙蝠羽のデーモンではなく別の「何者か」が運び手を担っていたならば矛盾点を解決できます。ロードランからアノール・ロンドへ運ぶことは六目の伝道者も行っているはずなので、そこまで困難ではないのかもしれません。
ガーゴイルから運ばれる場所には、黄色く光った「光の輪」が発生します。
この「光の輪」は、オンラインプレイで他者が奇跡を使った場所に現れる白い輪イカリングの色違いです。これは本当に妄想の域を出ませんが、『ダークソウル3』のエンマのように、他者を直接アノール・ロンドへ召喚する奇跡のようなものがあり、この「光の輪」はそういった奇跡の名残なのかもしれません。
ちなみに、『ダークソウル3』のアイテム"勅使の小環旗"より、デーモンが生まれる遥か昔に作られたであろう輪の都にも「運び手」がいるはずなので、デーモンでない神の使いの「運び手」が居たと考えるのは自然です。
【勅使の小環旗】
古く大王グウィンの勅使が用いた小環旗
輪の岩壁を臨み掲げれば、運び手がやってくる
大王は、闇の魂を得た小人に
最果てに閉ざされた輪の都と
愛しい末娘を贈ったといういつか迎えをよこすと約して
(追記) Twitterのリプライで教えていただいたこと。
センの古城のアイアンゴーレムと戦闘する場所では、アノールロンドに繋がっていたであろう門が塞がれています。
かつてアイアンゴーレムに勝利したものは、直接アノールロンドへ渡ることができていたのかもしれません。
以上のことをまとめると、
ウーラシールの試練⇒センの古城の試練⇒2つの鐘制作(シースが関わる?)⇒混沌、デーモンの発生
という時系列になると考えられます。
・アルトリウスについて考えよう
次は、アルトリウスを通しての時系列です。
【アルトリウスの大剣】
「深淵歩き」の騎士アルトリウスの墓守
灰色の大狼シフのソウルから生まれた大剣アルトリウスはダークレイスの狩人であり
その剣もまた闇の眷属に大きな威力を発揮する
アルトリウスの伝説には不正確なものが多いですが、「アルトリウスはダークレイスの狩人」という文言を信じて以下は突き進んでいきます。
【赤い瞳のオーブ】
オンラインプレイ専用アイテム
他の世界に侵入する
(誓約者のみが使用でき、亡者では使用できない)侵入先の世界で、世界の主を倒せば
人間性を得ることができるカアスに唆された、ダークレイスたちの業
彼らは人間性を求め、さらなる闇に堕ちていく
あるいは、それこそが本来の人であろうか
ダークレイスは世界蛇カアスによって力を与えられた四人の公王に仕える騎士たちのことです。アルトリウスがダークレイスの狩人であったならば、彼は小ロンドが闇に堕ちた時点ではまだ活動していたと言えます。
小ロンドの封印者イングウァードのセリフを確認します。
わしも、多くを知っているわけではないのだが・・・
ただ、かつて騎士アルトリウスは
深淵を歩き、ダークレイスを狩ったという(癒し手イングウァード)
封印者のイングウァードが知らないのであれば、アルトリウスは直接封印には立ち会ってはいなかったのでしょう。
ダークレイスは、人と、ソウルで生きる全ての敵じゃ
もう二度と、この世に放ってはならんのじゃと・・・
(癒し手イングウァード)
かつてダークレイスが世を脅かした際に狩人として活躍したのがアルトリウスだったのかもしれません。
最終的にアルトリウスはウーラシールで倒れるため、小ロンドの崩壊はウーラシールの崩壊よりも前のこととなります。
つまり、四人の公王がグウィンに出会い王のソウルに出会ったのはウーラシールがまだ平和だった時代であると分かります。
上で述べたセンの古城とウーラシールの試練の時系列を考えると、四人の公王はウーラシールの試練を越えて神への謁見を許された人なのかもしれません。(4対1はズルだろ)
以上から、小ロンドの崩壊はウーラシールの崩壊よりも古い出来事であったという解釈できます。
「アルトリウスの伝説は全てウソ!」とみなすことも出来ますが、今まで自分は思考停止で「ウーラシール⇒小ロンド」という時系列で考えていたので、テキストを見直すことで異なった解釈をできたのは面白かったです。
「解呪」という神の業や、大量の水による封印、雷を放つ赤子や青い炎など、小ロンドには掘り下げるべきテーマがまだまだ眠っているので、今後も調べてみたいと思います。
・輪の都とウーラシールについて考えよう
輪の都にはある国からの使節団が来ていました。
【古めかしい平服】
古い魔術の国の平服
黄金の飾りは僅かな魔力を帯びているが
本来、戦いのための装束ではない遥か昔、ある使節団が輪の都を訪ねたとき
唯一残った若者が
記録上最後の、教会の槍になったという
