考察覗き魔

考察覗き魔

ダークソウルシリーズに関する考察

【隻狼・ダークソウル】銭はどうして拾わないといけないの (罪の火・怨嗟の炎)【考察】

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ダークソウルと隻狼の複合記事です。

結論から言えば、「罪の火と怨嗟の炎は同一である」といったことを言いたい記事です。

 今までにいくつかの記事で、罪の火の性質は、

① 罪の火は消えない。

② 罪の火は色を変える。(青色→赤色)

③ 罪の火は人を追いかける。

④ 罪の火は感情を焼く。

 であると述べてきました。
これらの性質が怨嗟の炎にも共通していることを確認していきます。

 

1.火は消えない

【罪の大剣】

法王サリヴァーンの持つ右手の剣
罪の火を称する儀式の剣

遥か昔、イルシールのはずれ
その地下に罪の都と消えぬ火を見出したとき
若き魔術師サリヴァーンの心にも
消えぬ野心が灯ったのだろう

 罪の火が消えないという性質は多くのテキストに示されています。

 では、怨嗟の炎はどうでしょうか。仏師とエマとの会話にこのようなものがあります。

炎は... まだ、消えませんか?(エマ)

エマよ...
何度聞いても、変わりゃあしない
いくら仏を掘ろうとも、怨嗟の炎は消せぬ
押し留めるが、せいぜいじゃ(仏師)

怨嗟の炎は消えることがなく、抑えることしかできない。 これは罪の火の性質と一致します。

【王の薪】

巨人ヨームが残した王の薪

王が玉座に戻らぬならば
その薪を戻せばよい

孤独な巨人は、罪の火を鎮めるため薪の王となった
彼を王と呼ぶその声に、心がないと知っていても

 仏師は怨嗟の降り積もる先になり、仏を掘ることで自らを燃やす炎を抑えていました。
そしてヨームもまた、罪の火を鎮めるために王となりました。

2.火の色を変える

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 以前の記事で獄吏のランタンと罪の火を結びつけて考えました。

獄吏のランタンの不思議な性質の一つに「火の色が青から赤に変わる」 というものがあります。

 ここで、隻狼の休息地点である「鬼仏」を見てみましょう。

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鬼仏は、仏師が荒れ寺で掘っているものと同じ形状をしており、おそらく同一のものでしょう。仏師は自らを焼く怨嗟の炎を抑えるために鬼仏を彫っていました。

休息地点である鬼仏には、青い炎が漂っています。また、鬼仏からは「形代」を購入することができます。

【形代】

ただよう白い形代

人に限ったことではないが、
何か心残りがあれば、その想いが
幻として形を取って見えることがある

義手忍具など、形代を消費することで
使えるアクションがある

 形代とは、心残りが形となって見えているものです。怨嗟を彫り出した鬼仏から、人間の心残りの感情が得られることは不思議ではありません。

ところでこの形代はマップ上にもいくつか配置され、狼が近づくと自動で吸い込まれてしまいます。

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隻狼には吸引というシステムがあり、敵の落とした銭やアイテムを任意で拾うことができます。このように、形代と銭は明確に拾得システムが区別されています。

ダークソウルを思い出すと、あの世界での通貨の役割を持っていた「ソウル」は自動的に取得されていました。 ではなぜ隻狼では銭を自動取得にしなかったのでしょうか?

答えは当然、「銭は”物”」だから拾わなければならないのです。
逆に言えば、ソウルや形代などの人の意志は「人を自動で追いかける」と言えます。

【追う者たち】

深淵の主マヌスの魔術
人間性の闇に仮りそめの意志を与え放つもの

与えられる意志は人への羨望、あるいは愛であり
その最期が小さな悲劇でしかありえないとしても
目標を執拗に追い続ける

 人の意志が人を追いかける事実はダークソウルでは定番でしたが、その法則は隻狼でも適用されています。

さて、炎の色の話題に戻りましょう。獄吏のランタンの火は、青色から赤色に変わりましたが、青い炎を纏う鬼仏が、真っ赤に燃える瞬間も存在します。

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 怨嗟の鬼戦の2ゲージ目の戦闘で、怨嗟の鬼は赤く燃えた鬼仏を飛ばしてきます。


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青色から赤色に変わる特殊な火が、ダークソウルにも隻狼にもあったのです。

隻狼にはもう一つ、青い炎が赤く変わるものがあります。義父の梟です。

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義父の梟もまた、青く輝く瞬間と、赤く燃える瞬間があります。この梟の術が「形代」の力によるものならば、人の意志はもとは青く、そして赤く炎の性質を帯びるのかもしれません。

3.人を追いかける

先ほど、「形代やソウルなどの人の意志は人を追う」と述べましたが、罪の火も同様に人を追っています。

これまた以前の記事で、「罪の火は意志を持ち、人を追う」と結論付けましたが、怨嗟の炎についてはどうでしょうか。

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上でも紹介した怨嗟の鬼の鬼仏攻撃は、とてつもない追尾性能を持っており、怨嗟の炎もまた、人を追尾する性質があると考えることができます。

 

まとめ

感情に強く関わり、青と赤に燃える、消えることのない火は人を追い続ける。

罪の火と怨嗟の炎には、共通点が多かった!

 

この記事を書く発想のきっかけとなり、とても参考になったACID BAKERYさんの記事を紹介させていただきます。

acid-bakery.com

 

まだ続くんじゃ

根拠と呼べるほどではないですが、解釈として面白いものがあったので、余談として記します。

・空からの炎

怨嗟の炎と罪の火を結びつけて考えると、いろいろ想像が捗ります。

【罪の炎】

罪の炎に由来する呪術

離れた敵を炎で包み、焼き払う

巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎によって滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという

 罪の炎は空から生じたとされていますが、怨嗟の炎は降り積もります。

【咳の音・仏彫る者】

どこかで、苦しげな咳が聞こえる

咳をしているのは、
降り積もる炎に焼かれぬため
仏を一心不乱に彫り続ける
一人の男のようだ

所持している分だけ、冥助確率が下がる

 当然、降り積もるというのは文字通り空から炎が降っている訳ではないでしょうが、
文字通りのことが起こせてしまうダークソウルの世界なら、空から炎が降り積もっていると考えても面白いかもしれません。

・降り積もる者の左腕

怨嗟の炎を仏師が引き受けたように、ヨームもまた、罪の火を抑える存在となりました。

狼も仏師も、炎を引き受ける者は左腕を失っていますが、ヨームはそうではありません。
しかし、左腕に注目してみるとヨームのテキストにも左手に関するエピソードがあります。

【ヨームの大鉈】

かつて巨人ヨームが用いた大鉈

大盾と一対で常に先陣にあったというが
ヨームが盾を捨てた後、左の持ち手が追加された

それは独特の叩き潰す剣技を生み
彼の晩年、その凄まじい戦いの語り草になった

 同じく盾を捨てた先輩狼アルトリウスは、左手を負傷していました。
ヨームも左腕がなければ露骨だったのに

 ここでヨームのご先祖様に目を向けてみましょう。

【巨人ヨームのソウル】

巨人ヨームのソウル
力を帯びた、異形のソウルの一つ

使用することで莫大なソウルを得るほか
練成によりその力を取り出すことができる

ヨームは古い制服者の末裔であったが
請われて人々の王となり
その重い刃となり、硬い盾となったという

 ヨームは古い征服者の末裔だそうですが、一体誰を指しているのでしょうか。

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巨人ヨームを見て真っ先に思い浮かぶのが、ダークソウル2の巨人です。ヨーム本人には丸い穴の開いたチェインメイルの中に顔がありますが、ダークソウル3のトレイラーを見てダークソウル2の巨人の再来を感じた人も多いはず。

さて、このダークソウル2の巨人ですが、ドラングレイグに侵略した征服者であります。ドラングレイグの征服を率いた「巨人の王」は名も無き英雄に破れ、捕らえられました。巨人の王は最後の巨人となり、呪いを纏う者と対峙します。

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 隻腕だーーーー!!!

 

 

【隻狼】隻狼は無限に遊べるぞ【プレイ記録】

2019年に発売された「隻狼 shadows die twice」があまりに楽しく、色々なプレイをしたのでその記録として書いておく。考察じゃないよ!

 

1.隻狼年内100周チャレンジ改め年内107周チャレンジ

隻狼のボス戦(特に剣聖一心)があまりに楽しくひたすらに周回をしていたところ、気がついたら50周くらいしていたので「いっそ100周してしまえ」と始めた企画。

いかに早く、いかに楽に、いかに死なずにクリアするかを中心にプレイを突き詰めていく楽しさがあった。

使う義手忍具を吟味し、メニュー画面を開く回数を減らすなど、しょうもない試行錯誤が楽しかった。

参考になる人がいるかはわからないが、自分の攻略ルートを記しておく。

 

(本城まで一本道なので略)→ 水生村破戒僧→弦一郎→獅子猿→四猿→修羅一心

 

ここでポイントが、「火牛を倒した時点で本城の鬼仏が点く」ことである。

つまり火牛を倒した後に鬼仏に一つも触れなければ、帰り仏で直接本城に帰ることができるのだ。中ボス撃破で形代が15枚回復するので形代不足も問題ない。

計画が途中で「107周」となったのは、後述する「攻め力1カンスト攻略」で8周してしまったので、せっかくなら「煩悩の数だけ周回してしまえ」という理由である。しょうもない

 

どんどんボスが得意になっていく感覚は快感なのでオススメ度★★★★★

 

2.攻め力1カンスト苦難攻略

隻狼の周回を重ねていくうちに、一心が早く死んでしまうことに満足できなくなってしまったために始めた縛り。

縛り内容は「攻め力1以外はなんでもあり、使えるものは使う!」

攻め力1にすると、基本的に全ての攻撃、弾きが弱くなる。体力を4分の1程度にしてやっと体幹が目に見えて溜まるようになるほどである。

この縛りでまず辛かったのは、カンストである8周目まで周回しなければならないことである。しかしなんとか5周目にはおおよその戦い方を確立し、7周目では比較的楽にクリアできるようになっていた。

「意外と楽に終わりそうだな」

と甘く考えていた自分がいた。

 

8周目で御子様にお守りを渡していざゆかん。

まず鬼刑部で心が折れる。弦一郎すら強い。破戒僧なんて体幹で倒せないほど回復が早い。

 

剣聖一心を倒した時はあまりに嬉しくコントローラーを投げてしまい、とどめ忍殺を忘れて死んだ。(回生が残っていた)

 

攻め力1を行うにあたり大切なこと

「とにかく体力を削るべし」

攻め力1ではとにかく体幹が溜まらない。弦一郎などの弾き合いがメインの敵にはなかなか苦戦する。あえて弾かずステップして殴る、油を投げて火拭き筒で炎上させるなどの手段を開発する必要があった。

 

戦い方を新しく考える必要がありとても楽しいので、オススメ度★★★★★

 

3.形代縛りノーデス人返り攻略

某配信者がノーデス攻略をしていたので勝手に対抗して行った攻略。

1周目をプレイするのが久々だったので、攻略の順番を考えないと攻め力が足りずに失敗してしまうことがあった。

 

4時間もあれば終わるのでオススメ度★★★★★

 

4.攻め力1、身体力10、スキル無し、忍具なし苦難攻略

いわゆる初期ステータス攻略。1周目で行ったため、鬼刑部や火牛までは楽にクリアができた。

しかし後半は辛く、さらに忍具も使えないため以前の攻め力1の戦法は役に立たなかった。

スキル無しのため「見切り」を戦法に組み込んでいた敵には戦い方を改める必要があった。

身体力も10のため、ほぼノーダメージでクリアする必要があった。

 

攻め力1の最強戦法「油火吹き筒作戦」が使えず、新たに戦法考えるのが楽しかったのでオススメ度★★★★★

 

同じ縛りを完全ノーダメージでクリアしている人もいるから恐ろしい...

