考察覗き魔

考察覗き魔

ダークソウルシリーズに関する考察

【エルデンリング】二本指と三本指とメスザリガニ【考察】

エルデンリングで謎の多い、二本指・三本指に関する一つの面白そうな解釈を提示したいと思います。

 

 

さて、二本指とはエルデンリングで登場する謎の生命体(?)です。

二本指は「大いなる意志」と交信し、指読みを通して褪せ人を導きます。

円卓でそそり立つ二本指✌️

この二本指、なかなか謎が多くこれだけでエルデンリング考察の一大テーマとなる存在です。エルデンリングでは、この二本指と似た「三本指」も登場します。

王都の地下の三本指🤘

今回は二本指・三本指の面白そうな可能性を考えたので、ここに記録しておきます。

二本指の姿 染色体との類似

二本指の伝承

二本指の伝承が刻まれたタリスマン
信仰を高める

指は声を持たず、だが雄弁であった
指は執拗に蠢き、空に神秘を綴った
そして我らは言葉を得た。信仰の言葉を

信仰のステータスを上げるこのタリスマンには、二本指の姿が刻まれています。
しかし、どうにも様子がおかしい... そう、地面に埋まっているはずの二本指が、X字の姿で蠢いているのです。

これが二本指の本来の姿なのか、それは掘り起こさない限り分かりませんが、この姿をヒントに少し考えます。

私がこの姿を見て思い出したものは、「染色体」でした。

染色体(左)とその構成要素のDNA(右) (いらすとや より)

染色体は生物の細胞に含まれる遺伝情報を担う物質で、例えばヒトの場合、普通の細胞内では2本の染色体がセットでX字の形となった「二倍体」という形をとっています。

ただ、X字の物などこの世の中に腐るほどあります。二本指と形が似ているというだけでは議論は発展しません。

しかし、ある日の友人とのゲーム中、

「二本指の伝承、染色体にも見えるけど、三本指に繋がらないし意味ないよなぁ。」

友「あるよ。」

「えっ」

友「三本の染色体、あるよ。」

とHEROのバーテンダーばりのアンサーに驚いた私は、三本組の染色体について素人ながら調べました。

三本一組の染色体は「三倍体」と呼ばれ、ヒトの持つ染色体でも三倍体となることがあり、例えばダウン症候群は22+1対のヒトの染色体のうち、21番目が三倍体の場合に発現するそうです。また、動物の性別を決定する性染色体では、ヒトの場合XYなら男性、XXなら女性、というようにXとYの染色体ペアの組み合わせで構成されます。
この性染色体も3本セットになる事例があるそうで、性染色体がXXYとなるクラインフェルター症候群という例があります。ちなみにこれはオスの三毛猫(三毛猫は本来メスしかいない)が現れる要因らしいです。

黄金と生殖能力

さて、いきなり染色体について調べたことを書きましたが、はたしてエルデンリングと関係があるのか?
実はエルデンリングでも、性別や繁殖は一つのテーマで、黄金の祝福とも関連しています。
例えば、狭間の地における繁殖には黄金の宿る赤い血が必要になります。


f:id:yasaiprpr:20220426144100j:image
f:id:yasaiprpr:20220426144058j:image

エビやカニやタコは赤い血を持たず、白い肉を落とします。
狭間の地において、タコ自身では繁殖ができず、人を喰い卵巣を赤い血で満たします。

赤い血は黄金のきらめきを宿しており、腐ることのない黄金の祝福を受けていることがわかります。

つまり黄金を宿す血こそが生命の要であり、狭間の地において、黄金を持たないものは繁殖することすらできない世界です。

二本指はマリカやエルデンリング、大いなる意志と関連するため「黄金樹側」の存在です。逆に三本指は黄金から外れた存在であり、狂い火を用いるような三本指側の人間は黄金の祝福の影響を受けないそうです(エレの教会のカーレ談:各地の商人は目が黄色く、敵対すると狂い火を用いる者もいる)。