「古い魔術の国」「黄金の飾り」から推測されるように、この使節団はウーラシールであると予測されます。この使節団の一人、ハーフライトが記録上最後の教会の槍となりました。
ウーラシールの事実を知っている我々からすると、「記録上最後」という文言も、この使節団以降にウーラシールの崩壊が起き、輪の都との交流が絶たれてしまったのではないかと考えることができます。
さて、輪の都にあるウーラシールの足跡のなかで、興味深いものがあります。
この白い木です。
この白い木はロスリック各地に存在し、木の付近では「幼い白枝」を拾うことができます。
【幼い白枝】
まだ幼い白皮の木の枝
場所にふさわしい何かに変身する
宵闇の少女がはじめて手にした魔術の杖は
やがて苗木となり、三本の白い木になった
今もその幼い枝には、彼女の悪戯が宿るという
白い木は宵闇の少女が残した枝が成長したものだそうです。
では輪の都の木も、もとは宵闇の枝だったのでしょうか。
私の故郷、ウーラシールは、私の時代でも、既に亡んでいました
だから、やっぱり私は一人で・・・
(ウーラシールの宵闇)
宵闇は「もう既に亡んでいた」と言っているので、輪の都への使節団に宵闇が居たと考えるのは不自然です。
白枝はやがて3本の木となったと書かれていますが、ロスリックでは「不死街」「深みの聖堂」「ファランの城塞」の本編エリアで既に3本が確認されています。
宵闇が使節団にいたとは考えられませんが、なぜ輪の都に白い木があるのでしょうか。
ここで、ウーラシールの崩壊の原因となったマヌスを思い出してみます。彼は古い人の魔術師でした。
彼は宵闇を深淵の穴に捕え、さらに割れたペンダントを持つ主人公を過去に引き摺り込みます。割れたペンダントはとても古いものであり、マヌスの時代にゆかりのあるものだと想像できますが、なぜ直接面識がないであろう宵闇は捕えられてしまったのでしょうか。
ここで宵闇の装備品のテキストを確認してみます。
【宵闇の頭冠】
ウーラシールの姫君たる宵闇に
誕生と共に与えられた、特別な魔法の頭冠装備者はすべての魔法に祝福され
魔法の威力、効果は高まるが
魔法によるダメージも大きくなる
宵闇はウーラシールの姫君であり、その誕生と共に指冠と頭冠は贈られました。
ここからは多分に希望が含まれますが、
この二つの品は宵闇のための品ではなく「ウーラシールの姫君」のための品であると読み取れます。
強引に捉え方を変えて、「ウーラシールの姫君」に与えられる名前こそ「宵闇」であり、頭冠や指冠は代々姫君に引き継がれている物と解釈できます。(ゼルダ姫みたいなイメージ)
そう考えることで嬉しいことは、輪の都に白枝を残したのは宵闇であり、ロスリックの各地に残したのも宵闇、同一人物ではないが同様にウーラシールの姫君であったなら矛盾なく自然に考えることができます。(”三本の木”には矛盾しますが...)
・・・以前、深淵の化け物に襲われた話をいたしましたが
その時、私は気を失くしていて・・・
でも、ひとつだけ、覚えている感情があるんです強く、懐かしむ感情・・・
戻らない幸福と、その思い出の品・・・それを求める思い・・・(ウーラシールの宵闇)
また、本来赤の他人であるはずのマヌスが宵闇を捕まえ、彼女に対し懐かしむ感情を持っていたのは、もしかすると彼の知る彼の時代に同じ装束を着た宵闇が居たからではないでしょうか。
輪の都の白い木に色々理由をこじ付けたかっただけではありますが、かつての古い使節団がマヌスの生きていたレベルの古い時代だったのかもしれないと思うと、妄想が膨らんで楽しいですね。
・グウィンと黒騎士について考えよう
最後のテーマです。グウィンの火継ぎは一体いつのタイミングだったのでしょうか。
まず単純に、グウィンの火継ぎが二つの鐘の作られる以前であることは確実でしょう。
グウィンが火継ぎに旅立った際、彼の騎士たちは二つに分かれました。
幻の王女を護る銀騎士とグウィンを追った黒騎士です。
火継ぎに飲み込まれ灰となってさまよっている黒騎士たちはデーモンと戦っていたという記録もあります。
【黒騎士の大剣】
ロードランをさまよう黒の騎士たちの大剣
混沌のデーモンと対峙するための武器大きな動きから体重をのせた攻撃は
かつての彼らの敵の強大さからくるものだ
今までの議論からすると、少し疑問が生まれます。
二つの鐘建築 ⇒ 混沌発生
と考えていたので、グウィンの火継ぎも考えると、
グウィンの火継ぎ ⇒ 二つの鐘建築 ⇒ 混沌発生
となります。混沌、デーモンの発生がグウィンの火継ぎ以降ならば、誰の指示で黒騎士はデーモンと戦っていたのでしょうか。
個人的な考えですが、黒騎士はグウィンの火継ぎに付いていくほどですから、相当なグウィンの信奉者であると認識しています。そのため、黒騎士のデーモン狩りもグウィンの指示によるものと考えていましたが、上の考え方では成り立ちません。
