考察覗き魔

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ダークソウルシリーズに関する考察

【ダークソウル】黒教会を探したい!

今回は黒教会についての記事を書こうと思います。

・黒教会とは

黒教会とは、老人と亡者の国と呼ばれるロンドールの建物および集団の名称です。
黒教会の創始者にはエルフリーデ、ユリア、リリアーネの三人がおり、彼女らは世界蛇の娘と呼ばれています。
ロンドールと黒教会はダークソウル3にエンディングの一つにも深く関わる重要な存在ですが ーアイテムが多いにも関わらず!ー 謎が多い集団です。
細かい話は置いておき、とにかく黒教会を見つけたい!

モーリオンブレード

黒教会の尖塔を模した異形の剣
八つの枝刃と無数のトゲを持ち、出血を強いる

また黒教会の祝福は使用者の危機を喜ぶといい
HPが大きく減ると、攻撃力を一時的に高める
異形の姿に相応しい、呪われた剣であろう

モーリオンブレードのテキスト曰く、黒教会は八つの枝を持ったような尖塔を備えているようです。
このほぼ唯一といえる外見的特徴を頼りに、ロードランからロスリック、はたまたボーレタリアからヤーナムの果てまで黒教会を探した人は少なくないのではないでしょうか。攻略、対人、黒教会探しと、ダークソウルのメジャーな遊び三本の指に入りますね。
私も一般ダークソウルプレイヤーなので、よく黒教会を探しにいきますが、ダークソウル3が発売されて何年経ったでしょうか、世界中のプレイヤーが探しても「これぞ黒教会!」というものは見つかっていません。(見つかっていないと思います)
私は、黒教会の尖塔をむやみやたらに探すのではなく、ロンドールの情報から絞っていく作戦を決行しました。

・ロンドールとカリム

まずは2つのテキストを見ていただきましょう。

解呪石(dark souls3)

小さな頭骨が溶け込んだ灰色の石

呪いの蓄積を減らし、亡者状態を解除する。

亡者の国ロンドールの秘宝であり
彼らが自らを偽るときに使用する

ときには、その偽りを自分と信じ
亡者を捨てる裏切り者もいるという

解呪石(dark souls)

半ば頭骨が溶け込んだ灰色の石
カリム伯アルスターの秘宝の1つ
呪いの蓄積を減らし、呪死状態を解除する

人は呪いに対し無力であり
それを逸らすことしかできない

解呪石もまた、呪いを逸らす先でしかなく
それは人、ないし人だった何かなのだろう

ダークソウル3では、解呪石はロンドールの秘宝とされていますが、ダークソウルでのテキストにはカリム伯アルスターの秘宝とされています。
ロンドールとカリムには繋がりがあるのでしょうか。
カリムといえば、ダークソウルで登場する"カリムのオズワルド"もカリムの人物です。オズワルドは罪の女神ベルカ教戒師です。
偶然か意図してなのか、このオズワルドの装備は黒シリーズ(黒の聖職衣、黒のマンシェット、黒のタイツ)であり、ロンドールのユリアの黒シリーズ(黒のドレス、黒の手甲、黒の足甲)と重なるものが在ります。
この教戒師とロンドールのユリア、どちらも卓越した剣士という共通点があります。

ベルカの刺剣

罪の女神ベルカの教戒師が身に帯びる
象徴的な意味合いの強い刺剣

だが、それは単なる象徴に留まらず
魔力を帯びた刀身と、独特の剣技により
教戒師はまた卓越した剣士でもある

闇朧(dark souls3)

ロンドールのユリアの得物
見えぬ刀身を持つ魔剣

黒教会の指導者の一人であるユリアは
卓越した剣士であり
この一振りで百の騎士を葬ったという

・ロンドールとベルカ

カリムの教戒師から派生して、ロンドールとベルカの関わりについて整理します。
ロンドールとベルカの繋がりを匂わせるテキストといえばまず、沈黙の禁則でしょう。

沈黙の禁則(dark souls)

黒髪の魔女ベルカが伝える秘儀
効果範囲内ですべての魔法が使えなくなる

罪の女神は異端であるが
古今あらゆる秘儀に通じており
神々の中でも強い影響力を持つと言われる

沈黙の禁則(dark souls3)

ロンドール黒教会の奇跡

自分も含め、周囲にいる者の魔法を封じる

黒教会の者たちは、皆卓越した剣士であり
ロンドールの沈黙はいつも彼らと共にある
そして剣だけは、決して裏切らない

無印ダークソウルではベルカの秘儀として伝えられていた沈黙の禁則ですが、ダークソウル3ではロンドールの奇跡として伝わっています。
また、エレーミアス絵画世界にベルカの鴉人と呼ばれるエネミーがおり、ベルカはカラスと関連付けられることもあります。ユリアの頭装備は嘴の仮面であり、この嘴がカラスのものを指しているかは分かりませんが、黒装束のクチバシという点がカラスを想起させます。