・二本指は黄金樹側

・三本指勢力は黄金の祝福を受けない

・黄金の祝福は生殖能力と直結

ちなみに、二本の性染色体が三本になるクラインフェルター症候群では、生殖能力を失うことが多いそうです。

エルデンリングにおける「性別」

エルデンリングでは、性別も一つのテーマです。

engankyo.hatenablog.com

以前の殴り書きで、デミゴッドの性別の曖昧さについて書きました。

同一の肉体に女性のマリカと男性のラダゴンが共存する例や、少年性と少女性を共に持つミケラの例があります。

性別は先ほど書いたような、性染色体のペアで形成される概念です。
当然、神はヒトではないのでそういった常識は通用しないでしょう。

ただ、ノーヒントでは進展しないので、ヒトの性別決定を参考にエルデンリング世界の性別を考えてみたいと思います。

エルデンリングでは、双子がいくつか登場します。
円卓のDや、モーゴットとモーグそしてミケラとマレニアなどです。

双子には一卵性と二卵性の場合があり、一卵性双生児の場合は同一の遺伝情報を持ち、その性別は同じで、姿もソックリになります。おそらくDやモーゴットとモーグなどは一卵性のタイプの双子ではないでしょうか。

では、ミケラやマレニアはどうでしょうか。彼女らは姿・性別も異なり一卵性のようには見えません。しかし、モーゴットは彼女ら双子を”天賦の双子”と呼びます。
”天賦”の意味の解釈は人それぞれですが、「生まれつき双子」、「双子になるべくしてなった」「先天的な双子」... こんな風に解釈しました。

しかしこのような解釈では、二卵性というより一卵性双生児の方がしっくりきます。

そこで色々調べた所、どうやら異性一卵性双生児という事例がいくつかありました。
異性一卵性双生児の場合、性染色体がXY(男)とXのみ一本(女)で別れるパターンやXX(女)とXXY(男)の組み合わせなどがあるそうです。

もちろんデミゴッドはヒトではないし、ミケラとラダゴンの子供という特殊すぎる環境ではありますが、ミケラとマレニアが一卵性の双子である可能性を排除はできないようです。

女性だけの稀人

性別が重要となるテーマは他にもあります。

f:id:yasaiprpr:20220426220906j:image

デミゴッドが殺された陰謀の夜の実行犯である黒き刃の刺客たちは全て女性であり、
さらに興味深いのが彼女たちがマリカと近しい稀人であったことです。

f:id:yasaiprpr:20220426224257j:image

稀人とは、狭間の地の外からきた女王マリカの同族であるらしく、おそらく人間とは全く別の生命なのでしょう。

黒き刃、ティシーの遺灰より、ティシーは黒き刃の長アレクトーの娘であるらしく、稀人には繁殖する能力があるようです。
メスしかいない個体が繁殖する手法として、単為生殖が考えられます。

単為生殖は植物や昆虫、一部の動物に見られる繁殖様式です。
例えば、一部のザリガニはメスの個体のみ存在し、単為生殖を繰り返して増殖することでき、外来種問題ともなっているそうです。

この単為生殖をするザリガニは、初めの方で述べた染色体を三本一組で持つ三倍体の個体らしいです。エルデンリングでもエビ(ザリガニ)が登場しますが、ザリガニたちは黄金の血を持たない白い肉を持つ生き物です。エルデンリングのザリガニも、通常の繁殖が不可能ならば、単為生殖で増えているのかもしれません。

↑ちなみにエルデンリングのザリガニはおそらくメス

外来種のマリカたち稀人が女性のみであり、繁殖も可能である生命であること、
そしてその体に現れる雄性のラダゴンという存在。そこから生まれる双子のミケラとマレニア。 

エルデンリングの神たちはとても不思議な生態系をしていることは、なんとなく分かりました。(なんと投げやりな)

性別や繁殖に直結する染色体に着目して、デミゴッドたちの生態系について考えることができました。

おわりに

今回、「二本指が染色体に似ている」という観点から掘り下げ、三本一組の三倍体と三本指や双子の性の問題、メスザリガニの単為生殖と女性だけの稀人について広げることができました。

女性集団や単為生殖で生まれるクローンのテーマは「しろがね人」などに発展ができそうですが、膨大なためここで止めておきます。

三本指と狂い火、目の問題へはあまり発展させられず悔しいですが、ザリガニの腹を見ている時が一番「俺は何やってんだ」感があって楽しめました(そしてメスザリガニの作り込みに脱帽)。

 

おわり!