 

おわりに

ボス戦を何度も何度もしゃぶりつくせる最高なゲームなので隻狼は無限に遊べるぞ。

【ダークソウル】デーモンとグルーとヒトと【考察】

記事として残しておきたかったので、グルーに関する短めのもの。

1.デーモンは賢いぞ!

ダークソウルにおいて、デーモンは知性のある存在として登場しています。

我々が初めに出会うデーモンは、巡礼を阻む北の不死院の門番として。蝙蝠羽のデーモンはタクシー業者まで営んでいます。

ほとんどのデーモンは武器を扱い、デーモン遺跡では文明を築き、デーモンの助祭は衣服のようなものまで身に着けています。デーモンには「炎司祭」や「助祭」などがおり、彼らには宗教に似たものを持つこともわかります。ここから、デーモンたちは高度な知能を持っていることが分かります。決して獣に近い存在ではなく、人間にこそ近い存在だといえます。

 デーモンたちはどのようにして文化を築き、魔女たちが失われた時代も生き抜いてきたのでしょうか。 

ダークソウル無印に登場する指輪、『老魔女の指輪』にはこう書かれています。

【老魔女の指輪】

あるとき老いた魔女から送られた古い指輪

人には介せぬ文言がびっしりと刻まれているが
特に効果はないようだ

 この指輪を付けることで、それまで会話ができなかった混沌の娘と会話をすることができます。少なくとも彼女らには、人間には理解できない"独自の言語"が存在するようです。※1

ここで「この言語はデーモンにも共通している」と仮説を立てます。
デーモンたちにコミュニケーションをするための言語があるのなら、人間と同様に文化、文明を作り上げることが可能でしょう。

こういった独自の言語によって、不死院のデーモンや蝙蝠羽のデーモンは使役されていたと考えることができます。

2.デーモンとグルー

【はぐれデーモンのソウル】

はぐれデーモンのソウル
力を帯びた、異形のソウルのひとつ

使用することで莫大なソウルを得るほか
練成によりその力を取り出すこともできる

炎の燻りすら失くした、はぐれデーモンは
かつてロスリックの門番であったという

 ダークソウル3においても、門番としての使命をもったデーモンが存在します。
このデーモンはいったいどのようにして使役されたのでしょうか?
これを考えるために、一度ダークソウル3のデーモンについて考えましょう。

カーサスの地下墓のさらに底、燻りの湖にデーモンたちは遺跡を築いています。
昔懐かしい無印のデーモンたちの死体が溢れるこの遺跡には、デーモンとは少し異なる種族が居ます。

それがグルーです。

 グルーとは、ファランの城塞と燻りの湖で登場する、複数の生き物の特徴を組み合わせたようなモンスターです。
グルーはデーモンのように異形の姿をしていますが、彼らはデーモンではありません。

というのも、黒騎士の武器に代表される「デーモン特攻」の効果がグルーには乗りません。しかしデーモンと似た特徴を持つのも事実です。

 

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図 燻りグルーの頭部

 

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図 デーモンの助祭の頭部

図に示すように、グルーにはデーモンの助祭助祭はデーモン特攻あり)に似た角を生やしています。また、グルーの背中には羽根の名残のようなものがあり、それもまたデーモンらしさを感じてしまう要因です。

燻りの湖では、燻りグルーと黒騎士が戦闘をしていることから、少なくとも黒騎士側にはデーモン側の存在であると認識されているようです。

3.グルーについて

グルーは"デーモン側"であることから、前述の"独自の言語"を扱えると考えられます。しかしグルーはデーモンだけでなく、人間側とも交流していることがわかります。

【黒虫の丸薬】

昆虫の類をすり潰し丸めた飲み薬
黒いそれは、一時的に闇カット率を高める

深淵の監視者たる不死隊の常備薬
侍祭の末裔たるグルーたちは
今もそれを作り続けているという

腐った森に住むグルーたちは、深淵の監視者の常備薬をつくるなど、友好な関係を築いています。グルーは深淵の存在であるダークレイスと戦闘を行うので、不死隊側の存在であるといえます。(黒騎士とダークレイスという、ほぼ対局にある2陣営のどちらにも斬られる存在ってなかなか稀では。がんばれグルー)

デーモンとの交流に加え、不死隊すなわち人間との交流を行うグルーにはデーモンたちの"独自の言語"と"人間の言語"どちらも扱うことができると考えられます。
その根拠の一つが、グルーによる「魔法」の使用です。

youtu.be

 (youtubeのリンクです)

 上の動画に示すように、グルーは独特なタリスマンを持ち、回復の奇跡を使います。ダークソウルにおいて、奇跡とは物語であり、聖書に記したり、口伝できるなど"言語"として形を持ったものです。

グルーが奇跡を使えるということは、人間の言語を理解し、信仰する心を持っているといえます。

奇跡に加えて、グルーは魔術とも繋がりがあります。

ファランの矢雨】

ファランの短矢」の上位魔術のひとつ
ソウルの短矢を連続で放つ

それは結晶の古老が直々に鍛え
侍祭の長に託したものであるという
その娘、ヘイゼルの魔術として

 黒虫の丸薬のテキストにあるように、グルーは侍祭※2の末裔であるため、侍祭の長およびその娘ヘイゼルもグルーに属するものであると推測できます。

 

ひとまず結論:グルーはデーモンの言語とヒトの言語を理解できる。

 

ロスリックのはぐれデーモンの話題に戻ります。
ファランのグルーに魔術を伝えたのは結晶の古老、ロスリックの大書庫の賢者でした。
つまりロスリックには不死隊およびグルーたちと交流があり、デーモンとコミュニケーションの取れる存在がいたことになります。

これではぐれデーモン使役問題はひとまず解決できたことになります。※3

それでは、最後にこの記事で一番言いたかったこと、「そもそもグルーとは何か?」
デーモンに近い存在でありながら人間とも交流する。侍祭の娘であるヘイゼルは人間らしい(?)ロザリアの生まれ変わりの常習犯。デーモンとヒトの両者の側面を持った不思議な生き物。

4.グルーとは何か

燻りの湖のデーモンの遺跡にはとある異形の遺体があります。

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この遺体の周りには謎の球体が溢れています。

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側の遺体から得られるアイテムが『クラーナの呪術書』であること、遺体が蜘蛛の形をしていることから、この遺体は混沌の娘であると推測できます。

とすると、この球体は彼女の「たまご」とみて間違いないでしょう。

【火防女の魂】

クラーグの住処の火防女、混沌の娘の魂

火防女の魂は人間性の憑代であり
それは彼女たちの体においても変わらない
あらゆる皮膚の下に無数の人間性が蠢き
その姿は、大抵おぞましいものとなる

彼女においてそれは、無数のたまごとして現れた
あのたまごはすべて、人間性の揺り篭なのだ

 混沌に飲まれ、下半身がデーモンと化した娘の「たまご」には、人間の性が捧げられていました。

そのたまごは一体どうなったのでしょうか。

 

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おや...?たまごのようすが?
おめでとう!デーモンのたまごとヒトの精からナニモノかがうまれた!

 

 ・補足

※1:『老魔女の指輪』の指輪はダークソウル2の『ささやきの指輪』のように、「相手の心を読んでいるだけ」という可能性があるが、テキスト内の「人には介せぬ文言」という記述から、独自の言語が存在すると解釈した。

※2:「侍祭」とは、キリスト教カトリックにおける聖職者の品級と呼ばれるものの一つであるらしい。品級には他にも「司祭」や「助祭」も含まれる。
この品級の考え方をそのまま当てはめるならば、グルーが「侍祭」にあたり、デーモンの助祭は宗教的にはその上位の「助祭」であることになる。
無印のデーモンには「司祭」もおり、なかなかマッチしている。デーモンの信じる宗教ってどんなものだろう。

※3:ロスリックには蝙蝠羽のデーモンのタクシーシステムもあるので、ロスリックにはかつて神族に近しい存在がおり、それが門番のデーモンを使役していた、と考えることもできる。

・おまけ

今回の記事とあまり関係がないですが、デーモンの助祭と結晶の古老は似ているというお話。

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デーモンの助祭と結晶の古老はどちらも、球体をその腕に抱えており、顔は嘴のような特徴的な形状をしています。

【降り注ぐ結晶】

結晶の古老として知られる双子の導師
その独特の魔術

小さなソウルの結晶塊を空中から連続で放つ
結晶の塊は貫通する

古老の片割れは不死隊の同盟者であり
ファランに魔術師を育てた
それは古い約束であったという

似ているのは単なる偶然かもしれませんが、侍祭の長との繋がりを考えると、古老はグルーやデーモンたちと古くから関わりがあったと考えても面白いかもしれません。

 

 

 

【ダークソウル】獄吏のランタンとダークソウル2の呪い~罪の火添え~ 【考察】

1.獄吏のランタンと目

ダークソウル3、イルシールの地下牢において、獄吏は「プレイヤーのHP最大値減少」という特殊な状態異常攻撃を行います。

獄吏の目が黄色くなっているとき、獄吏の目線の先にプレイヤーがいると、この攻撃を受けてしまいます。

獄吏の目とランタンは初め、青く光っています。

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プレイヤーを発見した際、目から煙の出す液体を落とし、同時に目とランタンは黄色く輝き始めます。

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獄吏がプレイヤーの追跡を諦めたとき、ランタンを見るモーションをし、目とランタンを青く変えます。

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・この状態異常は獄吏の目で見られることで発動する

・目とランタンの色が常にリンクしている

以上の2点から、この特殊な状態異常は獄吏の持つランタンの火と関係があると考えられます。

 

2.ダークソウル2に於ける『呪い』

ここで話題を少し変え、ダークソウル2での状態異常「呪い」について。

ダークソウル2の「呪い」は、無印や3の「呪死」とは異なり、呪われるとその場で亡者度が進行し、最大HPが減少します。

無印や3のような「呪死」という状態異常は、「石化」として残っています。(同一かそうでないかはわかりませんが効果は類似しています。)

