考察覗き魔

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ダークソウルシリーズに関する考察

【隻狼・ダークソウル】銭はどうして拾わないといけないの (罪の火・怨嗟の炎)【考察】

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ダークソウルと隻狼の複合記事です。

結論から言えば、「罪の火と怨嗟の炎は同一である」といったことを言いたい記事です。

 今までにいくつかの記事で、罪の火の性質は、

① 罪の火は消えない。

② 罪の火は色を変える。(青色→赤色)

③ 罪の火は人を追いかける。

④ 罪の火は感情を焼く。

 であると述べてきました。
これらの性質が怨嗟の炎にも共通していることを確認していきます。

 

1.火は消えない

【罪の大剣】

法王サリヴァーンの持つ右手の剣
罪の火を称する儀式の剣

遥か昔、イルシールのはずれ
その地下に罪の都と消えぬ火を見出したとき
若き魔術師サリヴァーンの心にも
消えぬ野心が灯ったのだろう

 罪の火が消えないという性質は多くのテキストに示されています。

 では、怨嗟の炎はどうでしょうか。仏師とエマとの会話にこのようなものがあります。

炎は... まだ、消えませんか?(エマ)

エマよ...
何度聞いても、変わりゃあしない
いくら仏を掘ろうとも、怨嗟の炎は消せぬ
押し留めるが、せいぜいじゃ(仏師)

怨嗟の炎は消えることがなく、抑えることしかできない。 これは罪の火の性質と一致します。

【王の薪】

巨人ヨームが残した王の薪

王が玉座に戻らぬならば
その薪を戻せばよい

孤独な巨人は、罪の火を鎮めるため薪の王となった
彼を王と呼ぶその声に、心がないと知っていても

 仏師は怨嗟の降り積もる先になり、仏を掘ることで自らを燃やす炎を抑えていました。
そしてヨームもまた、罪の火を鎮めるために王となりました。

2.火の色を変える

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 以前の記事で獄吏のランタンと罪の火を結びつけて考えました。

獄吏のランタンの不思議な性質の一つに「火の色が青から赤に変わる」 というものがあります。

 ここで、隻狼の休息地点である「鬼仏」を見てみましょう。

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鬼仏は、仏師が荒れ寺で掘っているものと同じ形状をしており、おそらく同一のものでしょう。仏師は自らを焼く怨嗟の炎を抑えるために鬼仏を彫っていました。

休息地点である鬼仏には、青い炎が漂っています。また、鬼仏からは「形代」を購入することができます。

【形代】

ただよう白い形代

人に限ったことではないが、
何か心残りがあれば、その想いが
幻として形を取って見えることがある

義手忍具など、形代を消費することで
使えるアクションがある

 形代とは、心残りが形となって見えているものです。怨嗟を彫り出した鬼仏から、人間の心残りの感情が得られることは不思議ではありません。

ところでこの形代はマップ上にもいくつか配置され、狼が近づくと自動で吸い込まれてしまいます。

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隻狼には吸引というシステムがあり、敵の落とした銭やアイテムを任意で拾うことができます。このように、形代と銭は明確に拾得システムが区別されています。

ダークソウルを思い出すと、あの世界での通貨の役割を持っていた「ソウル」は自動的に取得されていました。 ではなぜ隻狼では銭を自動取得にしなかったのでしょうか?

答えは当然、「銭は”物”」だから拾わなければならないのです。
逆に言えば、ソウルや形代などの人の意志は「人を自動で追いかける」と言えます。

【追う者たち】

深淵の主マヌスの魔術
人間性の闇に仮りそめの意志を与え放つもの

与えられる意志は人への羨望、あるいは愛であり
その最期が小さな悲劇でしかありえないとしても
目標を執拗に追い続ける

 人の意志が人を追いかける事実はダークソウルでは定番でしたが、その法則は隻狼でも適用されています。

さて、炎の色の話題に戻りましょう。獄吏のランタンの火は、青色から赤色に変わりましたが、青い炎を纏う鬼仏が、真っ赤に燃える瞬間も存在します。

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 怨嗟の鬼戦の2ゲージ目の戦闘で、怨嗟の鬼は赤く燃えた鬼仏を飛ばしてきます。