嘴の仮面

ロンドールの黒教会、三人の指導者たちの装束
嘴の仮面は次女ユリアのもの

彼女たちは世界蛇の娘であり
黒教会の創始者としても知られている
すなわち亡者の救い手として

さて、先ほどテキストを示したベルカの刺剣ですが、この武器は神族に対して特攻を持つ邪教属性を持っています。
この邪教属性は、無印ダークソウルでしか登場しない属性ですが、ベルカの刺剣の他にダークハンドもこの属性を持っています。

・ロンドールと世界蛇

ダークハンド(dark souls)

カアスに唆された、ダークレイスたちの業
闇のソウルにより人間性を奪う吸精の業をなし
また特殊な盾ともなる

偉大なる古の者ともなれば、人間性溢れる聖人とて
一度にすべてを奪い取ることができるだろう

ダークハンドはカアスたち世界蛇の業であり、ロンドールもまた、この業を扱います。嘴の仮面のテキストにあるように、ユリアを含む黒教会の創始者たちは世界蛇の娘と呼ばれています。

カアス、貴方の遺志を・・・
(ロンドールのユリア)

ユリア殺害時のセリフから、黒教会の創始に関わってた世界蛇はカアスであることが分かります。
黒教会はカアスとも深く関わっており、これもロンドール捜索の手がかりとなります。
ここで、カアスと関わりがあったであろう、とある国について考えます。

貴公も、おそらく目にはしているだろうが
友アルトリウスを蝕んだ深淵の闇は
いまやこの国、ウーラシールを飲み込もうとしている


・・・おそらく、滅びは避けられまい
だが、たとえ、闇の蛇に唆されたとて
彼らは自ら望み、あれを起こし、狂わせたのだ


・・・滅びは自業というものだよ...
(鷹の目ゴー)

・ロンドールとウーラシール

深淵に堕ちた国ウーラシールは、闇の蛇に唆されたことがキッカケで古い闇を呼び起こしてしまったのだと、鷹の目ゴーは伝えてくれます。
闇の蛇がカアスであるとは明言されていませんが、もう一つの深淵に堕ちた国「小ロンド」の深淵の原因がカアスであることから、ウーラシールの原因もカアスであると推測されます。
さて、ウーラシールとロンドールの関わりですが、ロンドールの関連人物であるロンドールの老婆というNPCがウーラシールの魔術を使用します。

擬態(dark souls3)

古い黄金の魔術の国
ウーラシールの失われた魔術
場所にふさわしい何かに変身する

それはかの国の正式な魔術ではなく
ある少女が悪戯に生み出したものだという
宵闇の森で、ただ孤独を癒すために

擬態という一つの魔術の細い繋がりに過ぎませんが、確かにロンドールとウーラシールには接点があると言えます。
ところで、ウーラシールは無印ダークソウルで登場する国ですが、ダークソウル3で登場する輪の都とウーラシールには繋がりがあったようです。

古めかしい平服

古い魔術の国の平服
黄金の飾りは僅かな魔術を帯びているが
本来、戦いのための装束ではない

遥か昔、ある使節団が輪の都を訪ねたとき
唯一残った若者が
記録上最後の、教会の槍になったという

輪の都には、ウーラシールらしき足跡が多数存在し、かつてウーラシールの使節団が訪れたことが想像されます。

・ロンドールと輪の都

ウーラシールと繋がりのあった輪の都ですが、この輪の都ともロンドールは接点があります。

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図 モーリオンブレードと契りの剣

契りの剣

ロンドールの儀式剣
武器としては装備できない

契りの儀式により
真の亡者の王が生まれるという

伴侶の名はアンリ
霊廟の最奥で、王を待っている

この契りの剣は、火の簒奪者エンドで必須となるアンリとの結婚に必要なアイテムです。契りの剣と輪の都にどのような繋がりがあるのでしょうか。

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図 フィリアノール教会とその尖塔


図に示した輪の都のフィリアノール教会を見てみると、尖塔に特徴的な形をしたモノがあります。
なんと、契りの剣と同じ形をしています。
言い換えれば、契りの剣は輪の都の建物の尖塔を模しているということも出来ます。

黒教会特定のほぼ唯一の手がかりであったモーリオンブレードですが、これは黒教会の尖塔を模したとされる剣です。
モーリオンブレードも契りの剣も、教会の尖塔を模した剣だとすれば、これ以上ない共通点と言えるでしょう。
    

・まとめと妄想

以上では、テキストを中心に黒教会に関連する事実を整理しました。「結局、黒教会ってなんなんだい!」という話になるので、自分なりの妄想を記しておきます。

・ロンドールはカリム ?