ここで注目したいのが、「呪い」を受けているときのエフェクトです。
呪いが蓄積しているとき、体から赤黒い霧が出てきます。

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実は、獄吏の特殊な状態異常攻撃を受けている間にも、プレイヤーからは謎の赤黒い霧が発生しています。

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獄吏の攻撃は、ダークソウル2の呪いと比較して、
HP最大値の減少赤黒い霧(&女性の笑い声)
などの共通点を持つため、「獄吏の状態異常はダークソウル2の呪いと同一である」と考えられます。

 

・そもそもダークソウル2の亡者化とは

ダークソウル2の亡者には、記憶がどんどん薄れていくという現象が起きます。

…お前は、不死というものを知っているか
その身に呪いを得た者だ

不死となった者は、人ではなくなる
次第に理性を、記憶を失っていく
(ルカティエル)

ダークソウル3で登場するラップも同様に、記憶の喪失が見られます。

俺は、亡者なんだ。まともなふりはできても、昔のことは、もう全部忘れちまった。

何者だったのか、何のために生きたのか、本当の名前も、何もかも…
(ラップ)

亡者になるということは、記憶理性を失っていくことであることがわかります。

 

3.呪いは闇と引き換えに

ダークソウル3の亡者システムを考えることで、亡者化の仕組みを考えようと思います。

 ロンドールのヨエルに暗い穴を開けてもらった後、プレイヤーは死ぬたびに「呪い」を増していきます。そして「呪い」がある数値を越えた際、プレイヤーの体は亡者の姿となります。

【暗い穴】

不死人の証にも似た暗い穴
ぽっかりと体に開いている

その暗い穴に底は無く
人間性闇が徐々に漏れ出し
引き換えに呪いが溜まっていく

それは決して消えぬ呪いの印であるが
かつて一人の、深淵から戻った火防女だけが
その呪いを癒したという

 人間は闇から生まれ、その骨は篝火の薪となることからわかるように、人間の体に闇が染みこんでいます。不死人は死ぬたびに闇を漏れ出す。亡者がシワシワになってしまうのは、血や肉、骨を構成する闇が抜け落ちてしまっていると考えてもよいかもしれません。

グウィンが火継ぎの際に自分のソウルを分け与えることも、闇から生まれた肉体そのものに薪としての価値があると分かっていたのかもしれません。体が資本!!

 

4.火は意思を焼く

 上で述べたことを整理すると、以下のようになります。

・獄吏の攻撃はある種の呪いである。

・呪いは亡者化を促進させる。

・亡者化により人間は、記憶や理性を失われていく。

・呪いは闇を失った引き換えに溜まるものである。

 ランタンの火について考えるため、今度は火について掘り下げていきます。

獄吏のランタンの火、最も関わりが深いのはやはり『罪の火』でしょう。

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       図 罪の火かもしれない火

 

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罪の都において、大きな器の中で燃えている火の周りでは、ランタンを掲げた白い獄吏たち(侍女)が立っています。

 この火については、前回の記事から引用したものを以下に示します。

また、この火の器の周りには白ヴェールの獄吏が4体立っています。
実は、器の火の発生にはこの獄吏たちが不可欠です。遠くから獄吏たちを大弓でダウンさせてしまえば器の火は発生しません。

詳しくは以下の動画で。(Twitterに飛びます)

https://twitter.com/esxovusl/status/1175830548649889792?s=21

動画の要点をまとめると、

・獄吏が居なければ火は発生しない

・獄吏は見えない体が有効だが、火には意味がない

・火には誘い頭蓋が有効だが、獄吏には意味がない

以上の結果を解釈すると、「獄吏は火の攻撃を促しているだけであり、火自身に独立した意思がある」と考えられます。

 今回重要なのは、ランタンと罪の火に密接な関係があるという事実です。
ではなぜ、罪の火と関係のあるランタンの火が、呪いをもたらすのか。

これを解決する一つのアイデアとして、私はこう考えました。

罪の火は意思を燃やすのではないか?

この根拠となるテキストを以下に挙げます。

【火の魔女の兜】

イルシールの冷たい死霊
罪の火を掲げ持つ魔女たちの兜

法王の騎士を率いた魔女たちは
元は聖騎士に叙されたものだが
すぐに罪の火に心奪われたという

【王の薪(ヨーム)】

巨人ヨームが残した王の薪

王が玉座に戻らぬならば
その薪を戻せばよい

孤独な巨人は、罪の火を鎮めるため薪の王となった
彼を王と呼ぶその声に、心がないと知っていても

 火の魔女は心を奪われ、罪の都の住人には心がない。そうです、『文字通り読んでしまえ大作戦』です。

 罪の火を見た者たちは、心を奪われてしまう。大雑把に言えば、罪の火は意思、理性を焼く。そう考えることで問題点が解決します。

 

まず、上や前回の記事で述べたように、火は闇を焼きます。
それでは、意思や理性はそもそも闇なのでしょうか?

【デュナシャンドラのソウル】

ドラングレイグの王妃、
デュナシャンドラのソウル

何処からか現れた深淵の落とし子たちは
この地で王たらんとする者に、影のように寄り添った
あるいはそれこそが、玉座を求める者への
試練なのだろうか

火はいずれ消え去り、そして闇の時代が訪れる
それを継ぐ者が現れぬ限り

「渇望」の使徒の特別なソウルは
使用により莫大なソウルを獲得するか
大いなる力を生み出せる

 私はただ、怖れていました
闇の欠片から生まれた、おぼろげな自分が…

いつの日か、ふと消えてしまうのではないかと

父の中にあった「恐怖」こそが
私を生み出したのでしょう
(沈黙の巫女アルシュナ

 深淵の落とし子と呼ばれるデュナシャンドラルシュナたちは、かつて深淵の父と呼ばれた存在の感情から生み出された存在です。

闇と感情は密接に繋がっており、闇を焼く火は感情を焼くことができます。

 

まとめると、罪の火は理性や感情という名の闇を焼き、闇が欠けた人間は、引き換えに呪いを体に溜めていきます。結果として、ダークソウル2の呪いと似た現象が引き起こされている、と考えることができます。
実際、呪われた亡者は理性や感情を失っています。血や肉とともに、理性も闇の一部として失われているのでしょう。

 

最後に、火が意思を焼く別の例を示します。

【灼けたロイエスの兜】

灼けたロイエスの騎士の兜
火で焼き焦げている

王と共に古き混沌に飛び込んだ彼らは
火に焼かれ、自らの意思を失った
そして王と共に焼かれ続けている

古き混沌に飛び込んだロイエスの騎士たちは、自らの意思と共に火に焼かれました。
ただ彼らは、意志を失い闇雲に動いている訳ではなく、ある目的を持って行動しています。

【灼けたロイエスの大剣】

灼けたロイエスの騎士の大剣
その刀身は火で焼け焦げている

彼らにかつての意思はなく
炎を乱そうとする者を駆逐するだけである
たとえそれがかつての友であったとしても

彼らは火に意思を焼かれただけでなく、「炎を乱そうとするものを駆逐する」という目的を与えられています。炎に心を支配されたと言ってもよいでしょう。

 

 

【罪の大剣】

法王サリヴァーンの持つ右手の剣
罪の火を称する儀式の剣

遥か昔、イルシールのはずれ
その地下に罪の都と消えぬ火を見出したとき
若き魔術師サリヴァーンの心にも
消えぬ野心が灯ったのだろう

 

 ・補足 (罪の都の住人の感情について)

上で、「罪の都の住人には心がない」と書きましたが、少し疑問が浮かぶと思います。

まず、罪の都には人間らしい感情の代表例と呼べる「欲」にまつわるアイテムが多数配置されています。

アイテム発見力を上げる「貪欲な金の蛇の指輪」や「錆びついた銅貨」、「錆び付いた金貨」を手に入れることができます。さらに、イルシールの地下牢から、罪の都にかけて、貪欲者(ミミック)の数はダークソウル3の中で最も多い7体存在しています。f:id:yasaiprpr:20191111221025j:image

マップ上には金銀財宝がばら撒かれ、あの常識のあるギリガンさんまで訪れています。

そもそもアイテム発見力とは、無印では人間性の数、3ではステータス値によって増加します。つまり、人間の本質的な力こそがアイテム発見力として発現しています。

 となると、「『罪の都の住人は欲望モリモリ集団』で、上で言っていることと矛盾しているのではないか?」となってしまいます。

私は逆に、錆び付いた銅貨などアイテムを、「人間らしさを失った住人たちが、それを取り戻すための手段として頼った」ものではないかと考えました。

【貴人の仮面】

イルシールの地下牢、その獄吏たちの仮面
ふくよかな顔つきは、貴人の嗜みである

彼らは、罪の都の数少ない生き残りであり
後に法王サリヴァーンの仕えたという
牢獄の悲鳴が、故郷を祀り慰めるのだろう

 なぜ悲鳴が、故郷を慰めるのでしょうか。

【エルドリッチの赤石】

深みの聖者エルドリッチの残した歪んだ指輪
致命攻撃時にFPを回復する

おぞましい人喰いで知られるエルドリッチは
きっと伝えたいのだろう
悲鳴に浴し、生命の震えをこそ喰らうやり方を

 エルドリッチ先生曰く、悲鳴こそが生命の震え、悲鳴こそが感情豊かな生命の証明なのかもしれません。

 

・想定されうる反論と苦し紛れの弁明

想定されうる反論として考えられるのが、

「ヨームが火を継いだ時点で住人の心がないならば、火継ぎ後の空からの罪の炎は何故感情が無いはずの人を焼いたのか?」

 以下、苦し紛れの弁明を垂れていきます。

 

・ヨームが罪の火を抑える前に殺された

 【ストームルーラー】

「巨人殺し」の異名を持つ大剣
折れた刀身は、今でも嵐の力を宿し
巨人を地に打ち倒すという

巨人ヨームはそれを二本持っていた
一本は、彼を信じぬ人々に与えられ
もう一本は、薪の王となるその前に
一人の友に託されたという

 ストームルーラーは、ジークバルドの他に、(おそらく)罪の都の住人に与えられました。

巨人を打ち倒す手段として与えられていること、棺から復活した薪の王は一度死んでいるはずであることを考えると、ヨームはストームルーラーを与えられた住人によって殺されてしまったのかもしれません。

ロイエスの古い混沌の例を参考にし、「炎に意思を奪われた者は、それを歪めるものを駆逐する」のであれば、罪の火を残そうと考えた人物が居たのかもしれません。

 

・サリヴァーンのせい

困ったときの「サリヴァーンのせい」作戦です。個人的にはお気に入り。

【罪の炎】

罪の炎に由来する呪術

離れた敵を炎で包み、焼き払う

巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎により滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという

【罪の大剣】

法王サリヴァーンの持つ右手の剣
罪の火を称する儀式の剣

遥か昔、イルシールのはずれ
その地下に罪の都と消えぬ火を見出したとき
消えぬ野心が灯ったのだろう

 罪の炎は空より生じた。イルシールの地下には罪の都がある。

この二点を考えると、「空からの炎」は「イルシールからの炎」と捉えても問題はありません。

【貴人の仮面】

イルシールの地下牢、その獄吏たちの仮面
ふくよかな顔つきは、貴人の嗜みである

彼らは、罪の都の数少ない生き残りであり
後に法王サリヴァーンの仕えたという
牢獄の悲鳴が、故郷を祀り慰めるのだろう

 時系列の問題として、罪の都が炎によって滅びた後、獄吏たちはイルシールの法王と接触しました。

罪の火の力を手にしているサリヴァーンの手で、罪の都に意図的な攻撃が行われたのだとすれば、問題点の解決は図れます。

 

 

 

【ダークソウル】罪の火 一つの解釈【考察】

今回は罪の火についてです。
といっても「よくわからなさの化身」である罪の火なので、『罪の火は◯◯だ!』と言い切るつもりもなく、一つの解釈として聞いていただけると嬉しいです。

罪の火の厄介さといえば、不思議なものであるにも関わらず、言及されているテキストがとても多いため、仮説を立てると何かしら反例が生まれてしまう、そんな困った罪の火についてのお話。

 

1罪の火の情報整理

1-1 罪の火のプロパティ

罪の火は多くのテキストで言及されているため、いくつかの性質を読み取ることができます。

 

・燃え尽きない

【火刑の芒】

イルシールの冷たい死霊
魔女たちが掲げ持つ罪の火

それは武器であるとともに共に魔女の杖であり
常に火を纏い、決して燃え尽きない

 罪の火は燃え尽きることがないそうです。

 

・惹かれる

【火の魔女の兜】

イルシールの冷たい死霊
罪の火を掲げ持つ魔女たちの兜

法王の騎士を率いた魔女たちは
元は聖騎士に叙されたものだが
すぐに罪の火に心奪われたという

罪の火には心奪うほどの何かがあるようです。 

 

・抑える手段があるかもしれない

 【王の薪】

巨人ヨームが残した王の薪

王が玉座に戻らぬならば
その薪を戻せばよい

孤独な巨人は、罪の火を鎮めるため薪の王となった
彼を王と呼ぶその声に、心がないと知っていても

 少なくとも、罪の火を鎮めようとする人たちがおり、彼らの思いを受けヨームは薪の王となったそうです。

 

・女性がキッカケとなった

【エレオノーラ】

異形と化した罪の都の住人
その中にあった異様な武器

彼女たちはある神官の家族であり
その呪いが、罪の火の切欠になったという
だが当人たちは、のうのうと生き続けていた

 罪の都で蠢く罪の異形たちは、女性であり、彼女らが罪の火のキッカケであったことが明言されています。(「切欠」は英訳版の"triggered"から「きっかけ」の誤用であると判断)

 

・人のみを焼く

【罪の炎】

罪の炎に由来する呪術

離れた敵を炎で包み、焼き払う

巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎により滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという

 罪の都の上空に生じた罪の炎は、かつて人々だけを焼いたそうです。

 

・暗い火。

鍛冶屋アンドレイに【罪の種火】を渡した際のセリフ。

...あんた、この種火は...
暗すぎる。むしろ深淵に近いものだぜ...

 赤く炎属性のある罪の火ですが、アンドレイ曰く深淵に近い暗さがあるそうです。

 

1-2 これって罪の火?

罪の都にある大きな器と、そこで燃えている炎。

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これ。

前提として、私はこれを罪の火の一つと考えています。
この火の性質を調べることで、罪の火についての掘り下げができるのではないか。
それが今回の方針です。

 

2罪の火の性質

罪の都のこの火には、以下の性質があります。

・人を追いかける

・器の中身は空っぽ

これについて整理していきます。

 

2-1 人を追う火

この罪の都の罪の炎には、プレイヤーを追いかけるという性質があります。
この性質は罪の火に由来する呪術【罪の炎】にも見ることができます。

【罪の炎】

罪の炎に由来する魔術

離れた敵を炎で包み、焼き払う

巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎により滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという

 ダークソウルにおいて生命を追いかける性質には、根本に「意思」、「命」そして「闇」が潜んでいます。

【追う者たち】

禁忌とされる闇の魔術
人間性闇に仮そめの意思を与え放つもの

その意思は人への羨望、あるいは愛であり
人々は目標を執拗に追い続ける
その最期が小さな悲劇でしかありえないとしても

 【追尾するソウルの塊】

古く竜の学院が失った大魔術師
ビッグハット」ローガンの独自魔術のひとつ

追尾性の高いソウルの塊を浮かべ、放つ

探求者たるローガンの一端が見える魔術だが
生命に惹かれるその性質について
後の研究では、むしろ闇に近いとされている

 罪の火が「闇」の性質を持つ可能性については、「暗すぎる」というアンドレイのセリフとマッチします。

また、この火の器の周りには白ヴェールの獄吏が4体立っています。
実は、器の火の発生にはこの獄吏たちが不可欠です。遠くから獄吏たちを大弓でダウンさせてしまえば器の火は発生しません。

詳しくは以下の動画で。(Twitterに飛びます)

https://twitter.com/esxovusl/status/1175830548649889792?s=21

動画の要点をまとめると、

・獄吏が居なければ火は発生しない

・獄吏は見えない体が有効だが、火には意味がない

・火には誘い頭蓋が有効だが、獄吏には意味がない

以上の結果を解釈すると、「獄吏は火の攻撃を促しているだけであり、火自身に独立した意思がある」と考えられます。

誘い頭蓋が有効な「火」は、実はもう一つ存在します。
それは「吹き溜まり」のボス、デーモンの王子の使う「浮かぶ混沌」です。

プレイヤーやデーモンの助祭の用いる浮かぶ混沌には有効ではありませんが、罪の火との貴重な共通点といえます。

【浮かぶ混沌】

死斑の呪術師、ダネルを魅了した儀式呪術
燻りの湖の助祭たちが用いるもの

飛沫を放つ、混沌の火球を浮かべる

束の間に燃え尽きるその混沌は
だが苗床に生じた原初の生命であるという
それはイザリスのの、憐れな証であろう

 混沌は原初の生命であり、それがソウルに惹かれるならば、この罪の火にも「意思」や「生命」に近いものが表れているように思えます。

 

2-2 器の中身は空っぽ

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この器の中には何もなく、ただ火があるのみです。

ダークソウルにおいて、火には「薪」などの火の燃料になるものが必要です。
そしてだからこそ、燃料が途絶えれば火は衰えていく。「はじまりの火の薪を巡った物語こそダークソウルの本筋」といえるほど、燃料は火にとって重要です。

「罪の火には燃料がない」と素直に受けとめるなら、

燃料を必要としない⇒火は燃え尽きない

と罪の火の不思議性質の一つとも噛み合います。

 

3火の燃料について

「罪の火には燃料が見つからない」という話をしたばかりですが、ここで燃料について少し確認をします。

火の燃料は何か。
結論から言えば、火は闇によってその勢いを増します。
より正しくいえば、闇によって火の力が増す現象がいくつかあります。

身近な例は「篝火の火」です。ダークソウル無印において、人間性(闇のソウルの欠片)を捧げることで、篝火の火を大きくし、エスト瓶の使用回数を増やすことができました。

また、上でも挙げた「混沌の火」はどうでしょうか。

【混沌の炎の種火】

武器を進化させるために必要な種火
混沌の炎の種火は廃都イザリスの業であり
古い作法を知る鍛冶屋だけが扱える

+5の炎の武器を、混沌の武器に進化させる
(混沌の武器は+5まで強化できる)

混沌の武器は炎攻撃力を持ち
人間性によって強化されるデーモンの武器である

 ダークソウル無印において、混沌の武器には人間性の数が多いほど、威力にボーナスが付いていました。(混沌の呪術にもボーナスが付いていたが、アップデートで撤廃)

混沌の炎が闇そのものを燃やしているかは分かりませんが、少なくとも人間性で力を増す性質があることがわかりました。

 

4絵画を燃やす火

話は少し変わり、「絵画を燃やす火」について。

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ダークソウル3のDLC1における、アリアンデル絵画世界を燃やす火のことをここでは「絵画を燃やす火」と呼ぶことにします。

この火は、画家が新しい世界を描くために必要なものであり、ゲールに頼まれたDLC1の目的の一つです。

絵画世界存続のため、フリーデと教父アリアンデルによって隠され、抑えられているものです。
実はこの火も、闇を燃料として燃えています。絵画とは、人の暗い血で描かれたものであり、そこには暗い魂、闇のソウルが宿っています。

【アリアンデルの薔薇】

絵画世界の鞠のような教父が
その血で火を鎮めるために用いたバラ鞭

絵画の修復者たるアリアンデルは
それが血で描かれることを知っており
それを守るためにまた血を用いた

【暗い魂の血】

奴隷騎士ゲールの、虚ろに生じた暗い魂の血

アリアンデルの「お嬢様」が
絵画世界を描くための顔料となる

ゲールが小人の王たちに見えたとき
彼らの血は、とうの昔に枯れ果てていた
そして彼は、暗い魂を喰らった

 

 5罪の火の一つの解釈

「絵画を燃やす火」のアイデアを踏まえて、私が考えた罪の火の一つの解釈がこちらです。

「罪の火は、絵画の火に近い存在である」

言い換えると、

「罪の火は、世界そのものを燃料としている」

 この解釈を導入することで、いくつかの問題点が解決できます。

・決して燃え尽きない問題

絵画世界の住人からみて「絵画を燃やす火」はいつ消えるのか。
世界を焼き尽くすまでこの火が続くのであれば、住人は火が燃え尽きることを観測することはできません。

罪の火も同様に、世界を燃料とするのであれば、その火が燃え尽きることを知る者はいません。

・燃料が見当たらない問題

絵画世界で燃えている火を見ると、何もない床が燃えていたり、特に燃料らしきものは見当たりません。
それもそのはず、絵画世界そのものが燃料となり燃えているためです。

罪の火が世界を燃やしているのであれば、そこに燃料としての物体が無いことも不思議ではありません。

・人を追いかける問題

罪の火が人を追いかける性質の根本には、「意思」や「生命」の存在があることを、初めに述べました。

実は絵画世界にも、人を追いかける特殊な火が存在します。

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この白木女が出す灯火は、ゆっくりながら、プレイヤーを追尾する性質があります。
木とは大地から様々なものを吸って成長するもの。闇で描かれた世界に生えた樹木は、闇の影響を受け、その火は生命に惹かれる性質を持ちました。

 

・キッカケが神官の家族の女性

罪の火は、エレオノーラのテキストに書いてある通り、神官の家族である罪の異形がキッカケです。

絵画の火はフリーデの死がきっかけで教父アリアンデルによって引き起こされます。
フリーデは教父アリアンデルの家族と言えるかはわかりませんが、神官に近い存在の女性です。 特殊な火の攻撃をしてくる白木女も、女性の姿をとっています。

 

・何が罪なのか

【浮かぶ混沌】(再掲)

死斑の呪術師、ダネルを魅了した儀式呪術
燻りの湖の助祭たちが用いるもの

飛沫を放つ、混沌の火球を浮かべる

束の間に燃え尽きるその混沌は
だが苗床に生じた原初の生命であるという
それはイザリスのの、憐れな証であろう

 これは自分の考えに過ぎませんが、「火に命を与えること」こそが罪なのではないかと感じました。
命を持った混沌がダネルを魅了したように、命を持った罪の火が、火の魔女の心を奪ったのかもしれません。

一つ注意しなければならないことは、「罪の火」の英訳は"profaned flame"であり、イザリスの罪の訳"Izalith's sin"とは訳が異なるため、同じ「罪」という単語にも別の意味を含めている可能性があります。

 

6まとめ

罪の火が世界を燃やす火であると解釈すると、いくつかの問題が解決できることがわかりました。

しかし、これまで言及していませんでしたが、罪の火が世界を燃やしているならば、
「世界は闇で作られているのか?」

これに関してはまた別の問題になりますが、「絵画世界ループ説」など、世界が闇で作られていることを提唱する説もあるため、まあオッケーかなと(適当)

 

世界が消えない限り火が消えない、だからこの火は燃え尽きない! 
と屁理屈結論にしてしまいましたが、まあきっと罪の火の説は多い方が面白いでしょう。

 

 

【ダークソウル】猛毒沼は人の汁!【考察】

この記事を読む前に、前回の記事を読んで頂けると幸いです!