『ダークソウル3』において、燻りの湖にはデーモン遺跡に向けられた巨大なバリスタと巨人奴隷の遺体があります。
デーモンではなく、砂ワームを退治するためのバリスタかもしれませんが、これに関してはテキストも無いのでわかりません。もしも神々の奴隷である巨人もデーモン狩りに参加していたのならば、黒騎士だけの行動ではなく、アノール・ロンドの神の命だったのかもしれません。
アノール・ロンドには蝙蝠羽のデーモンが、北の不死院にもデーモンがおり神はデーモンを支配したかったのかもしれません。
語尾が「かもしれません」まみれになってきたのでこのテーマはここで終えておきます。
・おまけ 太陽の長子の家出
愚かさ故に神を追われた太陽の長子が、アノール・ロンドを去ったタイミングはいつ頃か少し考えてみます。
【太陽の光の剣】
かつて太陽の長子が振るった奇跡
右手の武器を太陽の光の力で強化する太陽の光の力とは、すなわち雷であり
特に竜族には、大きな威力を発揮するだろう空っぽの大王の棺に備えられたそれは
神を追われた彼の、別れの言葉だったろうか
実質の死を意味する火継ぎに対して作られたのがこの棺なら、長子の別れはグウィンの火継ぎ以降であることがわかります。
『ダークソウル3』では竜狩りの戦神であった無名の王は竜と仲良しだったそうですが、アノール・ロンドに残った神で竜好きを追い出したい者といえば、やっぱり白竜くんですかねぇ。(こいつまたシースのせいにしてますよ)
・まとめます!
だらだらと書いてきたので、ここらで考えてきた時系列をまとめたいと思います。
一応、上から順に時系列で書いています。細かい時間の前後(火継ぎのタイミングやセンの古城の開始タイミングなど)は有りますが、今回整理した時系列は一通りまとめています。
デーモンや黒騎士などは直観とは異なる結論を炙り出せたので、一度落ち着いて整理した意味はあったと思います。
テキストの根拠が少なく、仮定が多くなってしまい細長く脆い考察になってしまったので、より自然な時系列の解釈も沢山あると思います。
・おわりに
今回整理して得られたことをまとめると、
①やっぱり大体シースのせいかもしれない
②デーモンと混沌周りは時間の前後関係が複雑である
③黒騎士の行動目的は思った以上に複雑かもしれない
元々一筋縄ではなかったものが、さらに謎を深める結果となってしまいましたが、まあそんなものでしょう。
グラッグラな組み立ての考察ですが、広い時間軸で記事を書いたこともなかったので楽しかったです。
終わり!
7/28 追記
こんにちは。久々に書きます。
といっても新しい記事ではなく、追記という形になります。
上の文章ではダークソウル(無印中心)の時系列をできるだけ整理してみようという試みで書いています。暇だったら読んでください。
今回はこの時系列に関して、少し考え直さないといけない結果が得られたため報告します。
今回追記をすることになったきっかけは、友人とウーラシールの決闘でワチャワチャ遊んでいた時のこと。
「この銀騎士像センの古城にもあったよなあ。」
いままでこの銀騎士像を特に気にしていなかったのですが、ウーラシールの決闘の舞台を見まわしてみると、センの古城と全く同じ造りをしていることが分かりました。
まず共通点として特徴的なのは、茶色いレンガ造りであることが挙げられます。
ウーラシールで見られる建築とは異なり、センの古城と類似した建築になっています。


さらには、上の画像で示した”ガーゴイル像”も共通しています。
(左がウーラシールの決闘、右はセンの古城のアイアンゴーレム部屋)
この像が具体的に何を表しているかを考えることはここでは控えますが、センの古城ととの分かりやすい共通点の一つです。


さらに細かいことになりますが、上の画像で示した、柱や壁に共通してみられる紋章がどちらのエリアでも確認できました。
以上のことから推測されることは、
「ウーラシールの決闘とセンの古城は同時期に作られたものである」
という可能性です。
どちらも「神への道」という共通点はあったため、今回のような類似した点が発見できたことは嬉しいのですが、センの古城が作られた時期はウーラシールよりも後だと考えていたので、修正が必要になりました。
つまり、管理者が必要であるウーラシールの決闘と、奴隷巨人で動かしているセンの古城は同時期に作られており、ウーラシール決闘の管理者は失われその機能を失い、センの古城とアノール・ロンドを繋ぐ門は埋められた。
そして混沌とデーモンが生まれたときアノール・ロンドへの道は再び繋がり、神の火継ぎの悲願と白竜の野心が動き出す...
