テーマは『竜狩りの鎧に見る、ロスリックと輪の都』です。
DLC2にて、輪の都の大量のハーラルド戦士を越えた先の深淵の沼に、竜狩りの鎧が佇んでいます。
「熔鉄の竜狩り兜」
無骨で重い、熔鉄の兜
古い竜狩りの名残
かつてロスリックで
灰の英雄に敗れたそれは
ずっと捨て置かれ、深淵の沼に滑り落ち
再び狩りの記憶に支配された
灰の英雄によって倒されたロスリック城のボス「竜狩りの鎧」は、ズルズルと滑り輪の都に落ちたそうです。
ロスリック城のボスならば、そのまま吹き溜まりで登場しておけばいいものを、何故輪の都に配置したのでしょうか。今回はその点について掘り下げていこうと考えています。
- 輪の騎士と竜狩りの鎧
輪の騎士と竜狩りの鎧には、いくつか共通点があります。
まず一つに、どちらも竜狩りの騎士であった、という点です。
「竜首の盾」
古竜の末裔の首級を、そのまま盾としたもの
岩のようなそれは確かに硬質である
かつて輪の騎士たちは
神々の要請に応じ、竜狩りに列した
だがそれは、決して謳われなかった
輪の騎士の持つ盾は、かつて人々が神々の竜狩りのに参加したことを教えてくれます。
次に挙げる点は、彼らの「盾」についてです。
図1 竜狩りの大盾
図2 竜首の大盾(表)
図3 竜首の大盾(裏)
図1,2,3に挙げた画像は、それぞれ「竜狩りの大盾」と「竜首の大盾」の表面と裏面です。
注目していただきたいのは、竜首が貼り付けられている裏面です。
竜首の裏に、放射状に節の入った金属のような盾の存在が伺えます。
輪の騎士たちが古竜の末裔との闘いに臨むとき(竜首を貼り付ける以前)、竜狩りの鎧の持つものと同じ盾を持っていたのかもしれません。
2. 世界蛇の像
竜狩りの鎧と闘う場所である、ロスリック城と大書庫を繋ぐ大橋に、とある石像があります。
図4 息が臭そうな像
初代「ダークソウル」に登場する「世界蛇」を彷彿とさせる石像です。 羽のようなものが生えており、かつての姿とは様子が違うようです。
そして、輪の都にも世界蛇らしき像があります。
図5 息が臭いかもしれない像
ロスリックで見られたものとは異なり、脚が生え、体は鱗で覆われています。
ロスリックと輪の都は、世界蛇の息がかかっていた土地であることが推察されます。
肝心の竜狩りの鎧と世界蛇の関係はどうでしょうか。
図6 熔鉄の竜狩り兜と世界蛇
図6に示したのは、竜狩りの鎧の兜と世界蛇の顔の比較です。
鼻やその脇から生える肉垂のようなもの、そしてズラッと並ぶ歯など、類似するパーツがいくつかあります。
ここから、竜狩りの鎧は世界蛇をモチーフに作られていると捉えることができます。
3.深淵と生を帯びる鎧
「深淵」と「生を帯びる鎧」について考えます。
「輪の騎士の鎧」
輪の騎士たちの、歪んだ鎧
古い人の防具は、深淵によって鍛えられ
僅かにだが生を帯びる
「竜狩りの鎧のソウル」
巡礼の蝶に操られた竜狩りの鎧は
遥か昔に主を失い、だがその狩りを記憶していた
「熔鉄の竜狩り兜」
無骨で重い、熔鉄の兜
古い竜狩りの名残
かつてロスリックで
灰の英雄に敗れたそれは
ずっと捨て置かれ、深淵の沼に滑り落ち
再び狩りの記憶に支配された
輪の騎士はテキストから分かるように、深淵によって生を帯びた鎧を装備しています。
そして、竜狩りの鎧も深淵に関わりがあります。
図7 巡礼の蝶
図8 竜狩りの鎧
図7,8に示したのは、ダークソウル3攻略本*から引用した巡礼の蝶と竜狩りの鎧のデータです。
巡礼の蝶と、それに支配される鎧は深淵の存在であることがわかります。
蝶や、深淵の沼によって"狩りの記憶"を得て動き出した鎧。これこそ深淵によって与えられる「生」の力なのかもしれません。
4.まとめ
・竜狩りの鎧と輪の騎士には共通点がいくつかある
・竜狩りの鎧と世界蛇には深い関係がある
「闇喰らいのミディール」戦の霧前の台座には、ロスリックの直剣が置いてあります。
輪の都とロスリック、竜狩りの時代に関係があったのは確かです。
一体どんな関係があったのか、それにどう世界蛇が関わっていたのか。 考えてみるとワクワクします。
*「ダークソウルⅢ ザ ファイア フェーズ エディション 公式コンプリートガイド」 (2017)p.213 p.223