1.またまた人松脂

今回の記事も、前回に引き続き人松脂に関するお話から。

【人松脂】

炭松脂が人の汁で腐ったもの

一時的に、右手の武器を闇強化する

不死街で保存や埋葬に用いられ
長い年月を経た後にこうなることがある
希少なそれは、ある種の儀式でも使用され
高値で取引されることも多いらしい

 人松脂とは、人の汁によって松脂が変質したものでした。
つまり、”人松脂あるところに人の汁あり!”という訳です。

さて、ダークソウル3において、人松脂を手に入れることができる場所は二か所のみです。
それは、前回紹介した不死街の部屋と、妖王の庭です。(他にもあったらごめんなさい)

不死街のものについては、前回の記事で詳しく書いています。
今回は妖王の庭のものについて考えます。

妖王の庭とは、ロスリック城の横にある、妖王オスロエスがボスとして登場するエリアです。
このエリアは、本作でも屈指の数の人の膿が闊歩し、さらに地面は猛毒の沼に浸っており、ボスまでのランニングが捗るエリアです。

1.の章で重要となるのは、人松脂が猛毒の沼にあるということです。

 

2.人松脂は絵画でも

拾得アイテムとして人松脂が得られるのは、上記2エリアのみでしたが、ドロップアイテムとして人松脂を手に入れることのできる敵がいくつか居ます。

まず、前回も紹介した不死街のスケルト
詳しくは前回の記事を読んで頂くとして、人の木化現象と人松脂に繋がりがあるそうな。

そして、輪の都のスケルト
ここのスケルトンも皆、頭から木を生やしており、不死街のスケルトンと同様の理由で人松脂を落とすのでしょう。

最後に、絵画の腐食者です。

f:id:yasaiprpr:20190902045759j:image

こいつです、ハエです。
何故このハエが人松脂を落とすのか、その答えは簡単です。
絵画自体が人の汁で描かれているからです。

【アリアンデルの薔薇】

絵画世界の鞠のような教父が
その血で火を鎮めるために用いたバラ鞭

絵画の修復者たるアリアンデルは
それが血で描かれることを知っており
それを守るためにまた血を用いた

【暗い魂の血】

奴隷騎士ゲールの、虚ろに生じた暗い魂の血

アリアンデルの「お嬢様」が
絵画世界を描くための顔料となる

ゲールが小人の王たちに見えたとき
彼らの血は、とうの昔に枯れ果てていた
そして彼は、暗い魂を喰らった

 絵画世界は人の血で描かれているため、その絵画を喰らうハエも、体内に人松脂を宿したのでしょう。

2.の章で大切なのは、絵画世界が人の汁で作られているということです。

 

3.汚水ムカデから見る毒沼

話は変わって、汚水ムカデについて。

汚水ムカデとは、冷たい谷のイルシール、罪の都、アリアンデル絵画世界に登場する敵です。

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こいつ。
この敵のドロップアイテムに注目します。
冷たい谷のイルシールの汚水ムカデは「緑花草」と「花付き緑花草」をドロップしますが、罪の都とアリアンデル絵画世界のムカデは「解呪石」をドロップします。

「緑花草」は冷たい水辺に自生する植物であることから、汚水ムカデのドロップアイテムは、生息する場所に依るものであることが考えられます。

罪の都の猛毒沼では、「解呪石」が拾えることもあり、これも生息場所に依るものでしょう。

となると、アリアンデル絵画世界の汚水ムカデが「解呪石」を落とすことも、その土地に由来するものなのかもしれません。

 

4.解呪石と人の汁、猛毒沼と人の汁

1.2.3.で得られたことをまとめると、

1.猛毒沼に人の汁あり

2.絵画世界は人の汁である

3-1.罪の都の猛毒沼で解呪石

3-2.絵画世界でも解呪石

 解呪石とは、もともと人であったものです。

【解呪石】(無印)

半ば頭骨が溶け込んだ灰色の石
カリム拍アルスターの秘宝の1つ
呪いの蓄積を減らし、呪死状態を解除する

人は呪いに対し力でありそれを減らすことしかできない
解呪石もまた、呪いを逸らす先でしかない

それは人、ないし人だった何かなのだろう

 1.3-1.を組み合わせると、

人の汁を吸ってできる人松脂と、人だった何か解呪石が猛毒の沼にある

であり、
また、2.3-2.から、

解呪石は人の汁のある土地にできる

と推測することができます。

以上二つから、

猛毒の沼は人の汁そのもの

と結論づけることができます。

ダークソウルにおいて、闇の霧が毒として体を蝕んだり、糞団子で猛毒となったり、鬱血亡者の血で猛毒になるなど、人の本質がしばしばとして現れることはよくあります。

 

おわりに&次回の構想の落書き

記事を書いていてずっと無視していたファランの毒沼
あそこにも沢山戦士が眠っていて、地下にはカーサスの深淵も近く、人の汁に溢れた腐った森なんですが、人松脂は落ちていないんですよねぇ...

しかし書いていて面白そうなことに気が付きました。
ファランの毒沼やその他特定の地域にある、白い木
この白い木は不死街の大弓巨人が助けてくれる目印になるものですが、この木の生えている場所に、共通点が見出せそうです。

木の生えている場所は、

不死街
深みの聖堂の墓地
ファランの毒沼
輪の都

の四つです。この土地を見て考えること、

白い木の生えている場所は人の汁がたっぷりありそう!

 

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 あ!人の汁がたっぷりの場所に白い木が!

【ダークソウル】キになる人間のお話【考察】

今回の記事は、ダークソウルの呪いと木についての内容です。

1.呪いは"木に"押し付けられる!

 ダークソウルにおいて、「厄介な呪いは他者に押し付けられる」といった描写多く存在します。

ダークソウル3の不死街では、大樹を呪い封じとして利用しています。

f:id:yasaiprpr:20190822182010j:image

【呪腹の大樹のソウル】

呪腹の大樹のソウル
力を帯びた、異形のソウルのひとつ

使用することで大量のソウルを得るほか
錬成によりその力を取り出すこともできる

古くより不死街には、あらゆる呪いが流れ着き
もっとも酷いものは神樹に封じられた
そして徐々に、その樹は変わっていったという

 

朽ちることのない古竜の末裔であるミディールも、闇を引き受けています。

【闇喰らいのミディールのソウル】

闇喰らいのミディールのソウル
力を帯びた、異形のソウルのひとつ

使用することで莫大なソウルを得るほか
錬成によりその力を取り出すこともできる

古い竜の末裔ミディールは、神に育てられ
朽ちぬが故に、永遠に闇を喰らう使命をもった
神がとうに滅びた後も、忘れることはなかった

呪いを引き受けられるもの共通点は何でしょうか。

【双蛇の円盾】(無印)

ロードランの地で作られる円い木の盾
古いシンボル、双子の青い蛇が描かれている

この地の樹木は、岩の大樹の遠い子孫であり
その性質をわずかに受け継いでいるため
魔法に対するカット率が高い傾向がある

 樹木は、灰の時代からあるの大樹の性質を引き継ぐものでした。

 このように、大樹のようなの性質を持つものは、様々な呪いを引き受ける器としての性質があります。

不死街ではこの性質を、呪腹の大樹以外にも利用しています。

【人松脂】

炭松脂が人の汁で腐ったもの

一時的に、右手の武器を闇強化する

不死街で保存や埋葬に用いられ
長い年月を経た後にこうなることがある
希少なそれは、ある種の儀式でも使用され
高値で取引されることも多いらしい

 炭松脂は、人の汁を吸い闇の性質を帯びることがあるそうです。
そもそも松脂とは、マツ科の植物から採取される樹脂のことです。
こういった情報からも、樹木には「闇」や「呪い」の類を吸い取る性質があることがわかります。

※余談
不死街の人たちは死体の処理に努力していることが様々な点から見て取れます。

・くるんだり

f:id:yasaiprpr:20190823013840j:image

・縛ったり

f:id:yasaiprpr:20190823013859j:image

・籠に入れてみたり

f:id:yasaiprpr:20190823013917j:image

当然、彼らは不死なのでそのまま埋めても意味はありません。
ですがなんと、不死たちの体液を奪ってしまえば蘇りは遅くなるそうです。

【墓守の双刀】

深みの聖堂、その墓守たちの双刀
双刀武器のひとつ

聖堂の墓守は、蘇る死体の始末者であり
その武器は大量の出血を強いる
血と体液を失えば、蘇りが遅くなるらしい

 不死街では、炭松脂に人の体液を吸い取らせることで、死体の管理をしていました。

 

2.呪いは"人に"押し付けられる!