ウーラシールの決闘とセンの古城をどのように使い分けていたのかは分かりませんが、開発時は黒い森の庭はアノール・ロンドにあったらしいので、
センの古城が予選、ウーラシールの決闘が決勝戦のような意味合いだったのかもしれませんね。
※「クリスタルゴーレムが森にいるのは、そこがアノール・ロンドにあった名残」というラジオで発言していた没ネタを元にした推測ですので、ここは話半分で...
【ダークソウル 】アルトリウスと狼騎士【考察】
不定期更新覗き魔ブログ、今月の記事です。
今回は『ダークソウル』と『ダークソウル3』から、「アルトリウスの大剣」と「狼騎士の大剣」が持つ特殊な効果について調べ、その結果からアルトリウスについての考察を進めていこう、という方針です。(2種類あるアルトリウスの大剣のうち、今回考えるのは神聖属性のものです。)
まずは武器のテキストを確認しましょう。
・アルトリウスの大剣『ダークソウル』
【アルトリウスの大剣】
「深淵歩き」の騎士アルトリウスの墓守
灰色の大狼のシフのソウルから生まれた大剣アルトリウスはダークレイスの狩人であり
その剣もまた闇の眷属に大きな威力を発揮する
・狼騎士の大剣『ダークソウル3』
【狼騎士の大剣】
ファランの狼血の主
深淵の闇に汚れた騎士の大剣狼の騎士は、最初の深淵の監視者であり
その剣もまた闇の眷属に大きな威力を発揮する
武器の画像を見てもらうと分かる通り、狼騎士の大剣は深淵の大剣と同じ外観をした武器であり、どちらもアルトリウスの武器を元に生成された武器であることがわかります(武器アイコンは何故か深淵の大剣ではなく普通のアルトリウスの大剣)。 テキスト中にあるように、これらの武器による攻撃では、闇の眷属に対してダメージが増加します。
では具体的に闇の眷属とは何を指すのでしょうか。
まずは『ダークソウル』アルトリウスの大剣の対象から。
『ダークソウル』 アルトリウスの大剣でのダメージ増加対象
・ダークレイス
・四人の公王
・カアス
・フラムト
ダークレイスとその親玉である四人の公王に対してダメージが増加することは、アルトリウスがダークレイスの狩人であることから自然に理解できます。カアスやフラムトに対してダメージが増加するのは一見疑問に思えますが、本来ダークレイスの生命喰いの力は世界蛇の業であるため、蛇たちも対象に入ると考えられます。
『ダークソウル』におけるアルトリウス大剣の対象となる闇の眷属とは、「世界蛇の業を持つ者、生命喰いの力を持つ者」と言えます。
続いて、『ダークソウル3』の狼騎士の大剣について。
『ダークソウル3』 狼騎士の大剣でのダメージ増加対象
・エルドリッチの腐肉
・神喰らいのエルドリッチ
・ダークレイス
・灰の審判者、グンダ
・覇王ウォルニール
・人の膿
・深みの呪者
・竜狩りの鎧
・ハーラルドの戦士
・闇喰らいのミディール・(巡礼の蝶)
攻略本などを参考にしたので過不足があるかもしれません。
『ダークソウル3』における闇の眷属と呼ばれる存在はかなり多いことがわかります。
『ダークソウル』のアルトリウスの大剣の対象であったダークレイスに加えて、闇を溜め込んだもの、闇に操られたもの、深淵に落ちたものなどなど多岐にわたります。
狼騎士の大剣では闇の眷属の範囲がアルトリウスの大剣より拡大していることがわかります。
実際、『ダークソウル』では深淵に飲まれた騎士アルトリウスやウーラシール市民、ウーラシールの深淵の根源である深淵の主マヌスに対してさえアルトリウスの大剣でのダメージ増加は有りません (人間性マラソンでお世話になる深淵湧きもダメージ増加はありません)。
なぜアルトリウスの大剣と狼騎士の大剣でダメージ増加範囲に違いが生まれるかを考えます。
ここで、ダメージ増加の仕組みを見直してみましょう。
【黒騎士の大斧】
世界をさまよう黒騎士たちの大斧
混沌のデーモンと対峙するための武器自らよりも大きな敵と戦い続けた故だろうか
独特の攻撃は、敵の強靭度を削る力が強い
【亡者狩りの大剣】
仮面の騎士が振るい続けたという大剣
亡者たちの脳裏に刻まれた恐怖の記憶亡者に対して特に効果が高い
かつてミラの正統な騎士に与えられたものであり
両手持ちで独特な剣技を見せるという
デーモンと対峙した黒騎士の得物はデーモン特攻を持ち、亡者を狩り続けた大剣は亡者特攻を持つように、本来の武器の持ち主が何をその武器で狩っていたかこそが重要であると考えられます。