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青色から赤色に変わる特殊な火が、ダークソウルにも隻狼にもあったのです。

隻狼にはもう一つ、青い炎が赤く変わるものがあります。義父の梟です。

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義父の梟もまた、青く輝く瞬間と、赤く燃える瞬間があります。この梟の術が「形代」の力によるものならば、人の意志はもとは青く、そして赤く炎の性質を帯びるのかもしれません。

3.人を追いかける

先ほど、「形代やソウルなどの人の意志は人を追う」と述べましたが、罪の火も同様に人を追っています。

これまた以前の記事で、「罪の火は意志を持ち、人を追う」と結論付けましたが、怨嗟の炎についてはどうでしょうか。

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上でも紹介した怨嗟の鬼の鬼仏攻撃は、とてつもない追尾性能を持っており、怨嗟の炎もまた、人を追尾する性質があると考えることができます。

 

まとめ

感情に強く関わり、青と赤に燃える、消えることのない火は人を追い続ける。

罪の火と怨嗟の炎には、共通点が多かった!

 

この記事を書く発想のきっかけとなり、とても参考になったACID BAKERYさんの記事を紹介させていただきます。

acid-bakery.com

 

まだ続くんじゃ

根拠と呼べるほどではないですが、解釈として面白いものがあったので、余談として記します。

・空からの炎

怨嗟の炎と罪の火を結びつけて考えると、いろいろ想像が捗ります。

【罪の炎】

罪の炎に由来する呪術

離れた敵を炎で包み、焼き払う

巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎によって滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという

 罪の炎は空から生じたとされていますが、怨嗟の炎は降り積もります。

【咳の音・仏彫る者】

どこかで、苦しげな咳が聞こえる

咳をしているのは、
降り積もる炎に焼かれぬため
仏を一心不乱に彫り続ける
一人の男のようだ

所持している分だけ、冥助確率が下がる

 当然、降り積もるというのは文字通り空から炎が降っている訳ではないでしょうが、
文字通りのことが起こせてしまうダークソウルの世界なら、空から炎が降り積もっていると考えても面白いかもしれません。

・降り積もる者の左腕

怨嗟の炎を仏師が引き受けたように、ヨームもまた、罪の火を抑える存在となりました。

狼も仏師も、炎を引き受ける者は左腕を失っていますが、ヨームはそうではありません。
しかし、左腕に注目してみるとヨームのテキストにも左手に関するエピソードがあります。

【ヨームの大鉈】

かつて巨人ヨームが用いた大鉈

大盾と一対で常に先陣にあったというが
ヨームが盾を捨てた後、左の持ち手が追加された

それは独特の叩き潰す剣技を生み
彼の晩年、その凄まじい戦いの語り草になった

 同じく盾を捨てた先輩狼アルトリウスは、左手を負傷していました。
ヨームも左腕がなければ露骨だったのに

 ここでヨームのご先祖様に目を向けてみましょう。

【巨人ヨームのソウル】

巨人ヨームのソウル
力を帯びた、異形のソウルの一つ

使用することで莫大なソウルを得るほか
練成によりその力を取り出すことができる

ヨームは古い制服者の末裔であったが
請われて人々の王となり
その重い刃となり、硬い盾となったという

 ヨームは古い征服者の末裔だそうですが、一体誰を指しているのでしょうか。

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巨人ヨームを見て真っ先に思い浮かぶのが、ダークソウル2の巨人です。ヨーム本人には丸い穴の開いたチェインメイルの中に顔がありますが、ダークソウル3のトレイラーを見てダークソウル2の巨人の再来を感じた人も多いはず。

さて、このダークソウル2の巨人ですが、ドラングレイグに侵略した征服者であります。ドラングレイグの征服を率いた「巨人の王」は名も無き英雄に破れ、捕らえられました。巨人の王は最後の巨人となり、呪いを纏う者と対峙します。

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 隻腕だーーーー!!!