 灰の性質のもの、特に樹木は人間たちに呪いのはけ口として用いられてきたことを確認しました。
ですが実は、我々はもっとよく呪いを引き受けてくれる存在を知っています。
解呪石です。

【解呪石】(無印)

半ば頭骨が溶け込んだ灰色の石
カリム伯アルスターの秘宝の1つ
呪いの蓄積を減らし、呪死状態を解除する

人は呪いに対し無力であり
それを逸らすことしかできない

解呪石もまた、呪いを逸らす先でしかなく
それは人、ないし人だった何かなのだろう

 プレイヤーに溜まった呪いを引き受けてくれるこの便利な石は、どうやら人であった何かのようです。呪死したプレイヤーは石化するなど、呪いと石には深い関わりがあります。

そして、呪いを受け止めるは他にも存在します。

f:id:yasaiprpr:20190823020924j:image

輪の都にある解呪の碑です。この碑でも解呪が行うことができます。
もし解呪石と同じ原理なら、この巨大な碑も元は人間ということになります。大量すぎる

以上のように、「人間の呪いは、石となった人間が引き受ける」といった例が多く存在します。

 

3.キになる人間のフシギ

木も石も、呪いを吸い取ってくれる良いヤツでした。
解呪石の例をみるに、石はもともと人でしたが、木はどうでしょうか。

 

ロスリックの高壁には、木になってしまった人間がいくつも見られます。
f:id:yasaiprpr:20190823030209j:image

また、不死街にも木になってしまった人間がいます。
f:id:yasaiprpr:20190823031410j:image

人間は木にだって、石にだって成ることができるのです。夢がありますね。

では、どうすれば人間は木になることができるのでしょうか。
ダークソウル2曰く、生きとし生ける者は、死んでも只じゃ終わりません。

【巨人の木の実の種】

巨人の木からとれる何かの塊
侵入者に対して敵が反応するようになる

朽ちた巨人は大樹へとその姿を変えた
死は終わりではなく、生きとし生ける者は
再生の環のなかにある

ならば、その環の外に出た者は
いったいどこへ行くというのだろうか

生き物は、死んでしまっても樹となり、新しい生命のサイクルを始めることができます。

人間も、死ねば木になれるのでしょうか

ここでもう一度人松脂について。

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不死街に椅子に座って木になってしまった人間が多くいる部屋があります。この部屋の宝箱では不死街で"唯一"人松脂を入手することができます。
ここで人松脂のテキストを再掲します。 

【人松脂】

炭松脂が人の汁で腐ったもの

一時的に、右手の武器を闇強化する

不死街で保存や埋葬に用いられ
長い年月を経た後にこうなることがある
希少なそれは、ある種の儀式でも使用され
高値で取引されることも多いらしい

 これは推測になりますが、このある種の儀式というものが、もしかすると「意図的に木になる」ための儀式なのではないでしょうか。木化した人間がいる他の部屋にも、「炭松脂の薬包」が落ちています。

また、不死街には口から木を生やした不死街のスケルトという敵がいます。

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 なんとこのスケルトンは、人松脂をドロップします。

また、他の木化した人間がいる部屋には、「炭松脂の薬包」が落ちています。

【薬包】

薬の包み。粉薬を紙に包んだもの。(コトバンク)

 座った木化人は頭部から、不死街のスケルトンは口から枝木を生やしています。
もしかすると、炭松脂の薬包は言葉通り経口薬の粉薬として使用されていたのかもしれません。

以上をまとめ、

1.炭松脂と人松脂には肉体から人の汁(血や体液)を吸い取る効果がある
2.人の汁を抜かれた肉体は死ぬことができる
3.死んだ肉体は木化する

と考えました。

逆に、木に闇や呪いを与えるとどうなるのか。

【呪腹の大樹のソウル】(再掲)

呪腹の大樹のソウル
力を帯びた、異形のソウルのひとつ

使用することで大量のソウルを得るほか
錬成によりその力を取り出すこともできる

古くより不死街には、あらゆる呪いが流れ着き
もっとも酷いものは神樹に封じられた
そして徐々に、その樹は変わっていったという

 酷い呪いを引き受けた大樹は、やがて姿を変えていきました。
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大樹の中から、人間の手のようなものが生えてきています。呪いによって変容してしまった結果です。

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また、呪腹の大樹の吊るす木の実にも、人間の手に似た何かが垂れています。

呪いを受けた大樹の内部には、人のような形をもった生命が生み出されつつありました。

 つまり、
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木と人は、呪いを介して姿を変えられる同一の存在だったのではないでしょうか。

4.まとめ 

今回のまとめです。

・呪いは木や人間に押し付けることができる。

・炭松脂の薬包は、本当に粉薬だったのかもしれない。

・人間は木になれる。木も人間になれる。

 

5.妄想、殴り書き

※以下落書きです。書いていて気になったことの殴り書き。

呪いが抜けて木になるのではなく反対に、人が呪われて木になる可能性も考えました。
人松脂をキメることで呪われて木になれるのかな、なんて。樹脂で呪死

そしてさらに妄想、
「火はそもそも木が生んだのではないか?」
木自身が内部に「炭松脂」のような発火性のものを生成していたり、

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火のない世界の絵画の木が火を飛ばしてきたり、

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そしてそもそも、はじまりの火ですら、大樹の中で生まれているのかも。

また、妄想。

書いていて気になったのが、人間が解呪石になる方法。
同じ灰の世界のもの同士、木と同様に人間から呪いを引っこ抜けば石になれるのかと考えましたが、逆に人間は呪死することで石化します。
石化状態は、ダークソウル2の「懐かしい香木」で解除されることも木になっています。(木の成分が、口と鼻に入り呪いを取り除いている?)
結晶という石に似た存在は、シースや輪の都の亡者を見るに、呪いをまき散らす性質もあります。

 

次の記事では、人の汁と解呪石の関連について書くことを考えています。この方面から、「石と人間と呪いの関係」について何かわかればいいなと思っています。

 

【隻狼】古戦の掛け軸 目指せ!完全解読!

1.はじめに

古戦の掛け軸とは、葦名城本城の「葦名流 佐瀬甚助」と戦闘する部屋にある掛け軸です。
この掛け軸を調べることで表示されるテキストが以下になります。

『古戦の掛け軸』

かつて葦名に、あやかしきたり

あやかしの雷は、源の神鳴り
神業無くば、弾き返せぬ

即ち、地に足つけぬ、雷返しなり

 弦一郎戦の前に、雷返しを知るための掛け軸でした。

 

2.アートワークスはいいぞ

さて、2019年8月2日に発売されたSEKIRO:SHADOWS DIE TWICE Official Artworksにおいて、この古戦の掛け軸が掲載されています。

文字の部分をピックアップしたものが以下になります。
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肝心の内容ですが、この文章は草書体で書かれております。

例えば「姿」という漢字は、草書体で書くなら、

f:id:yasaiprpr:20190821002400g:image

このようになります。ノリで解読することは難しそうです。
様々なサイトとフォロワー様方の力をお借りし、自分なりに納得できるまで解読してみました。

こ 葦 そ 雷
れ 名 の を
に の 姿 操
抗 始 女 る
す 祖 の あ
  沼 武 や
  の 者 か
  主 姿 し
  の な 葦
  胆 り 名
  を   に
  ◯   有
  み   り

 ◯は「これだ!!」という漢字が見つからなかったため、保留にしてあります。(「主」も少し不安)
ですが、これでざっくりと意味は伝わります。掛け軸の前に配置されているアイテムうな胆を考慮すると、この掛け軸には
「葦名の祖先はうな胆を食べて、あやかしと戦った」
と推測できます。

#####  2023年6月16日 更新 #####

判明していなかった最後の1字が判明しました。

おそらく「飲」です。どうだろう、見えるだろうか。

「飲」(U+98F2) | 日本古典籍くずし字データセット

これによって、掛け軸の完全解読完了です!

こ 葦 そ 雷
れ 名 の を
に の 姿 操
抗 始 女 る
す 祖 の あ
  沼 武 や
  の 者 か
  主 姿 し
  の な 葦
  胆 り 名
  を   に
  飲   有
  み   り

結果は予想通りでしたが、全て埋められたのは嬉しいです。

###########################

 

3.戦いはまだ終わらなかった

「なんだ、狼はうな胆の掛け軸を読んで雷返しを知ったのか ハハッ」
と笑っていたのも束の間、佐瀬甚助さんとの戦いの後、掛け軸をよく覗いてみたところ、

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 三行しか文章がないぞ?
(画像はコントラスト調整)

 

どうやらゲーム中の掛け軸とアートワークスの掛け軸では文章が異なるようです。

隻狼の寄鷹筒の仕様もあり、見やすい角度でこの掛け軸の文章を撮影することが難しく、私はこの文章の意味を読み解けていません。(真ん中の行は 「こ◯◯まゝにあ◯◯◯」?)

根拠のない推測ですが、この掛け軸には、正しく雷返しの伝説が記されているのではないかと考えています。

 

4.おわりに

アートワークスの掛け軸の文章を見るに、もともとはうな胆の説明のためのものだったのかもしれません。しかし、弦一郎戦で初めて登場する雷の対処法として、雷返しを説明する内容に変更したのかもしれません。

ゲーム内の掛け軸も、ちまちま調べ、いずれすべての文字を解読したいと思っています。

ありがとうございました。

 

※参考にしたサイト

https://kanji.jitenon.jp/ (漢字辞典オンライン) 同一部首の漢字を調べるのに便利

https://mojizo.nabunken.go.jp/ (木簡・くずし字解読システム mojizo) 一文字分画像から似た形状の画像を探してくれる

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/PDF/5tai/ (五體字類) 多くの漢字のさまざまな書体での書き方が記されている

 

アートワークスはいいぞ

SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE Official Artworks

 

 

【隻狼】淤加美の紋章と不死斬りと弦一郎の出自【考察】

twitter赤の不死斬りの箱に特徴的な紋章があるという指摘を目にしました。
この紋章を探してみると色々面白かったので、紋章と、そこから推測される葦名の過去について考えてみたいと思います。

 

【1.導入】

まず、本テーマのきっかけとなる赤の不死斬りの入った箱を見てみます。

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これと同じ紋章が源の宮にもあります。

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これは淤加美の女武者の所持品にも書かれています。

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以上から、赤の不死斬りと宮の勢力、中でも淤加美の女武者たちに繋がりがあることが分かりました。

 

【2.淤加美と葦名】

『淤加美の古文書』
仙郷を目指した淤加美一族が残した古文書

 香気の石、葦名の底の村に祀られたり
 身を投げねば、辿り着けようも無し

 これで源の香気、揃うたり
 仙郷へ、出立のときぞ

「源の香気を集め仙郷に行く」狼たちと同じ方法で淤加美たちは源の宮に至ったようです。
つまり、

『彼女たちも竜胤の御子の血を手に入れている』
⇒『かつて不死斬りを使用した』
ということが分かります。
(ちなみに、淤加美の女武者は竜胤の御子およびその従者の特徴である、部分的な白髪を帯びている。)

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次に、淤加美と葦名の関わりについて

『錆び丸』
斑な緑青の刃をした、古い小太刀
忍義手に仕込めば、義手忍具となる

いにしえの昔、葦名に攻め寄せた
人ならぬ一族に抗するため
葦名衆が鍛えたもの

あやかしを退けたは、
青錆びの毒の賜物とか

『古戦の掛け軸』

かつて葦名に、あやかしきたり

あやかしの雷は、源の神鳴り
神業無くば、弾き返せぬ

即ち、地に足つけぬ、雷返しなり

いにしえの昔、淤加美の女武者達は宮から葦名に降り、そして退けられたそうです。
末裔である蛇の目の存在から、その後淤加美たちが葦名の地で生活を営んでいたことが考えられます。

時代は進み、淤加美の一族であると、その主であり竜胤の御子のが葦名に降り立ちます。巴たちも狼たちと同様に、不死断ちを目指して活動をしました。
しかし、巴たちは不死斬りを手に入れることができませんでした。

『巴の手記』
柔らかな字でしたためられた巴の手記

 丈様の咳は、ひどくなられるばかり
 仙郷へ帰る道は、どうやら叶わぬ
 せめて竜胤を断ち、人に返して差し上げたい

 人返りには、常桜の花と不死斬りが要る
 なれど、花はあれども不死斬りはない
 仙峯上人が、隠したのであろう
 竜胤を断つなど、あの者は望まぬゆえに...