アルトリウスはダークレイスの狩人に過ぎず、深淵に敗れた存在でした。それ故に、彼の大剣はマヌスなどの深淵の勢力に対して特別な力を持つことはありませんでした。
では何故、狼騎士の大剣はダークレイスに留まらず、多くの闇の眷属に力を持つのでしょうか。
ここで、アルトリウスと狼騎士は同一人物ではないという可能性を提示します。
つまり、狼騎士とはアルトリウスの遺志を継ぎ、深淵を討った不死の一人であると。
狼騎士の大剣が深淵を討った不死の得物であるならば、ウォルニールやハーラルド騎士などの深淵の存在に対して有効であっても不思議ではありません。
もちろん、狼騎士装備や狼騎士の大剣はアルトリウスの物と同一であり、別人のものであると考える方が無理があります。
狼騎士がアルトリウスではないと考える根拠を述べていきます。
根拠1.狼騎士装備のテキストにはアルトリウスの名が無い
【狼騎士の兜】
深淵の闇に汚れた騎士の兜
群青の房は決して乾かず、濡れそぼっているかつて騎士は終に倒れ、使命と狼血を残した
それはファランの不死隊のはじまりであり
監視者たちはその甲冑に、自らの最期を見る
比較として、竜狩り装備のテキストを示します。
【竜狩りの兜】
「竜狩り」オーンスタインの名で知られる
黄金獅子の兜。雷の力を帯びた神代の甲冑竜無き時代、廃聖堂を守ったという騎士は
だが無名の王を追い、その地を去ったという
竜狩りの装備は確かにオーンスタインの名で知られているのに対して、狼騎士の装備はアルトリウスの名前で伝わっていません。
根拠2.アルトリウスの名前は伝わっている
アルトリウスは『ダークソウル』の時代で既に命を落としており、そのため『ダークソウル3』の時代で名前が伝わっていないだけである、と考えることができますが、実は『ダークソウル3』の時代でもアルトリウスの名前は伝わっています。
【狼の指輪】
最古の王グゥインに仕えた四騎士のひとり
「深淵歩き」アルトリウスの名で伝わる指輪強靭度を高める
アルトリウスは、強靭な意志により決して怯まず
大剣を振るえば、まさに無双であったという
グウィンからアルトリウスに与えられたこの指輪は、狼騎士の物としてではなく、きちんとアルトリウスの名で伝わっています。
根拠3.不死隊の試練は『ダークソウル』の火継ぎの模倣
不死隊の試練とは、ファランの城塞内の火を消す、独特の入隊の試練のことです。
ファランの不死隊には、独特の入隊の試練があってな
城塞の内、3つの祭壇の火を消すことで、狼の血への扉が開く
呪われた不死人が、それでも特別であると信じたいのさ
(脱走者ホークウッド)
3つの祭壇の火を消すことで、大きな門の前の燭台に火が灯ることで門が開きます。
この祭壇にはレリーフが彫られており、上からそれぞれ「墓王ニト」「四人の公王」「イザリスの魔女と混沌の娘たち」がモチーフとなっています。
・墓王ニト
・四人の公王
・イザリスの魔女と混沌の娘たち
(中央に魔女、下部に7人の娘たちがいる。ゲーム中だと分かりにくいですが、デザインワークスだと7本の杖がよく見える。)
・消された火は門の前へ
『ダークソウル』の不死の英雄は、はじまりの火から王のソウルを見出した者たちを殺し、そのソウルを扉の前に捧げることで火継ぎへの道を開きました。
不死隊の試練は、ロードランの不死の英雄の試練を模していると考えることができます。
※白竜シースについて
当然、「なぜシースの祭壇は無いのだ」という話になりますが、正直わかりません。
ゲーム制作上の都合か、シースが倒されなかった世界なのか、シースが姿を変えて生きていることを表しているのか...
・デザインワークスにはシースを模したと思われる祭壇のデザインがある
・まとめ
以上をまとめると、
・狼騎士の大剣は深淵の勢力に特攻を持つ → 狼騎士は深淵の狩人
・狼騎士と騎士アルトリウスは同一であるとは言い切れない。
・不死隊の試練はロードランの不死の英雄の行動を模している。
これらのことから、狼騎士はウーラシールで深淵を討った不死の英雄であると考え出すことができます。
不死の英雄でありながら、深淵の監視者として生き、終に倒れた騎士こそが狼騎士であり、ファランに不死隊を生んだのです。
・おわりに
アルトリウスと不死の英雄の真実を知っている者は、鷹の目ゴーと王の刃キアラン、エリザベスくらいでしょうか。(ウーラシールの宵闇は気づいていない?)