上で示したように、カリムとロンドールには接点がいくつも見つかりました。そのため、ロンドール建国はカリムの陣営が関わっていたのではないか、という妄想です。
ユリアの得物である闇朧のテキストを確認すると、”この一振りで百の騎士を葬ったという”といった記述があります。ロンドールは亡者の王を求め、不死人たちの国を求めています。ユリアは不死人を良しとしない騎士たちと争っていたのではないかと推測できます。

不死狩りの護符

不死人狩りの道具
一定時間、効果範囲内のエストによる回復を禁じる

かつて不死人狩りを率いたロイド騎士の遺産
白教の主神ロイドの信仰は廃れて久しく
その狩りの業だけが受け継がれている
不死の回復だけを封じ、正々堂々と戦うのだ

白教のロイド騎士たちはかつて不死人を行っていたことが分かります。無印ダークソウルでは王の刃キアランも護符を使用するので、おそらく当時は正当な行為だったのだと思います。
しかし白教のロイド信仰は廃れていったようです。

ロイドの剣の指輪

白教に仕える騎士たちに与えられる指輪
主神ロイドの法の剣を象っている

HPが最大のとき、攻撃力を一時的に高める

だが白教のロイド信仰は、今や廃れて久しい
カリムの司祭たちは声高に主張する
ロイドは傍系にすぎず、主神を僭称したのだと

「ロイドはダメだぞ!」と主張した集団こそがカリムでした。
イリーナやイーゴンを見る限り、白教信仰自体は失われていませんが、"不死人を狩るロイド騎士に対する反抗勢力がカリムから生まれ、黒教会の源流となった"、そんな風に考えても面白いかもしれません。それこそカリムの異端のベルカ信仰が黒教会を生み出したのかもしれません。

モーンの兜

カリムの騎士に与えられる異形の兜

大司教使徒モーンを象ったものであり
特に兜は、司教座に並ぶ石像の頭部そのものである

カリムの騎士は、生涯一人の聖女に仕えるという
かつてモーンが、ある女神に仕えたように

モーン装備には、

「カリムの騎士は、生涯一人の聖女に仕える」

といったテキストもありますが、エルフリーデの騎士ヴィルヘルムもカリム騎士だったなら、フリーデに最後まで仕えようとしていたことも納得できます。
しかし、契りの剣と輪の都に関して、この仮説では説明できないので不十分であると思っています。

・ロンドールは輪の都 ?

輪の都=ロンドールと書いてしまっていますが、違うと思います。
正確に言えば、輪の都の崩壊のさらに未来に、ロンドールが生まれているのではないだろうか、という仮説です。
ロンドールが輪の都と密接であれば、契りの剣や魔術"擬態"の説明が簡単にできます。

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 図 輪の都の崩壊 

フィリアノールの目覚めの後、輪の都は崩壊します。崩壊した世界に、しかし、ロスリックとアノール・ロンドらしき影を遠くに確認することができます。
当然、輪の都は吹き溜まりから移動する場所であるため、ロスリックは崩壊しているはずです。
時系列を考えると、果てしなく複雑になってしまうため、輪の都が崩壊しているとき、ロスリックは残っている!という事実だけを確認してください。

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図 ダークソウル3オープニング一部抜粋


ダークソウル3のオープニングを確認すると、崩壊したアノール・ロンド、イルシール荒れた砂地を歩く巡礼者たちその頭上にはロスリック城
崩壊して世界が砂に飲まれた状況であってもロスリックは存在している。これはフィリアノール目覚め後の状況と一致します。
巡礼者の存在は、謎が多く、適当なことは言えませんが、ロンドールの手先としてロンドールのヨエルロンドールの老婆が巡礼者の姿で登場します。崩壊した世界の生き残りが、巡礼者としてロスリックに向かっていたのかもしれません。
(何が過去で、何が未来か、そもそもループしているのではないか? 時間の常識を一度捨ててしまえば、こういった妄想もありかもしれませんね。でも百も騎士がいなさそうだなあ。)

おわりに

今回は黒教会についての情報整理を目的に書き始めました。初めは”小ロンド遺跡の建物の尖塔”や”不死教会の尖塔”、”エレオノーラって建物の尖塔みたい!”みたいな話もしようと考えていたのですが、自分の中でまとまりがついてしまったので、ここでおしまいにしようと思います。
黒教会は、
・テキストが多い
・これだ!というものが無い
というワクワク考察コンテンツなので、様々な仮説が立てられて面白いと思います。

 

ありがとうございました。