【3.以上を踏まえて】

 赤の不死斬りの箱には宮の紋章があるため、少なくとも一度は宮に不死斬りはあったと考えられます。不死斬りは、淤加美が仙郷に至る際に宮に運ばれたと解釈しました。
ですが丈たちの時代、赤の不死斬りは仙峯寺にあります。

そのため、何者かによって赤の不死斬りは宮から葦名に持ち出されたのだと考えられます。(または"どんぶらこどんぶらこ"と落ちてきた)

宮の人たちは死なず、老いていくだけの存在です。

...源の宮の、痴れ者どもめ...
もうすぐ、我は鯉になろうぞ
老いぼれるだけのお前たちに...
及びもつかぬ永遠... (壺の貴人 春長)

老いを望まぬ者たちに残された道は、若さを取り戻すか死を選ぶか 二通りの道があります。 
老いてもまだ死ねぬ宮の貴族たちは、若さに飢えています。

お若いお人、お気をつけください
宮の貴族たちは、若い精気に渇いています
吸いたくて、吸いたくて、仕方がないのです

若さを求める者たちに対して、永遠を望まない者もいます。

我が父は、貴族になりましたが
そのとき、鯉に魅入られてしまいました
もうずっと、ずっと、ただ鯉に餌をやっています
若いお人。どうか父を、鯉の呪縛から解き放ってください

あのような永遠は、父の望みではありませんでした

「若さを取り戻す」目的と、「永遠を断ち切る」目的、どちらも不死斬りの目的と一致します。(全盛を取り戻すためのと、不死の淀みを断ち切るための

いにしえの昔の淤加美たちも、(貴族の命か、本人たちの望みか、)不死斬りを求めて葦名に降り、そして目的は果たせず葦名に残ったのかもしれません。

 

【4.弦一郎について】

話は大きく変わるようですが葦名弦一郎について。

実は弦一郎、宮と深いつながりがあります。
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墓前とは葦名本城の「名残り墓」のことでしょう。
名残り墓には巴と丈の墓があります。
つまり、弦一郎の叔父が丈ということになります。
「叔父」というのは「両親の弟」、言い換えれば「祖父母の息子」ということになります。

「戦いの残滓 葦名弦一郎」
心中に息づく、類稀な強者との戦いの記憶

今はその残滓のみが残り、
記憶は確かに狼の糧になった

葦名弦一郎は、市井の生まれである
が死んだのち、葦名に引き取られた

巴の雷と呼ぶ、異端の技の遣い手である
葦名存亡の鍔際。異端こそ、この国を護るのだ

 丈が誰の弟なのかはテキストで明言はされていませんが、の存在とその死後に葦名に引き取られた事実は確認できます。
仮に、弦一郎の母の弟がであった場合、弦一郎の母宮の一族とのつながりを見ることができます。

 さて、弦一郎の母が宮の一族、つまり淤加美や宮の貴族との血縁にあった場合、彼の出自についても色々と考えることができます。
もし弦一郎の母が、蛇の目のような淤加美たちの末裔であった場合、「かつて葦名を襲った者たちの生き残り」として迫害を受けている可能性があります。
事実、蛇の目が率いる落ち谷衆は、葦名と道の繋がっていない場所で生活を営んでいます。
弦一郎が一心の孫でありながら、市井の生まれである一つの理由と考えられます。

葦名存亡の鍔際。異端こそ、この国を護るのだ

 隻狼本編の葦名、存亡の鍔際の葦名においては、落ち谷衆だけでなく、赤鬼や変若水の澱などまで使い葦名の護りを固めています。異端こそ、この国を護るのだ

 

【まとめ】

1.赤の不死斬りは「源の宮」経験者!

2.淤加美は昔から、葦名と色々あった。

3.淤加美たちは不死斬りを求めて葦名に降りてきた!?

4.弦一郎が市井の生まれなのは、淤加美の関係者であったから!?

 

【おわりに】

隻狼は様々な史実のモチーフから情報を引き出して考察することができますが、原点に立ち返って「隻狼」内の情報のみで頑張ってみました。
時系列を含めて赤の不死斬りの移り変わりを考えるのは不確定な要素が多く困難でした。ここに黒の不死斬りまで含めると、"正しく"情報を結びつけることは骨が折れそうです。

我、死なず。情報をただ願う
みな死なず、永く待とうぞ

【隻狼】怨霊攻撃と神宿り攻撃【検証】

※ 以下、鳳凰の紫紺傘で防ぐことのできるような「怨霊の類からの攻撃」の属性を「怨霊属性」と呼ぶことにします。

以下、神ふぶきなどの「怨霊の類にダメージが通る属性」を「神宿り属性」呼ぶことにします。

 

【準備】

まず、首無しなどの怨霊にダメージが通る「神宿り属性」のものとして、以下のものが挙げられます。

  • 神ふぶき
  • 鳳凰の紫紺傘
  • 瑠璃の浄火

 

「神ふぶき」

怨霊払いの加護を持った紙ふぶき

紙を抄くというが、
源の水で行うそれは、神を掬うことでもある

神宿の紙ふぶきは、浴びた者に加護を降ろす
怨霊の類にも、攻撃が通じるようになる

 

鳳凰の紫紺傘」
紫紺の鳳凰が描かれた仕込み傘
形代を消費して、使用する

鉄扇を傘のように開き、
全方位の敵の攻撃をガードする
また軽い攻撃であれば、受けながら移動できる

鳳凰の恩寵が神宿らせ
怨霊の類からの攻撃を、防ぐことができる

 

「瑠璃の浄火」
源の瑠璃の恩寵を授かった火吹き筒
形代を消費して、使用する

吹き出す紫の火は、
怨霊へもダメージを与える
ただし、この火は「炎上」効果を持たない

瑠璃の浄火は、神宿
凝った怨念は、その火に焼かれよう

全て「神宿」の文言があります。

 

では、とは何でしょうか。

「銭寄せのミブ風船」
源の水を内に秘めた、招財祈願のミブ風船

黄色いミブ風船を割り拝み、
その水を浴びたものは、
一時的に銭の入手量が上昇する

ミブは水生。水が生まれることを指す
葦名衆にとって、源の水は、
それ自体が詣での対象なのだ

源の水は葦名衆の信仰対象であり、神ふぶきのテキストにあるように、水には神が宿るそうです。

次に、「源の瑠璃」で強化することのできる「瑠璃の浄火」について見てみます。

「源の瑠璃」
貴く青い源の瑠璃
最大まで強化された義手忍具を作成する筒薬

源の瑠璃には、常しえがある
瑠璃で鍛えたものとは、
常しえに砕けることも、錆びることも無い
神なる竜の恩寵を受けるがゆえだ

鍛えた義手忍具は、人知を越えた賜わりもの
神なる竜の神器と称されよう

瑠璃の力は竜によるものであり、竜は神である。

 

また、「鳳凰の紫紺傘」についても、

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鳳凰と竜が同列で扱われているオブジェクトがあるため、鳳凰と同列の存在と思われます。

 

さて、ここで「鳳凰の紫紺傘」でのみ防ぐことのできる攻撃についてまとめます。

(これらの攻撃は、神ふぶき、瑠璃の浄火の纏い時にも同様に防ぐことができます。)

 

  1. 怖気ゲージの溜まる攻撃(ex.首無し、七面武者)
  2. 桜牛の攻撃
  3. 巴流 葦名弦一郎の「不死斬り 纏い斬り」

 

1.はまさに「怨霊の類からの攻撃」に分類できます。

次に、2.の桜牛について。

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桜牛の属性ダメージの原因は、頭に巻きつけられた桜の木です。

隻狼において、桜と竜は強い繋がりがあることから、桜牛の属性は「神宿り属性」と解釈しました。

3.の不死斬りはどうでしょうか。上で「神宿り属性」を「怨霊の類にダメージが通る」攻撃と勝手に定義しました。黒の不死斬りを使用することはできないので、代わりに赤の不死斬りを用いて測定を行いました。(協力:城下の首無しくん、葦名の侍くん)

結果、赤の不死斬りの攻撃は怨霊に(通常の攻撃と同じように)ほとんどダメージが通りませんでした。

少なくとも不死斬りが「神宿り属性」でない事がわかりました。

 

【まとめ】

・神ふぶき、瑠璃の浄火、鳳凰の紫紺傘は同質の力。神宿の力。

神宿りの力を纏ったものでは、神宿りの力と怨霊の力をどちらも防ぐことができる。

・少なくとも"赤"の不死斬りは神宿りではない。

 

【蛇足】自分の中での、神と怨霊(死なず)の違い。

神も怨霊(死なず)もどちらも「死んでいない」「生き続けている」存在です。

神は常しえ、朽ちることの無い存在です。

それに対して、首無しなどに代表される怨霊たちは、当然死んでいるはずの存在が生きている状態と解釈しました。(首無し、獅子猿、破戒僧 etc...)