ファランの城塞にエリザベスらしき遺体があることや、鷹の指輪を持つ巨人がウーラシールと繋がりを持っているなど、ウーラシールを知る者たちの影響は『ダークソウル3』の世界にまで伝わっていそうです。
火を継いだただ一人の不死ではなく、様々な不死の英雄の足跡が残っていると考えれば、オーンスタインが倒されていない世界であったり、大狼シフが死んでいない世界がロスリックに流れていると考えることができるかもしれません。
深淵の監視者の剣とスズメバチの指輪がある墓を守る白い犬くん好き
【ダークソウル 】「君、影薄いねw」 亡者と影について
今回は、ダークソウル3の不思議な現象についてまとめたいと思い書きました。
ダークソウル3では、プレイヤーはロンドールのヨエルに暗い穴を開けてもらうことで、死亡により体に呪いを蓄積することができるようになります。
プレイヤーは呪いが蓄積すると、姿が亡者に変わりますが、見た目がシワシワになること以外大きな変化は起きません。
(亡者派生武器に運のボーナスは付くらしい)
しかし亡者状態になることで、見た目の変化だけでなく「影の消失」を引き起こします。
この影の消失現象に興味を持ったため、いろいろ調査を行いました。
まずはじめに、ダークソウル3においてプレイヤーがの影ができる条件として、
・亡者状態ではない。(暗い穴、呪い値の有無は関係なし)
・霊体状態ではない。(偽りの指輪は関係なし)
・篝火、太陽、月などの光源の直接光でのみ生まれる。(回折光や窓からの光では影は生まれない)
以上のことに注意して、ロスリック各地のモブに対して影の有無をチェックし、その共通点を考察のヒントにしようという目論見です。
1.影の消えた者たち
以下に、影が消えてしまう状態、モブを紹介します。
①亡者化したプレイヤー
暗い穴を開けてもらい呪いを溜めることで亡者化したプレイヤーは影を失います。
暗い穴を持っているのみでは影は失いません。
また、影だけではなくツルツルした床や水面への映り込みも消失します。
生者状態は影あり
亡者状態は影なし
生者状態は映り込みあり
亡者状態は映り込みなし
②霊体
亡者、生者にかかわらず霊体になったプレイヤーは影を失います。
霊体は影なし
影の消失は白霊、闇霊、狂った霊体に問わず起きます。水面への映り込みも同様に消失します。(ミディール戦の水面を見るとホストとボスだけ映り込んでいる事がよくわかるかも)
③絵画世界の忌み人
絵画世界の鴉の頭をした「忌み人」にも影はありません。
忌み人には影なし
猛毒を吐く大型の忌み人や、魔術を使う忌み人も影が消失しています。
ちなみに「鴉人の騎士」には影が存在します。
④輪の都の亡者
輪の都の亡者
輪の都の聖職者
輪の都で登場する、「輪の都の亡者」と「輪の都の聖職者」には影が存在しません。
契りの剣の輪を背負う亡者
胸に穴のある輪の都の亡者
輪の都の亡者の胸には穴が開いていること、契りの剣に似た物を背負っていることから、この亡者たちも、プレイヤーと同じロンドール式亡者なのかもしれません。
⑤おまけ
ハーラルド騎士の頭には影なし
ハーラルド騎士の頭部(人間性のモヤモヤ部分)には影が生まれていません。
魔術のエフェクトなどに影が無いことと同様の仕様でしょうか。
2.何故か影が消えなかった者たち
影が消えた者たちの共通点探しは置いておいて、影が消えそうで消えない不思議な存在を紹介します。
①亡者なのに影がある?
プレイヤーは亡者になることで影の消失が起きますが、亡者兵などの一般的なモブには影が存在します。
それではプレイヤーと同様に「暗い穴」を所持した亡者であるアストラのアンリには影があるのでしょうか。
アンリ、ホレイスは影あり
アンリには影があるため、火の無い灰の亡者の影が消えるというわけではないようです。
②霊体なのに影がある?
霊体は影が消えることを紹介しましたが、実は輪の都で侵入する「銀騎士レド」と「忌み探し」には影が生まれています。
銀騎士レドは影あり
「忌み探し」は影あり
輪の都で侵入してくる彼らは、プレイヤーが灰状態であっても侵入してくる特殊な霊体です。特殊な侵入をする霊体であることが、この影の発生に影響しているのかもしれません。
ちなみに「呻きの騎士」くんは何度誘導しても落下死してしまうのでノー検証です!
さらに、ダークソウル無印での霊体も調べてみました。
ダークソウル無印の霊体 影あり
ダークソウル無印の霊体には影が生まれていました。(白霊にも影あり)
③忌み人なのに影がある?
絵画世界の忌み人には影がありませんが、例外があります。
友好NPCの忌み人には影あり
楔石の原盤をくれる友好NPCの忌み人や、鴉人の騎士に攻撃されている忌み人たちには影が存在します。鴉人の騎士が影の有る忌み人たちを積極的に排除しているのは、フリーデに反抗している ー絵画の焼失を望んでいるー 忌み人たちには影があるということを表しているのかもしれません。
④簒奪者には影がある?
プレイヤーは亡者になることで影を失います。しかし、亡者の王となりはじまりの火を奪った簒奪者となったとき、何故か影が生まれています。
簒奪者エンド 足元に落ちる影
しかし、この影が生まれる現象には理由があります。
亡者状態でもムービー中には影がある
影が消えているはずの亡者状態であっても、ムービー中には影が発生していることがわかります。そのため、簒奪者エンドの影には考察の材料になるような理由は、恐らく無いと考えられます。カナシイ
⑤おまけ
モブだけでなく建物や配置物にも影がある物とそうでない物が存在しますが、複雑になってしまうので気になった物の紹介をします。
ダークソウル3の篝火 影なし
ダークソウル無印の篝火 影あり
霊体の影の件もあり、ダークソウル無印では影の消失といった現象が起きないと推測されます。
「ロスリックとロードランを支配する世界の法則は大きく異なっている」と捉えることもできるかもしれません。
・まとめ
霊体を除き、影が消失するのは
・亡者化したプレイヤー
・敵対している忌み人
・輪の都の亡者、輪の都の聖職者
⇒少なくとも影が消失しているのは全て亡者である。
・火の無い灰の亡者であるアンリには影がある。
⇒暗い穴を持つ亡者であっても必ずしも消失しない。
・通常の霊体は影が消失する。
・灰状態でも侵入する「銀騎士レド」や「忌み探し」の闇霊には影がある。
⇒霊体にも影の有無が存在する。
⇒影ができる理由は有るはず。
・ムービーでは、亡者状態でも影が表れる。
⇒悲しい
・おわりに
今回は「考察」というより、あくまで「検証」の範囲となってしまいました。
影の消失は、ゲームのシステムの影響による可能性も”かなり”あるため、考察まで踏み込むことが難しいと判断しました。
ダークソウル無印やダークソウル2での検証はほとんど行っていないため、もしかすると大きなヒントがあるかもしれません。
自分ができた範囲の検証はここまで! ということで報告を締めさせていただきます。
発見があれば是非教えてください。
【隻狼・ダークソウル】銭はどうして拾わないといけないの (罪の火・怨嗟の炎)【考察】
ダークソウルと隻狼の複合記事です。
結論から言えば、「罪の火と怨嗟の炎は同一である」といったことを言いたい記事です。
今までにいくつかの記事で、罪の火の性質は、
① 罪の火は消えない。
② 罪の火は色を変える。(青色→赤色)
③ 罪の火は人を追いかける。
④ 罪の火は感情を焼く。
であると述べてきました。
これらの性質が怨嗟の炎にも共通していることを確認していきます。
1.火は消えない
【罪の大剣】
法王サリヴァーンの持つ右手の剣
罪の火を称する儀式の剣遥か昔、イルシールのはずれ
その地下に罪の都と消えぬ火を見出したとき
若き魔術師サリヴァーンの心にも
消えぬ野心が灯ったのだろう
罪の火が消えないという性質は多くのテキストに示されています。
では、怨嗟の炎はどうでしょうか。仏師とエマとの会話にこのようなものがあります。
炎は... まだ、消えませんか?(エマ)
エマよ...
何度聞いても、変わりゃあしない
いくら仏を掘ろうとも、怨嗟の炎は消せぬ
押し留めるが、せいぜいじゃ(仏師)
怨嗟の炎は消えることがなく、抑えることしかできない。 これは罪の火の性質と一致します。
【王の薪】
巨人ヨームが残した王の薪
王が玉座に戻らぬならば
その薪を戻せばよい孤独な巨人は、罪の火を鎮めるため薪の王となった
彼を王と呼ぶその声に、心がないと知っていても
仏師は怨嗟の降り積もる先になり、仏を掘ることで自らを燃やす炎を抑えていました。
そしてヨームもまた、罪の火を鎮めるために王となりました。
2.火の色を変える
以前の記事で獄吏のランタンと罪の火を結びつけて考えました。
獄吏のランタンの不思議な性質の一つに「火の色が青から赤に変わる」 というものがあります。
ここで、隻狼の休息地点である「鬼仏」を見てみましょう。
鬼仏は、仏師が荒れ寺で掘っているものと同じ形状をしており、おそらく同一のものでしょう。仏師は自らを焼く怨嗟の炎を抑えるために鬼仏を彫っていました。
休息地点である鬼仏には、青い炎が漂っています。また、鬼仏からは「形代」を購入することができます。
【形代】
ただよう白い形代
人に限ったことではないが、
何か心残りがあれば、その想いが
幻として形を取って見えることがある義手忍具など、形代を消費することで
使えるアクションがある
形代とは、心残りが形となって見えているものです。怨嗟を彫り出した鬼仏から、人間の心残りの感情が得られることは不思議ではありません。
ところでこの形代はマップ上にもいくつか配置され、狼が近づくと自動で吸い込まれてしまいます。
隻狼には吸引というシステムがあり、敵の落とした銭やアイテムを任意で拾うことができます。このように、形代と銭は明確に拾得システムが区別されています。
ダークソウルを思い出すと、あの世界での通貨の役割を持っていた「ソウル」は自動的に取得されていました。 ではなぜ隻狼では銭を自動取得にしなかったのでしょうか?