 

そういった意味では、ラストの一心は怨霊のような存在と言えるかもしれません。

より具体的に言えば、怨霊というより蟲憑きに近いです。 というのも、怨霊を殺すために不死斬りは必要ありませんが、蟲憑きと一心のトドメを刺すには不死斬りが必要です。

神なる竜は、西の故郷より来られたという
 我に、蟲を授けられたは、なにゆえか

蟲憑きは竜が現れたことによって生まれた存在です。黄泉返りも、竜胤の御子の血、つまり竜の力で生まれるものなので、蟲に近いかもしれません。(ちなみにどっちも首から生えてくる)

 

【さらに蛇足】

宮に居る白いトカゲで血刀の術を行なった場合、白い液体を刀に纏うことができますが、これは神宿り属性ではありませんでした。(宮の七面武者で検証)

【隻狼】竜胤の雫の場所から色々考えたい

 

竜胤の雫


竜胤の御子から、稀に零れ落ちるもの
使用すると、回生の力をわずかに増やす

「快復の御守り」があれば
この雫を鬼仏に供えることで、
生の力を、それを奪った者たちに返せる
そうして、竜咳に罹った全ての者を快復させる

止まぬ咳が、止まるのだ

 

回生の力を回復することができる「竜胤の雫」は、竜胤の御子から稀に零れ落ちるものであると明記されています。

 

この竜胤の雫はエリアアイテムとしていくつか拾うことができます。 

竜胤の御子にゆかりのあるアイテムの配置場所から、色々推察できないか考えてみたいと思います。

 

まず、エリアで拾える竜胤の雫は

  1. 葦名城本城
  2. 仙峯寺本堂
  3. 落ち谷
  4. 葦名城本城(梟襲来時)
  5. 源の宮
  6. 葦名城城下(内府襲来時)

にあります。

 

これらのアイテムの場所を具体的に見ていきます。

 

1.葦名城本城

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葦名城本城の名残り墓に竜胤の雫はあります。

 

2.仙峯寺本堂

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もう一つの竜胤の雫は、仙峯寺の本堂の大仏に供えられています。

 

3.落ち谷

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ジラフを撃破した先、落ち谷奥廊下の白蛇によって破壊される橋の先に竜胤の雫があります。(おくるみ地蔵もある)

 

4.葦名城本城(梟襲来時)

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葦名城本城、白蛇の社にて孤影衆の正就の死体に竜胤の雫が現れています。

 

5.源の宮

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桜竜のエリアの手前、階段の左横に竜胤の雫があります。

 

6.葦名城城下(内府襲来時)

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怨嗟の鬼撃破後、天狗の居た建物の中に雫があります。今作のヒロインも居ます、かわいいですね。

 

  • 雫の由来は?

さて、以上の6つの竜胤の雫のうち、1. 2. 5.の竜胤の雫は、その由来を推測できます。

具体的に見ていきます。

1. 名残り墓前

名残り墓は巴と丈の墓です。 かつての竜胤の御子であった丈の墓前に、竜胤の雫があることは不自然ではありません。

 

2.仙峯寺本堂

仙峯寺には人によって作られた竜胤の御子である変若の御子が居ます。

変若の御子から零れ落ちた雫と考えても良いかもしれません。

しかし、個人的に変若の御子のお米が竜胤の御子の雫に対応するのではないかと考えているので、後ほど別の解釈を提示します。

 

5.源の宮

桜竜ボスエリアに転送する場所には、巫女と呼ばれる女性がいます。白髪であることなど、竜胤の御子と共通の特徴があります。

よってこの雫を、彼女から零れ落ちた物と解釈できます。

 

  • 雫のある場所の共通点

御子にまつわる土地の雫を見てきましたが、これでは全ての雫を説明できません。

ここで一つの考えを提示します。

 

「竜胤の雫は弔い、死者に供えるもの」

 

1.2.3.4.5.の雫を見てみると、全て死者に雫が供えられていることがわかります。

1.は巴と丈の墓へ、

2.は本堂の大仏、そして死んだ変若の御子たちへ、

3.は謎の即身仏おじさんへ、

4.は孤影影の正就へ、

5.は巫女の遺体(?)へ

 

4.の正就の遺体は、天狗のイベントを進めることで現れますが、雫が現れるのは梟襲来時、つまり孤影衆の正長がボスとして現れるタイミングです。

このことから、

「雫の由来は正就でも一心でもなく、正長が供えたもの」

と結論付けました。

 

  • まとめと残る疑問

「お供え物としての雫」という一つの可能性を示しましたが、6.の説明ができないため、まだまだ不十分です。

 

また、落ち谷奥廊下の即身仏おじさんにも謎が残ります。

頭に緑色の痣がないので、仙峯寺系列のお坊さんではなさそうです。

白蛇が壊す橋の先にいるので、白蛇、淤加美、蛇の目たちとの関連も気になるところです。

おくるみ地蔵の方面からも考察ができそうなので、即身仏おじさん先生の次回作にご期待ください。(打切)

 

【隻狼】淤加美元ネタ探しの旅【観察】

源の宮にいる一族「淤加美」について面白い情報が得られたので纏めたいと思います。

 

まず、淤加美とは古くから葦名と繋がりのあるいにしえの人々です。

戦国時代を舞台とする葦名からみて「いにしえ」ということは、鎌倉、平安時代あたりの人物と推測されます。

 

淤加美として登場する人物の中で、名前のわかっているのは淤加美の長である「静」と弦一郎の剣の師である「巴」です。

史実においても、平安後期の女性に静御前巴御前という人物が居るため、古くからある名前として問題ありません。

 

 

f:id:yasaiprpr:20190620185224j:image

上の画像は、淤加美の女武者の持つ刀の柄です。スリットの入った構造をしていることがわかります。

 

f:id:yasaiprpr:20190620232723j:image

これは、国宝である金地螺鈿毛抜形太刀というものです。柄の部分が類似していることがわかります。

この太刀は平安時代のものと言われています。

 

毛抜形太刀というのは、蝦夷地の刀を起源とするそうで、「葦名は東北がモデル」といった説もある為、なかなか興味深い発見です。

 

また、他にも彼女らは弓や薙刀を使いますが、これらも平安後期に存在していました。(槍の生まれは鎌倉時代末期あたりらしい)

 

 

次に淤加美が橋で踊っている舞についてです。

https://twitter.com/esxovusl/status/1141719696099569665?s=21

 

https://youtu.be/KG9efSXLGDw

次に舞楽の"陵王"の動画です。

指を二本突き出した動きなど、似ているように感じます。

この"陵王"で用いていられている舞い面は

f:id:yasaiprpr:20190621005632j:image

竜を頭に乗せた形状の仮面です。

 

f:id:yasaiprpr:20190621005704j:image

そしてこれが隻狼で登場する"竜の舞い面"です。

頭部に竜のある形状などが類似しています。

 

竜の舞い面

竜頭が冠された舞い面

割れていた破片を、繋ぎ合わせたもの

〜中略〜

源の宮で、淤加美の女武者は、

竜がために舞いを捧げた

すると不思議と力がみなぎったという

 

こういった共通点からも、淤加美の踊っている舞は"陵王"とみなして問題なさそうです。

 

  • 結論

人名や用いている武器、淤加美たちの文化を見て、平安時代後期に相当する時代の人物たちだと推察します。

 

 

【隻狼】秘伝 覗き魔流 NPCの覗き方

※バグの可能性が高いので、実行する場合は自己責任でお願いします。

 

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これはダークソウル3のアリアンデルの画家のパンツです。

恥部を喪失した人物が多数を占めるダークソウルの世界で、「下着を履いている」の事実だけで記事が書けそうですが、やめておきます。

 

ダークソウルは「協力」「対人」「覗き」の三位一体で成り立っていると言っても過言ではありませんね。

 

冗談はさておき、NPCの観察をして得られる情報は多いため、なかなか覗きは楽しいものです。

 

さて、隻狼においても私はウキウキでNPCを覗いてやろうと考えていました。

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仏師が透けとる!

 

そうです、隻狼ではカメラをNPCに近づけると半透明化してしまいます。

 

ですが、悲しみに打ちひしがれて隻狼を40周していたその時、

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透けてない!!

 

何故かNPCの半透明化を防ぐことができました。 急いでビデオクリップを撮り、原因を探りました。

 

結論から言えば、

「幻廊に行くこと」

が半透明化を防ぐトリガーでした。

 

幻廊とは「屏風の猿たち」と戦闘するエリアです。奥の院から再び訪れることができます。

 

幻廊に行き、奥の院に帰ることで半透明化は防がれます。

 

しかし注意が必要なのが、「ロードを挟むと終了する」ということです。

 

幸い、奥の院から扉を開けることで仙峯寺本堂に出ることが出来るため、そのまま葦名城まで行くことができます。(源の宮はロードが必要なためおそらく不可能)

 

この技術を使えば、NPCにかなり近づいてもはっきりと写るので絵の資料集めにも使えるのではないでしょうか。

 

以下、これを用いた覗きコレクションです。

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↑お凛の素顔
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↑梟のおへそ
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↑一心の乳首(裏側)
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↑一心の目玉 (左目玉が無い!)
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↑九郎さまの目玉

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↑孤影衆くんドアップ

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↑仏師の左腕(一心に切られたので黒く焦げてる?)

 

 

【隻狼】スキルポイントに関する前回の修正

https://engankyo.hatenablog.com/entry/2019/04/24/164613

 

以前、スキルポイントの異常性について記事を書きました。そこではカンスト周回時のデータを取っていたので、今回は一周目でのデータを取りました。

 

以下にデータを示します。

  • 鬼刑部  1000
  • まぼろしお蝶  1500
  • 葦名弦一郎  2000
  • 獅子猿  4000
  • 首無し獅子猿  5000
  • 四猿  3000
  • 幻影破戒僧  5500
  • 宮の破戒僧  8000
  • 大忍び 梟  6000
  • 義父  10000
  • 桜竜  12000
  • 怨嗟の鬼  15000
  • 葦名一心(修羅)  10000
  • 剣聖 葦名一心  20000

 

カンスト周回時に、スキルポイントがおかしいと思われたボスは、破戒僧、梟でした。

 

破戒僧に関しては、一周目ではしっかりと宮の破戒僧のスキルポイントが村のものより多くなっており、問題はありませんでした。

 

梟に関しても、村の破戒僧より少し高く、ストーリーの進行度として問題ありませんでした。

 

周回時に起こるこのような問題は、周回による経験値増加率がエリアによって異なることが原因でした。

 

具体的な増加率は、FUTURE PRESS社の攻略本から引用して以下に示します。

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源の宮では75%上昇であるのに対し、葦名の底では200%上昇であるため、村の破戒僧のスキルポイントが高くなっていることがわかります。

 

 

【隻狼】青錆びの毒はトクベツ!!【検証】

この記事の結論は、

「青錆びの毒はそんじょそこらの毒とは違う!!!」

です。

 

https://engankyo.hatenablog.com/entry/2019/04/15/141006

以前「淤加美一族と青錆びの毒」という記事で、淤加美一族と毒の特別な関係を検証してまとめました。

 

この記事の"蛇の目 シラハギ"の項で説明しましたが、彼女を毒沼で中毒にさせた場合と、錆び丸で毒にさせた場合で、反応が異なりました。

 

https://twitter.com/esxovusl/status/1117766743055687681?s=21  ←青錆びによる中毒

 

https://twitter.com/esxovusl/status/1117568709336322048?s=21  ←3番目、シラハギを毒沼で中毒に

 

『淤加美一族は「青錆びの毒」にのみ、特異な反応を示す』と結論付けました。

 

今回は、その結論を補強するデータが得られたので、紹介したいと思います。

 

https://twitter.com/esxovusl/status/1133453287657656320?s=21

 

検証には、「毒トカゲの血刀エンチャント」を利用しました。

 

動画を見ると分かる通り、シラハギはこの中毒時に特殊な反応は示しませんでした。

 

【結論】

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ロード画面のtipsにある通り、淤加美は「青錆びの毒」に弱い!

「青錆びの毒」と「毒沼、毒トカゲの毒」は完全な別物である!

 

ちなみに、源の宮に居る白いトカゲは、血刀エンチャントに毒属性はありません。