答えは当然、「銭は”物”」だから拾わなければならないのです。
逆に言えば、ソウルや形代などの人の意志は「人を自動で追いかける」と言えます。
【追う者たち】
深淵の主マヌスの魔術
人間性の闇に仮りそめの意志を与え放つもの与えられる意志は人への羨望、あるいは愛であり
その最期が小さな悲劇でしかありえないとしても
目標を執拗に追い続ける
人の意志が人を追いかける事実はダークソウルでは定番でしたが、その法則は隻狼でも適用されています。
さて、炎の色の話題に戻りましょう。獄吏のランタンの火は、青色から赤色に変わりましたが、青い炎を纏う鬼仏が、真っ赤に燃える瞬間も存在します。
怨嗟の鬼戦の2ゲージ目の戦闘で、怨嗟の鬼は赤く燃えた鬼仏を飛ばしてきます。
青色から赤色に変わる特殊な火が、ダークソウルにも隻狼にもあったのです。
隻狼にはもう一つ、青い炎が赤く変わるものがあります。義父の梟です。
義父の梟もまた、青く輝く瞬間と、赤く燃える瞬間があります。この梟の術が「形代」の力によるものならば、人の意志はもとは青く、そして赤く炎の性質を帯びるのかもしれません。
3.人を追いかける
先ほど、「形代やソウルなどの人の意志は人を追う」と述べましたが、罪の火も同様に人を追っています。
これまた以前の記事で、「罪の火は意志を持ち、人を追う」と結論付けましたが、怨嗟の炎についてはどうでしょうか。
上でも紹介した怨嗟の鬼の鬼仏攻撃は、とてつもない追尾性能を持っており、怨嗟の炎もまた、人を追尾する性質があると考えることができます。
まとめ
感情に強く関わり、青と赤に燃える、消えることのない火は人を追い続ける。
罪の火と怨嗟の炎には、共通点が多かった!
この記事を書く発想のきっかけとなり、とても参考になったACID BAKERYさんの記事を紹介させていただきます。
まだ続くんじゃ
根拠と呼べるほどではないですが、解釈として面白いものがあったので、余談として記します。
・空からの炎
怨嗟の炎と罪の火を結びつけて考えると、いろいろ想像が捗ります。
【罪の炎】
罪の炎に由来する呪術
離れた敵を炎で包み、焼き払う
巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎によって滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという
罪の炎は空から生じたとされていますが、怨嗟の炎は降り積もります。
【咳の音・仏彫る者】
どこかで、苦しげな咳が聞こえる
咳をしているのは、
降り積もる炎に焼かれぬため
仏を一心不乱に彫り続ける
一人の男のようだ所持している分だけ、冥助確率が下がる
当然、降り積もるというのは文字通り空から炎が降っている訳ではないでしょうが、
文字通りのことが起こせてしまうダークソウルの世界なら、空から炎が降り積もっていると考えても面白いかもしれません。
・降り積もる者の左腕
怨嗟の炎を仏師が引き受けたように、ヨームもまた、罪の火を抑える存在となりました。
狼も仏師も、炎を引き受ける者は左腕を失っていますが、ヨームはそうではありません。
しかし、左腕に注目してみるとヨームのテキストにも左手に関するエピソードがあります。
【ヨームの大鉈】
かつて巨人ヨームが用いた大鉈
大盾と一対で常に先陣にあったというが
ヨームが盾を捨てた後、左の持ち手が追加されたそれは独特の叩き潰す剣技を生み
彼の晩年、その凄まじい戦いの語り草になった
同じく盾を捨てた先輩狼アルトリウスは、左手を負傷していました。
ヨームも左腕がなければ露骨だったのに
ここでヨームのご先祖様に目を向けてみましょう。
【巨人ヨームのソウル】
巨人ヨームのソウル
力を帯びた、異形のソウルの一つ使用することで莫大なソウルを得るほか
練成によりその力を取り出すことができるヨームは古い制服者の末裔であったが
請われて人々の王となり
その重い刃となり、硬い盾となったという
ヨームは古い征服者の末裔だそうですが、一体誰を指しているのでしょうか。
巨人ヨームを見て真っ先に思い浮かぶのが、ダークソウル2の巨人です。ヨーム本人には丸い穴の開いたチェインメイルの中に顔がありますが、ダークソウル3のトレイラーを見てダークソウル2の巨人の再来を感じた人も多いはず。
さて、このダークソウル2の巨人ですが、ドラングレイグに侵略した征服者であります。ドラングレイグの征服を率いた「巨人の王」は名も無き英雄に破れ、捕らえられました。巨人の王は最後の巨人となり、呪いを纏う者と対峙します。
隻腕だーーーー!!!